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肥満外来の名医が解説!空腹ホルモンを制御する“自分ルール”のつくり方

  • 2025.12.20
教えてくれたのは…
髙倉一樹先生

内科医・消化器内科医、産業医。1976年、横浜生まれ。東京慈恵会医科大学卒業後、臨床医として東京慈恵会医科大学附属病院、東急病院、川口市立医療センターなどに約18年間勤務。膵臓がんの基礎研究のため、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に客員研究員として2年半留学。これまで臨床・基礎研究に関する医学論文を多数執筆している。現在、UnMed Clinic Motomachi 院長。複数企業の嘱託産業医を務めるほか、東京慈恵会医科大学環境保健医学講座非常勤講師、日本予防医学会理事。

体内チームのプロジェクトリーダーは「あなた」

肥満外来の名医が解説!空腹ホルモンを制御する“自分ルール”のつくり方

ダイエットにおけるホルモンの働きは、会社組織に例えることができます。ビジネスの現場でも、情報共有がうまくいかなかったり、部署間での連携ミスが起こったりすると、プロジェクトは思うように進みません。

私たちの身体もそれと同じで、ホルモンという「体内チーム」が円滑に機能しないと、脂肪の燃焼もうまくいかず、代謝は落ち、食欲は暴走し、結果的に太りやすく、やせにくい状態に陥ってしまいます。

つまり、やせるかどうかは、ホルモンという体内チームを、いかにうまく運用できるかにかかっています。その第一歩は、自分自身がダイエットというプロジェクトの「リーダー」になるという視点を持つことです。

チームメンバーであるホルモンたちに、プロジェクトリーダーとして無理な働かせ方をしていないか。足並みが乱れるような生活習慣を放置していないか。そうした視点で日々を見直すことが、体重を「整える」ための出発点になるのです。

今回は、「空腹ホルモン」とも呼ばれる“グレリン”についてご紹介しましょう。

グレリンを例えるなら…「いつも差し入れをくれる営業担当」

肥満外来の名医が解説!空腹ホルモンを制御する“自分ルール”のつくり方

「取引先から差し入れもらったんで、一緒に食べません?」
「外回りで美味しそうなケーキ屋さんを見つけたんで、買ってきちゃいました!」

そんな食欲を刺激する誘惑を仕掛けてくるのが、グレリンというホルモンです。グレリンは、別名「空腹ホルモン」とも呼ばれます。主に胃から分泌され、脳の視床下部に「お腹が空いた」という信号を送り、私たちの食欲を刺激します。

特に、空腹時や血糖値が急激に下がったとき、グレリンは勢いよく分泌されます。「今食べないと損ですよ! なくなっちゃいますよ!」とばかりに、タイミングを狙って声をかけてくる、コミュニケーション能力の高い営業担当。そんな存在だとイメージすると、分かりやすいかもしれません。

グレリンに振り回されない上手な断り方

肥満外来の名医が解説!空腹ホルモンを制御する“自分ルール”のつくり方

ただし、グレリンは決して「悪者」ではありません。私たちが必要なエネルギーを確保するうえで、本来は重要な存在です。問題は、睡眠不足やストレスといった生活の乱れによって、過剰に分泌されてしまうこと。例えば、睡眠時間が短いとグレリンは増加し、同時に「満腹ホルモン」と呼ばれるレプチンが減少します。これでは「食べたい気持ち」に抗うのは至難の業です。

そこで重要になるのが、「応対の仕方」です。グレリンは、空気が読める成績優秀な営業担当。あらかじめ「この時間はお断り」とルールを決めておけば、しつこく誘ってくることもありません。

例えば、差し入れのおやつはその場で食べずに、自分が決めた時間に楽しむ。夕食は就寝の3時間前までに済ませるなど、食事のタイミングを仕組み化しておくことで、グレリンの誘いにも「ありがとう、またあとでね」と、うまく応じることができるのです。

つまり、食欲の波はあなたの意志の弱さではなく、グレリンという敏腕営業担当の“コミュ力の高さ”ゆえの、巧妙な仕掛け。そう理解するだけでも、ずいぶんと対処しやすくなるはずです。

※本記事は、『肥満外来 無理なくやせる科学的メソッド』(髙倉一樹・著)を一部抜粋・再編集したものです。


『肥満外来 無理なくやせる科学的メソッド』

肥満外来 無理なくやせる科学的メソッド

肥満外来の医師が教える、多忙な人でも“がんばらずに結果が出る”科学的ダイエット。必要なのは根性ではなく、続けられる“マイクロアクション”。水を飲む、ガムを噛む、1分のスクワットなどの小さな積み重ねが、代謝を動かし「体重が整う」身体へと導きます。約2000人を診てきた治療経験にもとづき、“失敗しようのない”実践法を紹介。話題のGLP-1薬を用いたメディカルダイエットの安全な活用法も、医師の視点から丁寧に伝えます。ダイエットが続かない&リバウンドを繰り返す人にこそ読んでほしい1冊。


構成/金澤英恵 写真協力/Shutterstock

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