スイーツや揚げ物を食べてもOK！ “予約のとれないダイエットコーチ”が教える「三日坊主ダイエット」って？【書評】

【漫画】本編を読む

「産後体重が戻らない」とはよく聞く言葉。日々の育児・家事はたまた仕事に追われ運動する時間はない、家族と一緒に食事を取るためダイエット向きのご飯を作ることも難しい。痩せない理由を挙げれば枚挙にいとまがありません。

かくいう私は産後どころか学生時代からの万年ダイエッター。長年ぽっちゃり体型から脱出できないまま今に至ります。そんな私が出会ったのが『挑戦マンガ アラフィフ母さんが3か月で7kg痩せた！ 奇跡の仕組みダイエット』（うだひろえ、野上浩一郎/主婦の友社）。コミックエッセイストのうださんが、“予約のとれないダイエットコーチ”と呼ばれる野上さんの指導のもと、ダイエットに挑戦する実録マンガです。

NO我慢、NO運動、NOリバウンドって？ 食事量を書くダイエット

野上さんによると、失敗するダイエットの共通点は「ダイエットのイベント化」。続けられないほどの食事制限や運動は、日常に戻った時に必ずリバウンドしてしまう。そうではなくて日常にダイエット要素を配置して結果を出す、それが野上さんの提唱する「三日坊主ダイエット」なのです。

「三日坊主ダイエット」とは3日頑張ったら1日休むダイエット法。主なルールは以下の3つです。

1．ONの日三日間は8～10時間以内に食事をとる

2．OFFの日は食事制限なし

3．何を何時に食べたか記録（レコーディング）

ONの日はNG食を我慢、OFFの日は1食ならOK。専用のシートにその日の食事や体重・体脂肪、感想などを記入します。

このダイエットの肝は食べたものを書くこと。書くことで「自分が食べている量」に気づきます。ダイエットを必要としている人ならばきっと、思った以上に食べていることに気づくはず。私も数日実践してみましたが、うださんと同じく家族の食べ残しを食べたり、冷蔵庫を開けた流れでちょこちょこおやつを食べていたり……。「そりゃ痩せる訳がない」と気づきました。

そして書くことはダイエット継続にも効果が。例えばダイエットしているのについたくさん食べてしまい自己嫌悪。「もういいや！」と投げやりになりダイエット自体をやめてしまう……という経験がある人が多いのではないかと思います。今回のシートはそれを防ぐために1日の終わりに「頑張ったこと／褒めてあげたいこと」「やりなおせるならどうするか？」を記述する項目が。できなかったことよりできたことに目を向ける、そして現状を認識してどうしたらいいかを考える。このふたつで自暴自棄になるのを防ぎ、継続へとアシストしてくれるのです。

食欲が止まらない！ ダイエッターを阻む高い壁には抜け道を伝授

3か月のダイエット期間中、スムーズにルールが守れる日もあれば、そうもいかない日も。本書にはそんな日々発生する壁とその乗り越え方も記述されています。

まずは「ONの日に何を食べたらいいかわからない」という問題。NG30品目で好物はかなり禁止されている状態。食べたいものが食べられないとしたら、何を食べたらいいのか？ そこで野上さんは、「ONの日の食事は基本定食スタイル」としておすすめの主菜と“まごわやさしい”を意識した副菜を伝授してくれます。

ダイエットでなくとも献立に日々悩んでいる私にとってこれは個人的ヒット！ 子どもの健康にも繋がりそうなメニューたちで、早速日々のご飯に活用させてもらいました。

もうひとつは「とにかく食べたい！」となった時の対処法。単純にお腹が減った時、ストレスが溜まった時……。そんな時は「食べたいものを食べる」のが野上流。過度な我慢はストレスをためる暴食のもと。タンパク質やミックスナッツなどを食べるのが良いのだそう。

痩せ・健康・さらには節約も？

旅行の時は好きなだけ食べてOK！など、とにかくメリハリ＆続けることが重視された「三日坊主ダイエット」。しかし読み進める中で私が感じたのは「タンパク質のためにプロテインを買ったり、サラダチキンを買ったりしていたら、お金がかかるのでは？」ということ。最近は物価も高く、自分が食べるためだけにこれらを買うのは気が引けるなと思ったのですが、うださんの場合は食費も1万円抑えられたそう。確かに気づかないうちに食べていたものやおやつ分の食費が浮くので、食費が抑えられるのも当然の結果かもしれません。自分のためのスナック菓子は思考停止でかごに入れていたのに、「ダイエットはお金がかかる」というのは単なる言い訳だったと気づきました。

美しいスタイルや健康だけでなく、節約にも繋がるかもしれない「三日坊主ダイエット」。今から始めれば、薄着の季節には体型が変わっていること必至です！

文＝原智香