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「私も姑と同居してました。パッと外を見たら、私のパンツが…」上沼恵美子が2世帯住宅で経験した「芸が細かい嫁いびり」とは

  • 2025.12.19

上沼恵美子さんが読者から寄せられた「難問」「奇問」にズバッと答える「週刊文春」の人気連載が待望の書籍化。ここでは『上沼恵美子の人生笑談 白黒つけましょ』(文藝春秋)を一部抜粋してお届けします。

68歳・女性からの相談。今住んでいる家を二世帯住宅に改築して、息子家族と同居する案が浮上。なんとなくOKしたものの、嫁が出した条件にカチンと来たといいます。ご自身も義母と同居した経験がある上沼さんが、「同居は無理」と断言する理由とは?(全4回の4回目)

上沼恵美子さん(撮影:浅井佳代子)

68歳・女性からの相談

数年前に夫を亡くした68歳の主婦です。今は広い家に1人で住んでいるのですが、最近この家を二世帯住宅に改築して、息子家族と同居する案が浮上してきました。

1人で住むには大きすぎるのも確かなので、なんとなくOKしてしまったのですが、話し合いの中で、息子の口から「うちの家族の洗濯ものにはお構いなく」という言葉が出てきて絶句しました。息子たちが留守中に急に雨が降ってきて、私が家にいた場合でも、彼らの洗濯ものは「放っておいていいよ」と。おそらく息子の嫁の出した条件だと思います。

頼まれたって取り込まないわよ、と頭にきましたが、この一事をもってしても、私たちの同居は無理ですよね?(68歳・女性 滋賀県)

上沼さんの回答は?

※写真はイメージです ©graphica/イメージマート

68歳の主婦の方、同居する前でよかったですね。すがすがしいくらいの鬼嫁です。御推察の通り、息子さんには思いつかないですね、この条件は。

私がこの嫁さん、シャレとるな、と思ったのは「我が家の洗濯ものにはお構いなく」という一言にすべてが入っているんですよ。一見すると、「お義母さんに洗濯ものを取り込ませるなんてできません」と気を遣っているようでいて、全然違います。

要は、ウチはお義母さんとは喋りません、一緒に食事もしないし、こっちの部屋にも入らんといてください、もしお義母さんが倒れていても何もできません……と言うてるわけです。“お義母さんはいないものとします”という宣言ですよね。

もうこの1品で「嫁姑問題のフルコース」が入ってますね。

コース料理って前菜、スープ、メインって進んでいきますけど、前菜までは案外ゴマかせるんです。で、スープぐらいまでくると“あ、この店、あかんわ”とわかるわけですが、このお嫁さんはいきなりスープを出したようなもんです。

自分たちの身につけたものにお義母さんが触るのは耐えられない、と言うてるわけです。こんなのと一緒に住んだら寿命縮めますよ。

嫁姑の同居といえば昔は嫁の方がいびられましたけど最近は、姑のほうがしんどいんです。

上沼さんが明かした、2世帯住宅の思い出

「私も姑と同居してましたけど…」という上沼さん。義母の驚きの言動とは? ※写真はイメージです ©shironagasukujira/イメージマート

昔と逆なんですね。逆といえば、私も姑と同居してましたけど、ウチの姑は私の洗濯ものだけ取り込んでくれなかったんですよ。

市場で買い物しているときに急に雨が降ってきましてね、慌てて家に帰ったら、お義母さんがいてて。「ああ、よかった。取り込んでくれたんだ」と思って、パッと外を見たら、私のパンツとブラジャーとパンストだけビショビショでぶら下がっていたんです。

夫の服と自分の服は取り込んでいるのに。思わず「お義母さん、私のが……」と言ったら、「あら、気が付かなかったわ。恵美子さんのパンティは小さいから」。で、私のTシャツ1枚だけは取り込んでくれてる。芸が細かいんですよ(笑)。

私も当時22でウブだったんで、本当に気付かなかったのかな、と引き下がったんですけど、その3日後ですよ。姑さんがふと「恵美子さんね、こんなパンツでちゃんと隠れるの?」と言うたんです。これを聞いて、なるほどな、あれはイビりだったんだな、とさすがに気付きました。

夫の反応は…

たいていの男は「オレのおふくろは優しくて嫁いびりなんてしない」って信じこんでます。ウチもそうでした。「お義母さん、私の洗濯ものだけ除け者にして……」と言っても、主人は「どういう意味や! おふくろに限ってそういうことはない」って。しまいには「そんなもの、イビりでも何でもない」って大ゲンカになりました。

※写真はイメージです ©takasu/イメージマート

ただね、お義母さん、本来はすごく上品でええ人だったんです。でも一緒に住んだらダメなんです。根性が悪いからじゃなくて、嫁と姑というポジションがそうさせるんです。

だから私も息子のお嫁さんとは距離おいてます。とても美人でいい嫁ですが、私の家に来てもらうことはまずなくて、会うときは必ずホテルで、会えばお小遣いも渡します。ええ姑でしょ(笑)。嫁姑が仲良くするには、同じ空間にいる時間をできるだけ短くするしかないと思います。

ですから、あなたの場合、一緒に住む前に気付けたのは「不幸中の幸い」と思いましょ。人生、まだまだ長いわけですから。

文=上沼恵美子
撮影=浅井佳代子

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