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福士蒼汰、まっすぐすぎる福原遥が「とにかく心配」!映画『楓』W主演コンビの共通点は“ピュアさ”

  • 2025.12.18

スピッツの名曲「楓」を原案に福士蒼汰、福原遥がW主演を務め、行定勲がメガホンを取った感動のラブストーリー、映画『楓』(12月19日公開)。ニュージーランドでの不慮の事故で双子の弟・恵を失った涼と、恵の恋人・亜子が大切な思い出を胸に前へ進もうとする姿が描かれる。福士が涼と恵の二役に挑戦し、福原が亜子に扮した。

【写真を見る】切ない恋のワンシーンを再現した、福士蒼汰&福原遥の撮りおろし

福士蒼汰&福原遥のW主演で描く大切な人を失った男女のラブストーリー [c]2025 映画『楓』製作委員会
福士蒼汰&福原遥のW主演で描く大切な人を失った男女のラブストーリー [c]2025 映画『楓』製作委員会

作中の重要なシーンは、最高ランクの星空保護区“ゴールドティア”に認定されたテカポ湖をはじめ、光害の少ない澄んだ空気と大地が広がるニュージーランド南島で撮影。物語の鍵となる彗星や天体といったテーマと美しくリンクし、涼と亜子の繊細な感情を映しだしている。楽曲とロケ地、そしてお互いの存在に助けられ、すてきな撮影ができたと笑顔で振り返る福士と福原に、撮影時の思い出や、行定監督とのやりとり、さらに、お互いの印象、改めて感じた楽曲「楓」の魅力などをたっぷりと語ってもらった。

須永恵と恋人の木下亜子は、共通の趣味である天文の本や望遠鏡に囲まれながら幸せに暮らしている。しかし、恵の正体は、1か月前にニュージーランドで事故死した双子の弟のフリをする兄・涼だった。恵を亡くしたショックで混乱した亜子は、目の前の涼を恵だと思い込んでおり、涼は真実を伝えることができずにいる。二重生活に戸惑う涼だったが、明るく真っ直ぐな亜子と過ごすうちに、彼女が大事な人になっていく。しかし、亜子にも打ち明けることのできない秘密があり…。

「エンディングで流れる『楓』がこの物語のすべてを表している気がして」(福士)

——楓の花言葉である「大切な思い出」「美しい変化」「遠慮」をキーワードに美しく繊細な物語が展開します。お2人が本作で惹き込まれたポイントを教えてください。

物語は、楓の花言葉である「大切な思い出」「美しい変化」「遠慮」をキーワードに展開 [c]2025 映画『楓』製作委員会
物語は、楓の花言葉である「大切な思い出」「美しい変化」「遠慮」をキーワードに展開 [c]2025 映画『楓』製作委員会

福士蒼汰(以下、福士)「ストーリーはもちろんですが、やっぱり一番は音楽です。エンディングで流れる『楓』がこの物語のすべてを表している気がして。最終的に救われると感じられる楽曲になっていると思います」

福原遥(以下、福原)「私もやっぱり音楽です。『楓』がこの作品を導いてくれます。涼と亜子という2人の関係性だけでなく、登場人物のいろいろな想いがこの楽曲に乗って届いていくと思うので、自分もそこを大事に、楽曲の想いをちゃんと汲み取りながらお芝居をしたい、亜子として生きたいと思いながら演じていました」

——キャラクターをどのように作り上げていったのか。現場で行定監督とどのようなやりとりがあったのかをお聞かせください。

福士「最初に行定監督とお会いした時に、キラキラとした恋愛ではなく、ヒューマンドラマとして、普通の生活のなかにある恋愛を描きたいと伺いました。その考えに僕も共感し、そのように表現したいと思っていたので、同じ感覚で恋愛映画を作れる予感がし、とても楽しみにしていました。涼と恵の二役を演じ分けることについては、メガネの有無や利き手の違いはあるけれど、わかりやすい芝居はしないでほしいと言われました。2人の“差”を作り込まずにお芝居をしたつもりです。監督の2人の違いをなるべく隠した演出がとても印象に残っています。難しかったのは、“涼”と“恵”の二役を演じることに加えて、“恵のフリをしている涼”も演じなくてはいけないことでした」

双子の兄・涼が、弟の“恵”として振る舞い、本当のことを言い出せないまま亜子と接し続ける [c]2025 映画『楓』製作委員会
双子の兄・涼が、弟の“恵”として振る舞い、本当のことを言い出せないまま亜子と接し続ける [c]2025 映画『楓』製作委員会

——実質三役演じたような感覚だったのでしょうか?

福士「まさにその通りで。そこが結構難しくもありましたが、楽しくもありました」

——福原さんは、行定監督とは現場でどのようなお話をされましたか?

福原「亜子に関しても特に細かい演出はなくて、最初にお話した時から、自分が考えていた亜子の方向性や想いというのが監督と一緒でした。過去と現在が行ったり来たりするなかで、亜子の心情的に『このセリフ言えるかな?』という不安はあったのですが、監督は『大丈夫。思ったままやってみて』と言ってくださって。監督が受け止めてくれるという安心感があり、OKが出れば大丈夫だと自分でも思えるようになりました。私たちに委ねて、いっぱい考えさせてくれる現場でしたし、そっと見守ってくれる感じでしたね」

明るく真っすぐな恵の恋人の亜子 [c]2025 映画『楓』製作委員会
明るく真っすぐな恵の恋人の亜子 [c]2025 映画『楓』製作委員会

——福士さんは行定監督についてどのような印象をお持ちでしたか?

福士「アーティスティックな見た目ですが、意外と男らしい方です。自分の信念を貫いていて、船を率いる船長のよう。そこが今回ご一緒して意外だと感じたところです。恥ずかしいのか、それを隠すのですが、そういう一面があるのは新たな発見だったのでなんだかうれしくなりました。お話をするのもすごくお好きで、現場では作品以外の話をたくさんした思い出があります(笑)」

福原「本当にたくさんお話したので、コミュニケーションは十分にとれていたと思います。ニュージーランドで食事をした際には『次は、こういう役をやったほうがいいよ』みたいなアドバイスもしてくださって」

福士「『こういう役で撮ってみたい!』って次回作の話までしていて」

福原「私たちのことをすごくよく見てくださっているのを感じてとてもうれしかったです」

「景色のおかげで気持ちが晴れやかになってスッと気持ちを入れることができました」(福原)

——ニュージーランドのお話が出たところで、現地での思い出話も伺いたいです。映像もとても美しくて惹き込まれました。

須永恵・涼の二役を演じた福士蒼汰 撮影/河内彩 ヘアメイク/高橋幸一(Nestation) スタイリスト/オクトシヒロ
須永恵・涼の二役を演じた福士蒼汰 撮影/河内彩 ヘアメイク/高橋幸一(Nestation) スタイリスト/オクトシヒロ

福士「現地で星空ツアーに行く予定だったのですが、当日雨で中止になってしまって」

福原「星を見に行こう!と、みんなで盛り上がっていたので、すごく残念でした」

福士「前乗りしていたカメラマンさんから写真を見せてもらったのですが、めちゃくちゃきれいで」

福原「それを見たらやっぱり諦められなくて。心残り…という思い出です(笑)」

福士「リベンジしたいよね」

福原「したいですね!」

——まさかの心残りのお話でしたが(笑)、行ってよかった場所の思い出もぜひお聞かせください。

福士「テカポ湖は外せないし、景色はどこもきれいだったよね」

福原「とにかく景色が壮大。こんなに広いんだ、羊が多いんだ、空が大きいんだって、ずっと圧倒されっぱなしで。テカポ湖はクライマックスのシーンの撮影があったので緊張するかなと思ったのですが、景色のおかげで気持ちが晴れやかになってスッと気持ちを入れることができました。あの場所だから撮れたシーンだと思っています」

福士「本読みの時は『このセリフ言えるかな…』って悩んでいたよね?」

福原「景色を見てはしゃいで『ミルキーブルーだよ!』って言うシーンだったのですが、普段はあまり言わないようなセリフというか、はしゃぎ方というか…。でも、実際に行ったら本当にきれいで、テンションが上がって、自然と『ミルキーブルーだよ』って言っていて、照れは一切なく心からはしゃいでしまいました(笑)」

恵の恋人、木下亜子役の福原遥 撮影/河内彩 ヘアメイク/丹澤由梨子 スタイリスト/川﨑加織
恵の恋人、木下亜子役の福原遥 撮影/河内彩 ヘアメイク/丹澤由梨子 スタイリスト/川﨑加織

——行定監督とは作品以外のお話もたくさんすることでコミュニケーションをとられたというお話でしたが、涼、恵、亜子はとても密な役どころで、繊細な表現も必要だったかと思います。お2人で役についてお話をされることはあったのでしょうか。

福士「覚えてないくらい自然にやった気がしています。他愛のない話をたくさんしたことはよく覚えています」

福原「福士さんがとても歩み寄ってくださった印象があります」

福士「本当?」

福原「他愛のない会話も、私が緊張しないように気遣ってくださったのかなと。お芝居でも撮影前に役についていろいろとすり合わせをしてくださり、たくさん会話もして。それがあったから緊張せず、気負わずに亜子になれたのだと思っています」

「福原さんはまっすぐすぎて、とにかく心配になっちゃいます」(福士)

——作品を通して感じた役者としての魅力やお互いの印象などをお聞かせください。

【写真を見る】切ない恋のワンシーンを再現した、福士蒼汰&福原遥の撮りおろし 撮影/河内彩 ヘアメイク(福士)/高橋幸一(Nestation) スタイリスト(福士)/オクトシヒロ ヘアメイク(福原)/丹澤由梨子 スタイリスト(福原)/川﨑加織
【写真を見る】切ない恋のワンシーンを再現した、福士蒼汰&福原遥の撮りおろし 撮影/河内彩 ヘアメイク(福士)/高橋幸一(Nestation) スタイリスト(福士)/オクトシヒロ ヘアメイク(福原)/丹澤由梨子 スタイリスト(福原)/川﨑加織

福士「まっすぐ。福原さんはまっすぐです。役を見る目もそうだし、なにをするにもまっすぐ物事をとらえる人だと思うので、とても心配です(笑)」

福原「お父さん?(笑)」

福士「まっすぐすぎて、とにかく心配になっちゃいます」

福原「福士さんとは、なにも不安を感じることなくお芝居ができたので本当に感謝しています。それこそ、いろいろと気にかけてくださるというか、とにかく心配してくださって(笑)。包容力がある印象です。自分の役だけでなく亜子のこともすごく考えて、向き合ってくださって。なんて器の大きい方なんだろうと思いました。ありがとうございました」

福士「こちらこそありがとうございます」

——撮影前後で、お互いの印象の変化や発見などはありましたか?

亜子にも打ち明けられない秘密がある [c]2025 映画『楓』製作委員会
亜子にも打ち明けられない秘密がある [c]2025 映画『楓』製作委員会

福士「一番は、こんなに変わらない人っているんだなと驚きました。ある程度長く一緒にいたら、一度くらいは黒い一面を見せるかなと思っていたのですが…、いませんでした」

福原「いますよ〜(笑) 」

福士「福原さんの思っている黒い一面は、ちょっと薄汚れたグレーくらいだから、ほかの人から見たら白みたいなもの(笑)。そのままでいてほしいと思うと同時に、やっぱり心配です」

福原「また出てきましたね、お父さん!(笑)」

——ここまで心配してくださるのであれば、なにかあった時はまず福士さんに相談するのがいいかもしれません。

福士「まかせてください(笑)」

福原「でも、私も福士さんにはブラックな部分がない気がしていて」

福士「そう?見つけられなかった?」

福原「ない気がします。発見したのはすごくピュアでまっすぐだということ。無邪気で子どもっぽい部分があるのが意外なギャップでした。もっとクールな方だと思っていたので」

福士「それ、よく言われる(笑)」

福原「やっぱり!意外だなと思ってちょっと驚きました」

——まっすぐでピュアはお2人の共通点でもあったのですね。

過去、現在、未来、めぐる季節の中で明らかになる、あまりにも切ない真実とは… [c]2025 映画『楓』製作委員会
過去、現在、未来、めぐる季節の中で明らかになる、あまりにも切ない真実とは… [c]2025 映画『楓』製作委員会

福士「たしかに!」

福原「福士さんはピュアでまっすぐで家族思い。こんなにも心がきれいな人がいるんだなって」

福士「褒めすぎだよ。心がきれいっていうのはウソでしょ?」

福原「本当です!」

福士「ちょっと照れくさいけれど、ここは素直にありがとうございます!ってことで(笑)」

——心が洗われるような美しいお話をありがとうございます。楽曲の印象についてもお聞かせください。作品を通して「楓」を聴く機会も多かったと思います。本作に携わる前後で「楓」という楽曲の感じ方、捉え方に変化はありましたか?

福士「カラオケに行くと歌う曲で、歌詞の内容については、そこまで深く考えたことはありませんでした。この映画では、歌詞にもあるように、涼と恵は同じレンズを通しても見えている景色が違うのだろうなと感じたりして。楽曲は原案なので、すべての歌詞が物語や役にあてはまるわけではないけれど、この歌詞は恵と亜子、涼と恵の関係にあてはまる、みたいなところがいくつか発見できたこともうれしかったし、ピースがハマった時の楽しみを感じられたのは、役を演じたからこそだと思っています」

福原「子どものころといまとでは、共感するポイントや受け取るメッセージも変わってくる気がしましたし、亜子として楽曲を聴くと自分自身とは違う捉え方もできて、すごくおもしろいと思いました。亜子として聴くと前を向いていかなきゃ!と励ましてもらえるような楽曲に感じました。映画を観てくださるみなさんも、それぞれ感じ方は違うだろうし、映画の登場人物の誰の目線で聴くかによっても全然違うイメージになると思います。そういったところも含めて、みなさんにも楽しんでほしいです」

スピッツの名曲を原案に映画化した『楓』は12月19日(金)公開 [c]2025 映画『楓』製作委員会
スピッツの名曲を原案に映画化した『楓』は12月19日(金)公開 [c]2025 映画『楓』製作委員会

取材・文/タナカシノブ

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