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2026年注目の温泉宿②あらや滔々庵

  • 2025.12.16

ひたすらのんびり湯に浸かる楽しみに加えて絶景ははずせない、料理がおいしくなくちゃイヤ、素敵な調度品を愛でたいなど宿に求める優先順位は十人十色。

旅のプランを立てるときにも到着してからも思い描いた気分にぴったりの温泉宿へ。


開湯1300年の名湯と魯山人ゆかりの美に浸る

●アート&グルメ × あらや滔々庵[石川・山代温泉]

客室付きの半露天風呂。ヒノキと湯の香りが、なんともいえないかぐわしい湯けむりに。

北陸きっての名湯・山代温泉で18代もの歴史を重ね、前田家歴代藩主の湯番頭として湯守りをしてきた「あらや滔々庵」。

温泉街の中心である総湯のすぐ目の前に位置。「湯の曲輪」の一角にある風情溢れる建物。
魯山人作の「暁烏」も間近で鑑賞できる。ほかにも、初めて絵付けした赤絵皿や屋号を刻した看板などの作品が。

宿に入ると、黄金の太陽を背負った豪快なカラスの衝立が出迎える。描いたのは、この地で陶芸に開眼し、加賀の美食と湯を堪能したという北大路魯山人だ。

骨董の家具と現代アートが調和する絶妙な空間センス。

さらに数々の貴重な作品や魯山人の美の軌跡と交錯するように、館内や客室のあちこちに加賀や北陸と縁のある現代アートが。まるで小さな美術館のようだが無粋な説明書きなどはなく、古今の作品が宿の風景としてしっくりなじんでいる。

左:肝ソースをかけて仕上げる鮑と雲丹とシャインマスカット。器は加賀ゆかりの作家・藤澤重夫の藍九谷。右:鱧の葛打ちや蟹真丈など、漆黒の輪島塗に白身の美しさが際立つ椀物。
左:冬の名物「ずわい蟹コース」は2名~だが、これだけは友人を誘ってぜひ。86,900円~(1泊2食付き、2名1室の場合)。右:お造りは橋立港で揚がった魚介。器は魯山人好みの美濃焼 紅志野。

食事には代々受け継がれてきた九谷焼や山中塗の漆器のほか現代の地元作家の器が惜しげもなく使われ、加賀の粋を極めた食と響きあう。

鱧や甘鯛、のどぐろなど地元・橋立港から届く魚介に、加賀野菜やフルーツなど風土の滋味を凝縮した食材をふんだんに。

夕食のお楽しみは、様々な器と食が響きあい、あでやかな景色を見せてくれる八寸。

華やかだが外連味のない、食と器の力を感じる和懐石に眼福しきり。

大浴場も客室付きの露天風呂もすべて源泉かけ流し。豊富な湯量を誇る自家源泉から滔々とあふれる新鮮な湯は、肌あたりがまろやかで化粧水いらず。体の芯までじんわり温めてくれる。
離れ「有栖川」のヒノキを贅沢にあしらった客室付き半露天風呂。

幻想的な灯りが湯を照らす「瑠璃光」や噴き出すミストで霧の立ち込める「原泉閣」の露天風呂、暗闇の中で瞑想するように湯に身を浸す特別浴室「烏湯」など3つの大浴場も趣向をこらした造り。

細部にまで贅をこらした特別室「前田家ゆかり 御陣」。かつて魯山人も逗留した客室。

気難しい魯山人をも喜ばせた研ぎ澄まされた美意識と極上の湯と、最高のもてなしが待っている。

釘を一本も使わずに数年がかりで造られた離れ「有栖川」など文化財といってもいい特別な空間にも宿泊できる。

さらにうれしいのは「加賀旅先納税」の返礼品が宿泊費の支払いに使えること。詳しくはサイトをチェックしてみて。

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https://kaga-traveltax.com/

あらや滔々庵

所在地 石川県加賀市山代温泉18-119
電話番号 0761-77-0010
ひとり料金 1泊2食付き68,200円~
ひとり対応 4~10月
アクセス JR加賀温泉駅より車で12分。送迎あり(無料)

※掲載されてる情報は、2025年12月現在のもので、諸事情により変わる場合もあります。今号に掲載した各施設、店舗などの情報は通常営業時のものです。実際の運営・営業状況については、ホームページなどをご参照いただくか直接お問い合わせください。お出かけの際には、政府・各自治体などから出ている要請措置、注意喚起をご確認ください。

※価格は表示がなければ、消費税込み(標準税率10%もしくは軽減税率8%)です。施設によりサービス料、入湯税など別途加算される場合があります。


続きはCREA Due「楽しいひとり温泉。2026」でお読みいただけます。

Text=Kaori Minetsuki
Photographs=Atsushi Hashimoto

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