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2026年注目の温泉宿①GORA KADAN FUJI

  • 2025.12.15

ひたすらのんびり湯に浸かる楽しみに加えて絶景ははずせない、料理がおいしくなくちゃイヤ、素敵な調度品を愛でたいなど宿に求める優先順位は十人十色。

旅のプランを立てるときにも到着してからも思い描いた気分にぴったりの温泉宿へ。


伏流水の恵みと“花壇人”のおもてなしに憩う

●富士山 × GORA KADAN FUJI[静岡・富士見温泉]

部屋の湯船や大浴場、ロビーからも富士山を仰げる温泉宿が誕生!

標高約800メートルの富士山麓、富士を間近に望む絶好のロケーションに大地と共生する宿「GORA KADAN FUJI」が誕生した。

箱根の名門旅館「強羅花壇」が手掛けるこの施設はさまざまな富士の恵みと、調和を重んじる和心を尊ぶという強羅花壇の哲学を以て、おもてなしを提供する人々=花壇人(かだんびと)の心意気によって至福の滞在が叶う宿だ。

左:レセプション棟7階に広がるダイニングフロア。手前に「FUJI KANDA」、その先に「懐石料理 花壇」と「カウンター割烹」、その奥には鮨「富士 匠」が佇む。右:舞台をイメージした白木のU字型カウンター。

宿で供されるのは日本そのものを丸ごと味わう料理。現代と伝統の融合、和と洋の折衷をベースに食の表現を探求するその食のフィロソフィーを体現したのが、季節や時の移ろいで姿を変える富士を背景に広がるダイニングフロア。

「FUJI KANDA」コースより。鹿児島県産ハイブリッドビーフに微細な衣を纏わせた「テンダーロインの鉄板カツレツ」。
「FUJI KANDA」コースより。鉄板で焼くブリニに紅富士サーモン、オリジナルのキャビアをのせたアペタイザー。

ミシュラン三つ星を獲得し続けている「日本料理 かんだ」の主人・神田裕行さん監修により、日本料理と鉄板焼きのマリアージュを完成させた「FUJI KANDA」、

つまみと握り22~23品で構成される「富士 匠」コースより。味噌で漬けた北海道産スジコは赤酢のシャリと。
つまみと握り22~23品で構成される「富士 匠」コースより。黄身酢おぼろも美しいコハダの握りは白酢のシャリで。米は兵庫県産キヌヒカリを使用。
つまみと握り22~23品で構成される「富士 匠」コースより。左:富士山の伏流水で育つマス・紅富士(あかふじ)とワサビ。紅富士は粕漬け、ワサビの茎は酢漬けに。右:5年もののメロンの奈良漬と味わうあん肝。

日本を代表する鮨職人の一人「すし匠」の中澤圭二さんの技と心を受け継ぐ江戸前鮨を堪能する「富士 匠(たくみ)」、

「懐石料理 花壇」コースより。「お造り」はマグロ、マツカワガレイ、アオリイカ。
「懐石料理 花壇」コースより。柿なます、白舞茸とイクラのおろし和え、イチジクの天ぷらなど旬の味を楽しむ「八寸」。

「強羅花壇」で研鑽を積んだ中田勇希総料理長による、富士の湧き水で引く出汁をベースに土地そのものが息づくような懐石料理。

「カウンター割烹」コースより。「マグロのカツレツ」は、レアに揚げたマグロをキャビア、マグロのタルタルとともにマスタードソースで食すシグネチャーディッシュ。
「カウンター割烹」コースより。秋~冬に供される白味噌仕立ての「蟹真丈椀」。
「カウンター割烹」コースより。ゲストの前で削られる本枯れ節。

伝統を未来に繫ぐ、心躍る唯一無二の食体験が待っている。

富士の恵みがもたらす至福の安らぎに包まれる宿

趣の異なる内風呂を設えたスタンダードツインの客室より「檜風呂付スタンダードスイート/ツイン」。客室の内風呂からも富士の豊かな自然を眺めながらゆっくりと湯に浸かることができる。
趣の異なる内風呂を設えたスタンダードツインの客室より「檜風呂付スタンダードスイート/ツイン」。

富士山麓の約5万平方メートルという広大な敷地の中、真西に富士を望む南斜面に寄り添うように建つ施設には温泉風呂付きでオールスイートの客室が42室(内3室離れ)、ダイニングフロア、大浴場やプールが設けられ、ゴルフ場も併設する。

離れ客室は趣の異なる全3室。離れ貴賓室「雨」をご紹介。客室には自然との一体感を生む巨石庭園露天風呂と水風呂付のドライサウナ、2階に展望風呂を備える。
離れ貴賓室「雨」。眼前に広がる景色を楽しむ青森ヒバの展望風呂。
離れ貴賓室「雨」。書家・海老原露巌作の書や渡辺愛子作の花入などの作品が迎えてくれる。

宿に到着したゲストは石庭を眺めながらエントランスを入り、水音が響く露地、暖炉に炎がゆらめくラウンジを通ってコリドールへ。

左:ゆるやかな坂道をのぼると現れる土壁と瓦屋根のエントランス。右:「強羅花壇」のシンボルである尾鷲檜(おわせひのき)の柱廊。
到着後にラウンジで振る舞われる抹茶と和菓子。

その西側の富士見テラスで富士と対峙しながら風を感じ、南側の前庭では白砂利に注がれ障子で攪拌された光が見る者の心を“空”に誘う。ゲストが歩を進めるごとに「地・水・火・風・空」という自然界の5つのエレメントを感じながら非日常へと誘う構成は秀逸だ。

富士の裾野から湧き出る天然アルカリ温泉。大地のエネルギーに包まれる大浴場。
大浴場に併設されたサロン。フランス人造形作家、ニナ・フラデの作品から漏れる光が心地よい。

館内で使用される水はすべて富士の伏流水。ゲストはその水脈の恩恵をさまざまなかたちで享受する。間近に富士を眺めながら温泉に浸かり、心身をリセット。

富士山の伏流水を湛えたプールは窓の先の富士山頂まで一直線に伸びる設え。24時間使用できるフィットネスルームを併設。

あらゆる場所から富士の姿を仰ぐ施設内で、その迫力と美しさに深い畏敬の念を感じつつ心身を解き放つ時間は格別だ。

左:卵料理が充実した洋食の朝食。朝食は和定食と洋食からチョイス。右:「GORA KADAN FUJI GOLF」のクラブハウスではグリーンと富士を眺めながら朝食とランチが楽しめる。「クラシックハンバーガー/サラダ・季節のスープ」2,400円。

女将の村田典子さんは刻一刻と姿を変える富士を「気まぐれな富士山」と表現する。大地と共生しながら、富士がもたらす至福の安らぎに包まれる宿だ。

GORA KADAN FUJI

所在地 静岡県駿東郡小山町須走110-1
電話番号 0550-75-5551
ひとり料金 1泊2食つき71,000円~
ひとり対応 通年可
アクセス JR三島駅より車で約40分

※掲載されてる情報は、2025年12月現在のもので、諸事情により変わる場合もあります。今号に掲載した各施設、店舗などの情報は通常営業時のものです。実際の運営・営業状況については、ホームページなどをご参照いただくか直接お問い合わせください。お出かけの際には、政府・各自治体などから出ている要請措置、注意喚起をご確認ください。

※価格は表示がなければ、消費税込み(標準税率10%もしくは軽減税率8%)です。施設によりサービス料、入湯税など別途加算される場合があります。


続きはCREA Due「楽しいひとり温泉。2026」でお読みいただけます。

Text=Motoko Saito
Photographs=Ichisei Hiramatsu

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