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[大阪府大阪市・阿倍野]韓国人女性が毎日手作りする韓国のお餅と美しいあんフラワーを食べて学べる「カフェ イヤギ」

  • 2025.12.14
「カフェ イヤギ」の韓国餅とあんフラワー。

大阪市には日本最大級のコリアンタウンがあります。生野区桃谷の「大阪コリアタウン」から、JR大阪環状線・鶴橋駅周辺の「鶴橋コリアタウン」こと「鶴橋商店街」にかけての一帯には、キムチやチヂミなどの韓国の食品を扱う店、民族衣装店、韓国料理や焼肉の店、最新トレンドのメニューを揃えたカフェや人気のコスメ、韓流グッズを販売する店などが120軒以上も。

でも、今回ご紹介するのは、コリアンタウンから離れた大阪市阿倍野区の韓国カフェ「カフェ イヤギ」。最寄り駅は、大阪メトロ・阿倍野駅、阪堺電気軌道上町線・松虫駅です。下町風の住宅街にある小さなお店には、他にはない韓国のお餅がいろいろあって、わざわざ行く価値があります。

私は、ソウルを旅した時、韓国の伝統の餅屋さんを見つけてファンになったのですが、日本ではなかなか見つからず、残念に思っていたのです。

当日できたての韓国のお餅が並ぶコーナー。

「カフェ イヤギ」は、2024年7月オープン。ソウル出身のイ ヒョシュクさんが営むカフェです。お店に入って右手のコーナーに、その日の作りたてのお餅が何種類も並んでいます。

まずは、取材当日に並んでいたお餅をご紹介しましょう。

「ソンピョン」450円。米粉の生地を色づけして花や葉っぱの形にしたお餅。

「ソンピョン」は、韓国の旧盆であるチュソク(秋夕)に欠かせない伝統的なお餅。米粉をこねた生地ですりゴマ、マメなどの餡を包んで形作り、松の葉を使って蒸すのですが、ヒョシュクさんは松葉で蒸す代わりに松の実を使い、愛らしい花や葉っぱの形にアレンジ。もち米のお餅とは異なる歯ざわりで、ゴマや黒蜜の風味が広がる上品な味わいです。

イチヂクの風味と食感が楽しい「イチジク チャルトック」380円。チャルトックは、もち米で作ったお餅。

チャルトックは、韓国ではポピュラーなもち米で作ったお餅。当日は2種類あり、イチジクを使った「イチジク チャルトック」と、栗とクランベリーを入れた「栗 くれんべり チャルトック」。もっちり生地に、食感のアクセントとしてアーモンドを加えてあります。それぞれ、イチジクのコク深い風味、クランベリーのさわやかさがあり、異なるおいしさ。

栗とクランベリーを使った現代風の一品。「栗 くれんべり チャルトック」390円。

日本のお餅によく似た「インジョルミ」

「サツマイモ カステラ インジョルミ」360円。インジョルミは、もち米を蒸して搗いた餅にきな粉をまぶした伝統の餅菓子。これはカステラのそぼろをまぶした一品。

蒸したもち米を搗いて作るインジョルミは、もちもち食感で、日本のお餅に似ています。きな粉をたっぷりまぶすのが伝統ですが、ヒョシュクさんの「サツマイモ カステラ インジョルミ」は、カステラのそぼろをまぶしています。他にも、黒ゴマや抹茶をまぶしたりするそう。インジョルミは、かき氷(ピンス)やスイーツにもアレンジされます。

伝統統的な蒸し餅「小豆 シルトック」550円。。

「小豆 シルトック」は、伝統的な蒸し餅。うるち米の粉を使ったさっくりした生地。粒を少し残したパウダー状の小豆を生地の間にも挟んで、上下にもたっぷり。程よい塩味の、あっさりした一品です。

「白 ソルギ」420円。ソルギは、米粉に砂糖を加えて蒸した伝統的な餅菓子。食べる際には蒸すかレンチンして。

トップのハート形が愛らしい「白 ソルギ」。ソルギは、米粉に砂糖を加えて蒸した伝統的な餅菓子。軽やかな口当たりと、シンプルな優しい甘さが特徴です。

イートインメニューもまるで韓国のカフェ

「ナツメクリームとチャルトック餅」850円。これは、黒ゴマのチャルトックを使っています。

いろいろなお餅をテイクアウトするだけでなく、韓国のカフェと同じように、イートインできるのがここの魅力。

「ナツメクリームとチャルトック餅」は、黒ゴマのチャルトックを使っていて、たっぷりのフルーティーなナツメクリームと一緒に味わえば、もっちりしたお餅がさわやかな印象に変わります。お餅を韓国産の香ばしいゴマ油で焼くのがポイント。

「ダルゴナ ラテ」650円。ダルゴナは、韓国の砂糖菓子。ダルゴナラテは、ダルゴナをトッピングしたカフェラテのことで、韓国のカフェで人気の飲み物。ダルゴナをそのまま食べても、ラテに混ぜてもOK。

ドリンクのオススメは「ダルゴナ ラテ」。ダルゴナは、韓国の砂糖菓子で、キャラメリゼしたほろ苦さと甘さがポイント。韓国で人気の飲み物ダルゴナ ラテを、お餅を使ったスイーツと味わえば、まさにソウルのカフェに来た気分です。

旅行で訪れた日本に魅かれ…

店主・天野孝子さんことイ ヒョシュク(李孝淑)さん。

店主・イ ヒョシュクさん(日本名・天野孝子さん)は、13年前、ご主人と旅行で日本に来て、大阪が大好きになったのだそう。日本語を勉強し大阪で暮らすようになると、韓国語だけでなく、韓国で学んだお餅やあんフラワーを教えるようになりました。

「カフェではお菓子やお料理をお出しするだけでなく、いろいろなレッスンをしています」とヒョシュクさん。特に、あんフラワーは、韓国に行かずに日本で資格が取れるとあって、とても人気なのだとか。「韓国の海苔巻き・キンパを作りながら韓国語を学ぶレッスンもあるんですよ」とにっこり。

あんフラワーは作りたてをスイーツに添えて。

「夏、カフェでかき氷をお出ししていたんですが、目の前であんフラワーを作ってトッピングしたら、大好評でした」

新メニュー「ノランノラン餅ケーキ」にも、作りたてのあんフラワーが添えられています。

「ノランノラン」は、お餅、カボチャカステラインジョルミがベースのケーキ。秋のメニューでは、カボチャ カステラ インジョルミを使い、たっぷりのフルーティーなナツメクリームに焼き柿がトッピングされていました。12月には、イチゴを使った新しい一品が登場するそう。

「ノランノラン餅ケーキ」1350円。トッピングは焼き柿。なつめクリームの下にはカステラ インジョルミが。あんフラワーを飾った魅力的な一皿。

アートのような“あんフラワー”

「あんフラワー韓菓」390円。

韓国では、お餅は日常的なおやつ。お餅専門店・トッチッも数多くあり、カフェのスイーツメニューとしても人気で、アールグレイ味やティラミス味などもあるそう。ソウルを中心に韓国餅専門のカフェも増えていると聞きます。そんな韓国餅の新しい楽しみ方を「カフェ イヤギ」で体験したいもの。

「あんフラワーケーキ」12cmサイズ1,700円。生クリームケーキ、韓国の餅(ペクソルギ)ケーキあり。前日までに予約。画像提供:カフェ イヤギ

日本でも注目され始めているあんフラワー。ここでは、オーブンで焼いた「あんフラワー韓菓」が買えたり、「あんフラワーケーキ」をオーダーできたり。その愛らしさ、華やかさは、特別な日にぴったりです。

「韓国キンパのランチプレート」タマゴ 野菜1,250円~。画像提供:カフェ イヤギ

「大阪でカフェを始めて、お客様というより、たくさんのお友達ができました。もっともっと多くの人に韓国のお菓子や食べ物を食べてほしい。韓国のおいしさを伝えたい」

そうそう、ヒョシュクさんが作るキンパのランチプレートもとてもおいしいので、ぜひ。

カフェ イヤギ

外観。イヤギ=話の意味で、会話を大切にしたいという思いから。

所在地 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋5-8-44
電話番号 090-8128-1747
営業時間 11:00~17:00
定休日 日・月・火曜
Instagram @cafeiyagi1.0

文・撮影=そおだよおこ

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