1. トップ
  2. 米「ローリング・ストーン」が選ぶ2025年ベストムービーが発表!唯一、日本からランクインを果たしたホラー映画とは?

米「ローリング・ストーン」が選ぶ2025年ベストムービーが発表!唯一、日本からランクインを果たしたホラー映画とは?

  • 2025.12.13

北米の大手メディア「ローリング・ストーン」が、毎年恒例の「THE 20 BEST MOVIES」を今年も発表。第98回アカデミー賞の有力作として注目を集めるタイトルや、人気監督たちの最新作と肩を並べるように、日本からは下津優太監督の長編監督デビュー作『みなに幸あれ』(24)が年間ベストにランクインを果たしている。

【写真を見る】「ここ数十年で最高のJホラー」と大絶賛!下津監督は次回作が公開待機中

ポール・トーマス・アンダーソン監督×レオナルド・ディカプリオのタッグによる『ワン・バトル・アフター・アナザー』 『ワン・バトル・アフター・アナザー』デジタル販売中、2026年1月7日(水)よりデジタルレンタル開始発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント [c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. and Domain Pictures, LLC. All Rights Reserved.
ポール・トーマス・アンダーソン監督×レオナルド・ディカプリオのタッグによる『ワン・バトル・アフター・アナザー』 『ワン・バトル・アフター・アナザー』デジタル販売中、2026年1月7日(水)よりデジタルレンタル開始発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント [c]2025 Warner Bros. Entertainment Inc. and Domain Pictures, LLC. All Rights Reserved.

発表された「THE 20 BEST MOVIES of 2025」では、ポール・トーマス・アンダーソン監督が手掛けたレオナルド・ディカプリオ主演作『ワン・バトル・アフター・アナザー』がトップに選出。上位には他に、クロエ・ジャオ監督の『ハムネット』(2026年4月10日日本公開)や、カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作である『IT WAS JUST AN ACCIDENT(英題)』(2026年日本公開)、イ・ビョンホン主演の『しあわせな選択』(2026年3月6日日本公開)、ティモシー・シャラメ主演の『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(2026年3月13日日本公開)など錚々たる顔ぶれが並ぶ。

「第1回日本ホラー映画大賞」で大賞に輝いた同名短編を長編化した『みなに幸あれ』 『みなに幸あれ』各配信プラットフォームにて好評配信中 [c]2023「みなに幸あれ」製作委員会
「第1回日本ホラー映画大賞」で大賞に輝いた同名短編を長編化した『みなに幸あれ』 『みなに幸あれ』各配信プラットフォームにて好評配信中 [c]2023「みなに幸あれ」製作委員会

そんな中、14位にランクインした『みなに幸あれ』は、ホラー映画専門の一般公募コンペティション「第1回日本ホラー映画大賞」で大賞に輝いた同名短編を、下津監督自らが長編化した作品。「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」というテーマのもと、祖父母の家を訪れた主人公が体験する、人間の根源的恐怖を描いた物語だ。日本公開前から海外の映画祭で熱烈な称賛を浴び、2024年1月の日本公開時にはスマッシュヒットを記録。北米では2025年の夏からホラージャンル専門の配信サービス「Shudder」で配信公開されている。

主人公の「孫」を演じた古川琴音の演技に、海外からも高い評価 『みなに幸あれ』各配信プラットフォームにて好評配信中 [c]2023「みなに幸あれ」製作委員会
主人公の「孫」を演じた古川琴音の演技に、海外からも高い評価 『みなに幸あれ』各配信プラットフォームにて好評配信中 [c]2023「みなに幸あれ」製作委員会

「ローリング・ストーン」の選評では、「ここ数十年で最高のJホラーといっても過言ではない。古川琴音の演技から、秘密を明かす風変わりな方法、シュールでデイヴィッド・リンチ的な幕間まで、すべてが必要なところで的確に機能している。特権や贅沢さ、個人的な充足感には代償が伴うということを人に思い出させるためには刺激が必要であり、この映画はそれをまざまざと突きつけてくる」との称賛のコメントが寄せられている。

【写真を見る】「ここ数十年で最高のJホラー」と大絶賛!下津監督は次回作が公開待機中 『みなに幸あれ』各配信プラットフォームにて好評配信中 [c]2023「みなに幸あれ」製作委員会
【写真を見る】「ここ数十年で最高のJホラー」と大絶賛!下津監督は次回作が公開待機中 『みなに幸あれ』各配信プラットフォームにて好評配信中 [c]2023「みなに幸あれ」製作委員会

長編監督デビュー作とは思えない高評価を得た『みなに幸あれ』は現在、各動画配信サービスでデジタル配信中。劇場公開時に販売されていたパンフレットもMOVIE WALKER STOREの通販でまだ入手することができる。2026年には、監督第2作となる山田杏奈主演『NEW GROUP』の公開が控えている下津監督。ホラー映画界の新たな才能が放つ次なる“恐怖”に期待はふくらむばかりだ。

下津優太監督による劇場公開二作目『NEW GROUP』(2026年公開)は、既に第29回ファンタジア国際映画祭において審査員特別賞を受賞している [c]2025「NEW GROUP」製作委員会
下津優太監督による劇場公開二作目『NEW GROUP』(2026年公開)は、既に第29回ファンタジア国際映画祭において審査員特別賞を受賞している [c]2025「NEW GROUP」製作委員会

そして、そんな下津監督を第1回の大賞として見出した「日本ホラー映画大賞」にも今一度注目をしたいところ。大賞受賞者には商業映画デビューが確約されるフィルムコンペティションであり、実際に世界に羽ばたく事例がこうして出ていることは非常に心強い。次回の第4回は2026年2月より作品募集開始となるので、映画制作で“世界”を目指す若手クリエイターはここを目標にしてみるのが早道かもしれない。

「ローリング・ストーン」が選ぶ「THE 20 BEST MOVIES of 2025」

1『ワン・バトル・アフター・アナザー』ポール・トーマス・アンダーソン監督

2『ハムネット』クロエ・ジャオ監督

3『ブラックバッグ』スティーブン・ソダーバーグ監督

4『トレイン・ドリームズ』クリント・ベントリー監督

5『Nouvelle Vague(原題)』リチャード・リンクレイター監督

6『IT WAS JUST AN ACCIDENT(英題)』ジャファル・パナヒ監督

7『しあわせな選択』パク・チャヌク監督

8『ソーリー、ベイビー(原題)』エヴァ・ヴィクター監督

9『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』ジョシュ・サフディ監督

10『センチメンタル・バリュー』ヨアキム・トリアー監督

11『Peter Hujar’s Day(原題)』アイラ・サックス監督

12『エディントンへようこそ』アリ・アスター監督

13『ユニバーサル・ランゲージ』マシュー・ランキン監督

14『みなに幸あれ』下津優太監督

15『Orwell: 2+2=5(原題)』ラウル・ペック監督

16『On Becoming a Guinea Fowl(原題)』ルンガーノ・ニョニ監督

17『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ウェス・アンダーソン監督

18『新世紀ロマンティクス』ジャ・ジャンクー監督

19『フランケンシュタイン』ギレルモ・デル・トロ監督

20『WEAPONS/ウェポンズ』ザック・クレッガー監督

文/久保田 和馬

元記事で読む
の記事をもっとみる