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寿命に「9年の差」が出る衝撃データ。50代女性が今すぐ始めるべき“一番の運動”とは

  • 2025.12.13
Xavier Lorenzo / Getty Images

強い心臓と血管を維持することは、何歳になっても重要だ。実際のところ、心疾患は米国において全年齢層の女性の死因の第1位であり、日本でも女性の死因の第2位(※)を占める深刻な問題となっている。特に女性ホルモンが減少する更年期以降、そのリスクが高まることは日本の読者のみなさんもご存じのはず。

そのため、世界中のヘルスケアの専門家たちは、50歳以上の女性にまず「有酸素運動」を取り入れるよう強く勧めている。

専門家の紹介:マーク・コヴァックス博士/ヒューマンパフォーマンスと長寿の専門家。認定コンディショニング&ストレングススペシャリスト。ブルック・ブサード医学博士/生活習慣医学をベースにしたヘルスコーチ。パーソナルトレーナー。


そもそも「有酸素運動」とは? 50代女性に必要な理由

まずは、有酸素運動の定義からおさらいしてみよう。有酸素運動とは、継続的に体を動かし、心拍数と呼吸数を増やすことで、心臓と血管の働きを活性化させる運動のこと。

「定期的な有酸素運動は、心臓の健康状態、体組成、インスリン感受性を改善し、全身性の炎症を軽減します」と説明するのは、ヒューマンパフォーマンスと長寿の専門家で認定コンディショニング&ストレングススペシャリストのマーク・コヴァックス博士。「その結果、心血管疾患やインスリン抵抗性、骨密度低下などのリスクが低下するのです」

寿命が約9年延びる? 統計が示す驚きの効果

有酸素運動の重要性は、明確な統計データにも表れている。医学誌『Circulation』に掲載された2023年の論文によると、50歳の時点で心血管の健康状態が理想的な人は、あと平均36.2年生きられるというデータが出ている。反対に、心血管の健康状態が悪い人は、あと27.3年しか生きられないとの予測だ。

つまり、心臓と血管を健康に保つかどうかで、平均余命に約9年もの差がつく可能性があるということ。これは今すぐ運動靴を履くための十分な動機になるはずだ。

週150分は「最低ライン」。理想的な運動量は?

では、具体的にどれくらい動けばいいのだろうか? 米国疾病予防管理センター(CDC)は、週150分の中~高強度の有酸素運動を推奨している。これは日本の厚生労働省が推奨する身体活動基準とも近い数字だ。

しかし、コヴァックス博士によると、これはあくまで「最低限」の量にすぎないという。『Circulation』が掲載した2022年の研究では、この3~4倍、つまり週300~599分(1日あたり約45〜85分)の中強度の運動をした人に、最も大きな健康効果が見られた。

「続けられること」が正解。細切れの運動でもOK

とはいえ、いきなり高い目標を掲げて挫折してしまっては元も子もない。「何もしないよりは、何かしたほうがずっとマシ」であることを忘れないでほしい。

「その人が続けられるプランこそ、最善のプランです」と話すブサード博士は、現実的な目標として、約30分のウォーキングを週5回行うことを勧めている。もしまとまった時間が取れないなら、1日3回、10分間の休憩中に好きな音楽でダンスをするのでも構わない。ポイントは、短い運動を積み重ねること。CDCによると、10分未満の運動でも1週間の推奨量としてカウントしてOKだという。

ただし、新しいフィットネスプランを始めるとき、特に高血圧や心臓に不安がある場合は、必ず事前にかかりつけ医に相談を。そして運動中は、自分の体の状態や感覚にしっかりと意識を向けよう。無理せず、楽しく続けることが、長く健康でいるための一番の近道なのだから。

(※)出典:厚生労働省「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」

※この記事は『Prevention』からの翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。

Text: Ashley Mateo Translation: Ai Igamoto

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