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「映画を作っていた時間は、ずっと色あせずに続いている」『サマーウォーズ』トークイベントに細田守監督が登壇!神木隆之介もサプライズ登場し“あのセリフ”を叫ぶ

  • 2025.12.13

愛知県名古屋市にて開催中の「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」。映画『サマーウォーズ』のトークイベントが12月13日に109シネマズ名古屋にて行われ、細田守監督が登壇。主演を務めた神木隆之介もサプライズで登壇し、会場を沸かせた。

【写真を見る】当時の声に寄せながら、作品を象徴する”あの”セリフを全力で叫ぶ神木隆之介

現在『果てしなきスカーレット』が公開中の細田が監督を務め、脚本を『国宝』(公開中)の奥寺佐渡子、キャラクターデザインを「エヴァンゲリオン」シリーズの貞本義行が手掛けた超豪華な布陣だったオリジナル長編アニメーション『サマーウォーズ』(09)。数学が得意だが気弱な高校生の健二(声:神木隆之介)が、憧れの先輩、夏希(声:桜庭ななみ)の実家の大家族と共に、仮想空間「OZ」で起こった事件に立ち向かっていく姿を描いている。いまもなお人気が高い本作のトークイベントには、多くのファンが駆け付けた。

これまで各国の様々な映画祭に参加した経験のある細田監督。ANIAFFの印象について聞かれると、「日本では、アヌシー国際アニメーション映画祭のような商業的に大きな映画祭が広島以外にはありませんでした。それがついに名古屋で誕生したことがとてもすばらしく、非常に意義深いことだと思います」とうれしそうに話した。

『サマーウォーズ』制作当時のことを振り返り語った細田守監督
『サマーウォーズ』制作当時のことを振り返り語った細田守監督

16年前に本作で描かれた仮想空間「OZ」の世界は、いまや現実のものとなりつつある。「当時はAIが世界に占める割合がこんなに大きくなるとは思いませんでした。僕自身もまだインターネットの世界に希望をもって描くことができた時代の、非常におおらかで明るい、健全な作品だなと思います」と振り返る。また、細田監督にとって特に思い入れのあるキャラクターは、栄おばあちゃんだという。強くて、一家をまとめながら若い人を盛り立てていく栄おばあちゃんのキャラクターは、細田監督自身の祖母がモデルになっていることを明かした。

主人公である小磯健二の話に差し掛かろうとすると、声優を務めた神木隆之介が花束を持ってサプライズ登場。2人は久しぶりの再会に感動の表情を浮かべた。公開当時16歳だった神木は、今年で32歳に。細田監督は「大きくなったね!でも、当時のみずみずしさや、すてきな感じはいまも全然変わってない。いいものをずっと保っている」と親しげに声を掛けた。本作の主演に神木を選んだことについては、神木が声変わりした直後であったことが理由のひとつにあったという。「当時から神木くんはとても有名だったけれど、声変わりしたあとの声を誰も聞いたことがなかった。声変わりしてから一番最初に出演をお願いをして、その声がとても新鮮で魅力的でした」と振り返った。

アフレコ当時、神木は16歳の高校生だった
アフレコ当時、神木は16歳の高校生だった

気に入っているシーンについて聞かれると、細田監督は丸いちゃぶ台の周りを走り回ってリモコンを奪い合うシーンを挙げた。「アニメーターが作り上げたすばらしい動きに、神木くんが健二としてテンションを合わせることで、コミカルさを出していきました。何度もテイクを重ねるうちにうまい作画に近づいていって、神木くんはこうやってどんどん自分のものにしていくんだなと思ったことを思い出します」と話す。神木は、「現実世界の人物と『OZ』の世界のキャラクターの、声の抑揚や声質の違いが細かく描かれているところが好きです」とコメント。そういった演技をするよう、細田監督から出演者たちに指示があったわけではなく、演じるなかで自然と変化していったのだという。

今年で芸歴30年を迎えた神木は、「お芝居が大好きという気持ちだけでやらせてもらってます。いままで出会った方たちに助けていただきながら、がむしゃらに走ってきて、いつの間にか30年経ったんだな、という思いです。本当に感謝しかありません」とコメント。イベントの最後には、いまや作品を飛び越えアニメーション映画のアイコンにもなったセリフ「よろしくお願いしまぁぁぁすっ!」を全力で叫び、会場からは拍手が沸き起こった。

【写真を見る】当時の声に寄せながら、作品を象徴する”あの”セリフを全力で叫ぶ神木隆之介
【写真を見る】当時の声に寄せながら、作品を象徴する”あの”セリフを全力で叫ぶ神木隆之介

細田監督は「(当時のことを)本当に昨日ことのように思い出します。あの時一緒に映画を作っていた時間は、いまもずっと色あせずに続いているんだなと思います。まさか何年も経ってこの作品のことを話すことになるなんて思いもよらなかったけど、そういうことも含めて本当に幸運で、こうやってずっと続いていくことがアニメーション映画の魅力なんだと感じさせてくれた観客の皆さんにもお礼を言いたいです」と語り、トークイベントを締めくくった。

「作品を長く愛してくれてありがとうございます」と観客に感謝を伝えた細田監督と神木
「作品を長く愛してくれてありがとうございます」と観客に感謝を伝えた細田監督と神木

第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバルは、12月17日(水)まで開催中。期間中はミッドランドスクエア シネマや109シネマズ名古屋をはじめ、名古屋市内の上映施設を中心とした会場で多くのアニメーション作品が上映されるほか、多彩なゲストを迎えてのトークショーも開催される。

取材・文/編集部

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