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パントーネとシュトーレン。どう違うの?を語るために覚えておきたい簡単知識

  • 2025.12.13

「パントーネ」とは?

パントーネ(Panettone)はイタリア・ミラノ発祥のクリスマススイーツ。その特徴は、なんといっても高さのあるドーム型と、ふわふわした軽い口あたり。

生地には卵とバターがたっぷりと使われ、オレンジピールやレーズンなどのドライフルーツが混ぜ込まれているので、香りもリッチ。独特のふんわり感は、パントーネ種と呼ばれる天然酵母の働きによるもので、長時間発酵させる必要があるため、一般的な菓子パンよりも製造が難しく、職人技が光るお菓子といわれているそう。

パントーネの歴史は500年以上ともいわれ、その誕生にはいくつかの説があり。もっとも有名なのは「トニーという青年が恋人のために作ったパンが評判となり、“トニーのパン(Pane di Toni)”と呼ばれた」というロマンチックな逸話。イタリアでは家族で過ごすクリスマスの定番として、ホリデーシーズンに欠かせない存在。

そのままでも美味しいけれど、軽く温めると香りがより豊かに。イタリアでは甘口スパークリングワインや、カプチーノと合わせるのがお約束なのだとか。

「シュトーレン」とは?

シュトーレン(Stollen)はドイツのドレスデンを中心に古くから食べられてきたクリスマス菓子。バターと砂糖をたっぷり使った生地に、ラム酒や洋酒に漬け込んだドライフルーツ、アーモンドなどのナッツが練り込まれ、焼き上がったあとにもバターを染み込ませるため、どっしり重厚な食感。仕上げにまぶす粉砂糖は雪を象徴しているのだそう。

シュトーレンは、熟成して味が深まるという特性があるため、焼きたてよりも数日、数週間置いた方が美味しいというのが定説。本場ドイツでは、クリスマスまでの「アドベント(待降節)」期間に毎日少しずつカットして食べ、日ごとに変化する風味を楽しむ習慣も。味がなじむことで、フルーツの甘さやスパイスの香りが一体となり、より豊かな味わいを楽しめる。

“幼子イエスを白い布で包んだ姿”をモチーフにしたという、楕円形が特徴的。ドイツでは家庭やベーカリーがそれぞれのレシピで焼き上げ、家族と季節を祝うシーンの定番菓子だ。

パントーネとシュトーレンの違い

ということで、パントーネとシュトーレンの違いをおさらい!

味&食感の違い

  • パントーネ:ふわふわ軽い、ドーム型。爽やかなフルーツの香り。
  • シュトーレン:しっとり・ぎっしり。濃厚でスパイスや洋酒の香り。

口あたりがまったく異なり、まるで「菓子パン」と「熟成ケーキ」ほどの違いがあり。

食べるタイミング

  • パントーネ:クリスマス当日や、その前後の朝食・ティータイムに。
  • シュトーレン:アドベント期間に少しずつ。味の変化を楽しむのが本場流。

保存期間や熟成の違い

  • パントーネ:日持ちはするけれど、開封後は乾燥しやすい。
  • シュトーレン:熟成が進むため保存性が高く、長期間楽しめる。

2つのお菓子の違いを把握して、この時季の手土産としてもぜひ活躍させて。手軽さや華やかさ重視なら、パントーネを。丸いフォルムで映えるルックスは、喜ばれること間違いナシ。そして、特別感や“本格派”を届けたいならシュトーレン。ずっしりとした重みも、ギフト向き。味わいの違いを楽しみながら、ぜひ季節のお菓子の奥深さに触れてみて。

TEXT=東塔愛子

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