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【台湾で買いたい自分土産】日本でも大人気! 「ヂェン先生の日常着」工房で見つける、天然素材のおしゃれウェア<先生本人も登場>

  • 2025.12.13

台湾文化を象徴する存在! 鄭惠中先生の日常着

台湾だけでなく、海外の文化人や芸術家たちにも愛されている「鄭惠中布衣工作室」のリラックスウェア。日本でも雑誌や書籍で取り上げられ、「ヂェン先生の日常着」という愛称で親しまれています。

今回は台北市の隣、新北市中和にある工房を訪問。40年にわたり天然素材のウェアを作り続けている鄭惠中先生に、その思いと現在の夢について語ってもらいました。

来年70歳になる鄭惠中先生。現在は息子さんたちも事業のお手伝いをしています。

工房は昔ながらの集合住宅が並ぶ路地に位置し、風格のある門構えが目印です。門をくぐると庭に流れる水の音が聞こえ、まるでどこか遠い山里の修行場を訪れたかのような気分になります。

大きな甕が置かれた風情ある入り口。

鄭先生のキャリアは紡績メーカーからスタート。10年ほど働く中で、化学繊維の服が大量生産、大量消費されていく現実を目の当たりにし、天然素材の服作りに目覚めていきます。台湾原住民族の集落をよく訪れていたこともあり、彼らの伝統衣装からもインスピレーションを得たといいます。

こうして生まれた綿麻素材の日常着は、細かい皺ができにくく、風通しも良いので、台湾や日本など湿度の高い気候に合います。デザインは40年間変わらず、男女兼用で着られるものも多数あります。全体的にゆったりとしたデザインなので、着心地は抜群。どんな体格の人にもフィットします。

商品ごとに整理されている棚。じっくり見ながら試着すると半日はかかりそうです。

また、カラーバリエーションの豊富さも特色の一つ。たとえ同じ黄色でも、濃いものから淡いものまで微妙に異なる色合いとなっています。

草木染めは色落ちしやすく、コストが高いといった問題があるため、ここでは無毒の化学染料を使用。同じ染浴を何度も繰り返し使い、これ以上染められないという限界に達してから廃棄するため、環境にも影響を及ぼしません。

色見本。回を重ねるごとに淡い色になっていくのがわかります。

その生産過程はとてもユニークです。近所に暮らす女性たちが自宅で縫製し、できあがったら取りに行くという仕組み。結婚や出産、介護などでキャリアが中断してしまった人も働き続けられるようになっています。雇い主にも作り手にも理想的な関係であり、鄭先生のウェアにぬくもりが感じられる理由はここにもあるのかもしれません。

鄭先生によれば、40歳以降は単に服飾品を販売するだけでなく、教育機関や宗教団体、文化団体、台湾原住民族のパフォーマンス団体など、ジャンルを超えてさまざまな人たちと積極的にコラボレーションしてきたとのこと。

南投県鹿谷郷にある内湖小学校。最後列の真ん中が鄭先生。写真提供:鄭惠中布衣工作室

1つ事例を挙げるならば、1999年の台湾中部大地震で大きな被害を受けた南投県の鹿谷という村にある内湖小学校との取り組み。ここは台湾を代表する凍頂烏龍茶の産地であり、茶農家の子弟が多く通います。学校では茶芸と台湾の伝統楽器・南管を学ぶ授業があり、鄭先生の服を着た生徒たちが茶会や演奏会を催しています。

今夏には静岡の茶農家とも文化交流をしたとのこと。こうした郷土文化の伝承、発展に深く関わることが鄭先生自身の夢の一つでもあるそうです。

なお、工房では内湖小学校の茶葉も販売しており、子どもたちの将来的な発展を支え続けています。

4種類のお茶が入った、内湖小学校とのコラボ商品。

このほか、新たに取り組んでいるのは「台湾産の天然素材」を用いること。台湾南部で農業廃棄物として捨てられたパイナップルやバナナの繊維を原料に活用できないか、試行錯誤を続けています。すでに少しずつ混ぜて使っていますが、今後はさらにその比率を増やしていきたいとのこと。

台湾には元々、花蓮県に暮らすクヴァラン族がバナナ繊維を用いていた歴史があり、こうした台湾古来の文化が失われないようにしていきたいという熱い思いがあるそうです。

コスト面では高くなりますが、地場産業を支えられるだけでなく、海外から原料を仕入れるよりも輸送に伴う二酸化炭素の排出量を減らせるので、温暖化対策にも貢献できるとのこと。期待は高まります。

パイナップルの葉や茎から取り出され、アップサイクルとして作られた繊維。SDGsの理念を体現する取り組みです。

数々のストーリーが詰まった日常着は、ぜひ自分や家族のお土産にしたいところ。工房では2、3階に商品棚があり、試着してから購入することができます。

楽しそうに試着する女性客。舞台衣装などにも用いられます。
刺繍が美しい「FUJIN TREE 355」とのコラボ商品。こちらは「FUJIN TREE 355」のみで販売。

冬にも旅にも頼れる、使い勝手の良いボトムスをピックアップ

◆冬寬褲(冬用ワイドパンツ)Sサイズ 1500元

冬でも明るい色を着れば元気になれそうです。

冬用の厚手のパンツ。裾が広がったワイドパンツなので、寒い日には下にタイツを穿くのがおすすめ。これからの季節、クリスマスやお正月など、自宅で家族や友人たちと過ごす機会も多くなりますが、そんなときに「カジュアルに、でもいつもとは違ったおしゃれ」を楽しめるはずです。

◆冬唐裙(冬用スカート)1500元

長い期間、着用できるのがありがたいです。

冬用の厚手のスカート。「冬用」となっていますが、真夏以外はどの時季にも適しています。夏用の薄手のスカートもありますが、下着の透けが気になるという方はあえて厚手のスカートを選ぶのがおすすめ。Tシャツにもセーターにも合います。

◆夏縮腳褲(夏用の裾が絞られたパンツ)Mサイズ 2000元

裾が絞られているので、トイレに行く際にも裾が気になりません。

夏用パンツ。裾が絞られたタイプやバルーンパンツ、クロップドパンツなど、さまざまな種類があります。冬休みに暑い国へ旅行に行く際など、こちらを1本スーツケースに忍ばせれば、旅先で役立つこと間違いありません。もちろん、春夏の日本でも大活躍します。

冬コーデの幅が広がるシャツ&羽織にも注目!

◆冬麻開襟(冬用の麻の開襟シャツ)Mサイズ 2000元 ◆冬對襟盤扣(冬用のチャイナシャツ)Sサイズ 2500元

幅広い着こなしが楽しめる長袖シャツ。

長袖シャツには、Vネックから斜め襟タイプ、開襟シャツ、チャイナシャツまで、さまざまなバリエーションがあります。当然ながら色展開も豊富なので、必ずや好みのものが見つかるはずです。

◆冬翻領外套(冬用の立ち襟付き羽織)Mサイズ 2000元

いろいろなシーンで活躍する羽織。

この時期に活躍すること間違いなしの「羽織」。セーターやシャツの上に着ればしゃれた雰囲気を演出できます。また、室内でちょっと肌寒いときなどにもこちらがあれば重宝するはずです。

工房まで足を運べないという方は、いち早く鄭先生の魅力を日本に紹介してきた青木由香さんが経営するセレクトショップ「你好我好」や、鄭先生とコラボしたスタイリッシュなセットアップも扱う「FUJIN TREE 355」など、台北市内にも取扱店があるのでご安心を。こちらも要チェックです。

鄭惠中布衣工作室(ヂェンホェイツォンプーイーコンツオスー)

所在地 新北市中和區中山路三段179巷15號
電話番号 02-2225-3839
営業時間 9:00~17:00
定休日 毎月第2・第4土曜、毎週日曜
アクセス 台鐵板橋駅、またはMRT板橋駅2番出口からタクシーで約10分
※訪れる際には事前連絡をしてから行くのがベターです。

片倉真理(かたくら まり)

台湾在住ライター。1999年から台湾に暮らし、台湾に関するガイドブックや書籍の執筆、製作に携わる。そのほか、機内誌への寄稿や女性誌のコーディネートなども手がけている。

文・撮影=片倉真理

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