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日本公開も決定!韓国発の長編アニメーション映画『Your Letter』監督トークショーが開催『ラピュタ』など日本アニメへの愛を語る

  • 2025.12.13

12月12日より愛知県名古屋市にて開催中の「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」(通称ANIAFF)。今年から誕生したANIAFFの記念すべきオープニング作品として、韓国のアニメーション映画『Your Letter(英題)』がミッドランドスクエア シネマにて上映され、監督のキム・ヨンファンによるトークイベントも開催された。

【写真を見る】映画『Your Letter』制作の背景を語ってくれたキム・ヨンファン監督

キム・ヨンファンは、累計再生数1億5千万回を突破したYouTubeのショートアニメシリーズ「A Day Before Us」で監督を務め話題を呼んだ、新進気鋭のクリエイター。『Your Letter』では韓国の人気ウェブトゥーン「緑の手紙」を原作に、転校先の学校で偶然謎の手紙を見つけた主人公が、手紙のなかのヒントをもとに校内の様々な場所で手紙を探しながら、新たな友達と出会い成長していく姿を描く。

【写真を見る】映画『Your Letter』制作の背景を語ってくれたキム・ヨンファン監督
【写真を見る】映画『Your Letter』制作の背景を語ってくれたキム・ヨンファン監督

原作を読んだ時に監督が得た勇気や癒しを、より多くの人に届けたいという想いから企画が動き出したという本作。中学生の主人公が学校でのいじめや暴力に立ち向かい、悩みながら成長を続けていくさまを描いた本作の魅力について、ヨンファン監督は「青春とは、誰にとっても大切な時期であり、同時にいろいろなことが不安で未熟な時期でもあります。そのような感情や情緒を込めつつ、そこに“手紙”という要素が加わったことで、作品の魅力が増していると思います」「早く伝えられるメールや電話よりも、ゆっくりと伝える手紙のほうが、人物の気持ちをより深く伝えられるのではないかと感じました」と語った。

近年増えてきた3Dではなく、2Dでのアニメーション制作を選んだことについては、“手紙”というアナログなツールがテーマの物語であることが背景にあるようだ。「もし3Dでやってほしいと言われていたらお受けしてなかったと思います」といった裏話が語られる場面も。また、韓国でアニメーション作品を作ることは難しい点も多く、大人向けの長編アニメーションは5年に2、3本ほどしか出てこないのが現状だという。「そんななか、すばらしいアーティストたちとスタジオが力を合わせて作り上げたこの『Your Letter』にご声援をお願いします」心のうちを明かした。

幼いころから日本のアニメを観て育ったというヨンファン監督。「日本で開催される国際的なアニメーション映画祭で、オープニング作品に選ばれたことを大変うれしく思っております」とコメントしたのち、2026年に日本での劇場公開が決まったことを監督の口から直接発表した。さらに、子どものころから大好きだったというコミックス・ウェーブ・フィルムの配給によって映画が公開されることに喜びの表情を浮かべた。これまで『君の名は。』(16)や『すずめの戸締まり』(22)など新海誠作品を世に送りだしてきた同社にとって、海外の劇場アニメーション配給は初となる。

影響を受けた日本のアニメについて聞かれると、「中学生の頃に通っていた美術塾で『天空の城ラピュタ』を観て、初めてアニメーションについての夢を抱きました。今年は『ルックバック』を観ましたし、『鬼滅の刃』などももちろん観ています。間違いなく、日本のアニメーションを愛しています」と回答。

学生時代に好きだった日本のアニメは、渡辺信一郎監督の「カウボーイビバップ」とのこと
学生時代に好きだった日本のアニメは、渡辺信一郎監督の「カウボーイビバップ」とのこと

今後の活動に関する質問に対しては、「韓国で長編アニメーション作品を作れたことを、大変光栄に思っておりますし、感謝しています。もしまた機会をいただけるのであれば、ぜひ挑戦したいです」と、前向きな姿勢を見せた。

第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバルは、12月17日(水)まで開催中。期間中はミッドランドスクエア シネマや109シネマズ名古屋をはじめ、名古屋市内の上映施設を中心とした会場で多くのアニメーション作品が上映されるほか、多彩なゲストを迎えてのトークショーも開催される。

取材・文/編集部

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