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セレブ婚で俺を捨てた元カノ。数カ月後、スーパーで「もやし45円…高っ」その場でバレた“真実”とは

  • 2025.12.12

私と彼女が付き合い始めたのは、社会人2年目のころ。同じ部署で働いていて、彼女はブランド品やキラキラしたものが好きなタイプでした。最初のうちは、お互いの価値観の違いも「おもしろい」と感じていたのですが……。

若手経営者の登場で、彼女の心に変化が…

そんなときに現れたのが、後に彼女の“夫”になる若手経営者のAでした。Aは私たちの会社のクライアントで、年齢は私たちより少し上くらいなのに、すでに複数の店舗を経営している人物。初めて商談の場で顔を合わせたとき、高そうな腕時計や余裕のある笑い方に、正直「住む世界が違うな」と思ったのを覚えています。

そこからしばらくして、Aの会社の担当に抜擢されたのが彼女でした。「頑張ってね」と声をかけると、彼女は「今度、親睦会としてごはんに行くんだけど、高級店を予約してくれてるみたい」とうれしそうに目を輝かせていました。やがて、彼女のスマホにはAからのLINEが頻繁に届くようになり、「接待なの」「仕事だから」と言いながら、私との約束を何度かドタキャンすることが続き……。

ある夜、酔った彼女がこぼしたひと言が決定打になりました。「Aさんの家、すごく広いんだよ。あとさ、“俺が全部面倒を見るから。君みたいな子にはもっといい暮らしをさせてあげたい”って言ってくれたんだよね……」。その言葉に、胸の奥が冷たくなるのを感じながらも、私は何も言えませんでした。そして数日後、彼女から「別れたい」と連絡がありました。

“セレブ妻”になった彼女と、思わぬ場所で再会

それから数カ月後、共通の同僚を通じて、彼女がAと“デキ婚”したことを知りました。同期と彼女の送別会を開いたとき、彼女は「みんな、今までありがとね。でも私、もう“社畜生活”には戻らないから。これからはセレブ妻として、住む世界が変わるんだ。だから昔みたいに気軽に連絡してこないで」と、冗談めかしながらも本気の目で言いました。「スーパーで、安い食材を探してたころには戻りたくないしね」と、わざわざこちらを見て言ったひと言は、さすがに堪えました。

その後、私は仕事に打ち込み、ある案件が評価されたことで給料も上がりました。節約して浮いたお金は貯金に回し、趣味を楽しむ余裕も生まれてきました。

そんなある日の夕方、仕事帰りにスーパーへ寄りました。「今夜はもやしと豚こまで炒め物でも作るか」と、何気なく棚に手を伸ばしかけたそのとき──隣から聞き覚えのある声がしました。「え、もやし1袋45円って……高いわね」その言葉が妙に耳に残り、私は思わず声のするほうを振り向きました。

“セレブ妻”になった彼女が、スーパーで見せた姿は…

そこにいたのは、ほとんどすっぴんで、くたびれたパーカーを着た女性でした。最初は誰だかわからなかったものの、見覚えのある横顔に気づき、私は息をのみました。思わず名前を呼ぶと、彼女は肩をびくっと震わせて振り向きました。「えっ……あ、え!?」私の顔を確認した瞬間、彼女の表情はみるみる強張っていきました。

とっさに、さきほどの独り言が頭に浮かび、私は「久しぶり。野菜も値上がりしてるよね」と口にしていました。すると彼女は明らかに動揺した様子で、早口に言い訳を始めました。「ち、違うの!ここ、うちの人の店から近いでしょ?市場調査っていうかさ、“庶民感覚を忘れないために”たまに来てるだけ。値段チェックしてただけだから」。

そう言いながらも、彼女の買い物カゴに目を向けると、半額シールのついた肉や値引きされたパンがぎっしり詰まっていました。どう見ても「市場調査で少し立ち寄っただけ」という量ではありません。

「Aさんは一緒じゃないんだ」。その名前を口にした瞬間、彼女の目が一瞬だけ曇りました。「きょ、今日は忙しいから。あの人、今すごく仕事がのっててさ。なかなか一緒に買い物なんて来られないの」と、まるで台本を読むかのようにスラスラと話します。足元を見ると、すり減ったスニーカー……。私がイメージする「セレブ妻」とはあまりにも違う姿が、そこにはありました。

“セレブ妻”になった彼女の結婚生活は…

そして、「なあ、正直に聞いていい?」と切り出すと、彼女は警戒するように私を見ました。「あのとき、“スーパーで、安い食材を探してたころには戻りたくない”って、はっきり言ってたよな。それから1年も経ってないのに、なんでここで、もやしを“高い”って言いながら買ってるんだ?」私の言葉に、彼女は一瞬、悔しそうに唇を噛みました。

しかし、そのあとふっと力が抜けたように肩を落とし、「……バレるよね、やっぱり」と小さく笑いました。「ごめん、格好つけてた。あなたと別れてAさんと付き合い始めたときは、本当に“夢みたい”だったんだよ。ブランドのバッグを買ってくれるし、行ったこともないような高級レストランに連れていってくれるし。周りからも“すごいね、セレブ彼氏じゃん”って言われて、完全に舞い上がってた」。

「でも、最近は?」と聞くと、彼女は苦笑しながらうなずきました。「結婚したあたりからかな。急に“家のことは任せるから仕事は辞めてほしい”って言われて、うれしいような、不安なような。でも“俺が全部養うから心配いらない”って言ってくれたから信じたの。会社にも“セレブの専業主婦になります”なんて調子に乗ったこと言って辞めちゃってさ」。そこまで話すと、彼女は自嘲気味に笑いました。

「最初の数カ月はよかったよ。外食も多かったし、服も買ってくれたし。でも店の経営が苦しくなったのか、ある日突然“生活費はこれでやりくりして”って。前はカードを渡してくれてたのに、今は“勝手に使われると困るから”って取り上げられて現金だけ。しかも、“俺の妻が安いパートなんてイメージ悪い”って言われて、働きに出るのも許してくれない。だから今、こうやって買い物してるわけ」と話しました。

彼女「結婚は後悔してる。でも…」その胸中は

「……後悔してるのか?」と聞くと、彼女は少し黙ってから、「結婚そのものは、正直ちょっと後悔してる」とポツリと言いました。「あのとき、見栄張ってあなたを捨てて、“セレブ妻”なんて言わなきゃよかったって何度も思った。でもね」と言って、おなかに添えた手に力を込めます。「でも、おなかの子は本当にかわいいし、この子のために頑張らなきゃって思ってる。だから、離婚とかは今は考えてない。私が選んだ道だし、自業自得だしね」

子どもに罪はない。そのことだけは痛いほどわかりました。「困ったときは、実家なり役所なり、頼れるところにはちゃんと頼れよ」。そう言うと、彼女は「……相変わらず、説教くさい」と笑って、小さくうなずきました。

スーパーを出てすぐ、彼女が「ねえ」と私を呼び止めました。「また、連絡してもいい?」その問いに、私は少しだけ迷いました。「……子どもの自慢話くらいなら、聞いてやるよ」と答えると、彼女はふっと笑い、「じゃあ、生まれたら報告するね」と言い、私たちはスーパーの前で別れました。

それからしばらく経ちましたが、彼女から連絡はありません。それでいいと思っています。人生は思い通りにはいかないし、お金があるから幸せとも限らない。いつものスーパーでもやしをカゴに入れながら、そんなことを思いました。

◇ ◇ ◇

結婚はゴールではなく、これからの生活が続いていく“スタート”ですよね。人生は思い通りにいかないこともありますが、無理をせず、ときには頼れる場所に助けを求めながら、一歩ずつ前へ進んでいきたいですね。

【取材時期:2025年12月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部

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