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「激しく後悔」38歳無職女性、年収200万円。奨学金の返済残高200万円の猶予手続きを進めるワケ

  • 2025.12.13
経済的な事情で進学をためらう学生や、成績優秀な生徒に対して学費を補助する奨学金制度。All About ニュース編集部が実施した「奨学金」に関する調査から、広島県在住・38歳女性のエピソードを紹介します。
経済的な事情で進学をためらう学生や、成績優秀な生徒に対して学費を補助する奨学金制度。All About ニュース編集部が実施した「奨学金」に関する調査から、広島県在住・38歳女性のエピソードを紹介します。

奨学金制度は、進学をためらう経済的事情を抱えた学生や、学力優秀な生徒に向けて、学費の負担を軽減するために整備されています。

All About ニュース編集部は、2025年12月4日、奨学金の利用経験がある人を対象としたアンケート調査を実施。奨学金制度を利用したきっかけや返済にまつわる不安、現行制度への思いなどを聞きました。

今回は、広島県在住・38歳女性のエピソードを紹介します。

回答者のプロフィール

回答者本人:38歳女性
在住:広島県
家族構成:既婚(子なし)
住居形態:賃貸
職業:無職
年収:200万円
現在の貯金額:なし

独立行政法人日本学生支援機構が発表した「令和5年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」によると、奨学金の返済を延滞していない奨学生1414人のうち、年収300万円以下の割合は38.6%でした。

回答者の奨学金の状況

借りた奨学金の種類:貸与奨学金(返済必要)
返済状況:返済中
奨学金で利用した金額(総額):400万円
返済残高:200万円
月々の返済額:1万8500円

「大学に入学しなければ400万円の借金を背負うことは無かった」

奨学金を利用した理由を聞くと「大学に行きたかったが親には1円も払って貰えない状況にありました。高校3年生の冬に行きたい大学と合わせて色々とお金のことを調べました」とのこと。

「結果的に奨学金を借りるしか大学に行ける方法が他に無いことがわかり、仕方なく借りました」と話しました。

奨学金を利用して後悔したことがあるかを尋ねると、「大学在学中に大きく体調を崩して中退してます。そのため何のために大学に行ったのか分からなくなりました」と言います。

「大学に入学しなければ400万円の借金を背負うことは無かったため、大学入学と奨学金を利用したこと自体を激しく後悔してます」と教えてくれました。

「返済猶予手続きをしてるところ」

返済中にしんどいと感じたことについては、「身体を壊し思うように働けなくなりました。そのため現在無職で返済猶予手続きをしてるところです。1年間は返済しなくていい状況にありますが、金銭面は常にしんどいと感じてます」と明かしました。

また、奨学金の返済で不安を感じたことについて聞くと、「奨学金返済のことは常に不安しかありません」と言います。「いつになれば体調がよくなるのか未定です。そのためいつ奨学金を完済できるのか目処が経っておらず、不安に感じます」と続けました。

「学生に選択肢がなく困った」奨学金制度

奨学金の返済で工夫や努力していることについては、「仕事をしていた当時は毎月の返済のためにかなり徹底した節約生活をしてました。毎日お弁当を作り、食材は必ず安いスーパーを利用して、電気は極力使わないように意識して、外食はせずという暮らしを徹底してました」と言います。

そんな回答者が奨学金制度について思うことは、「返済をしなくていいタイプの奨学金を増やして欲しいです。返済のタイプが多く、学生に選択肢がなくかなり困りました」とのこと。

「大学卒業後(私は中退しましたが)400万円の借金がある状態は精神状態にも影響します。奨学金を借りてない学生よりも困難な生活になる人が多く、またゆとりが全くない生活はしんどいものです」と話してくれました。

※回答者のコメントは原文ママです

文:福島 ゆき

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