1. トップ
  2. 庵野秀明、ガイナックス破産にコメント 旧経営陣を批判「彼らとは昔のような関係にはもう戻れない」

庵野秀明、ガイナックス破産にコメント 旧経営陣を批判「彼らとは昔のような関係にはもう戻れない」

  • 2025.12.11
庵野秀明 クランクイン! width=
庵野秀明 クランクイン!

アニメ、映画監督の庵野秀明氏率いる映像制作会社カラーの公式サイトが11日、株式会社ガイナックスの破産手続き終了について、庵野によるコメントを発表した。

【写真】庵野秀明、レアな“ひげなし”宮崎駿と2ショット

ガイナックスは1984年12月、映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の制作を目的として設立された。庵野の初監督作となったOVA『トップをねらえ!』や、90年代にカルト的人気を博したアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』、NHKで放送された『ふしぎの海のナディア』などが代表作として知られている。

庵野はガイナックスの破産整理の完了、同社の消滅を報告し、「創設期から20年以上籍を置き、今日まで株主として関わっていたものとして誠に残念な最後ですが、静かに受け止めています」とコメントし、同社の再建、整理に尽力した関係者への感謝を述べた。

一方で、旧経営陣体制下での正当性を欠いたずさんな権利移譲、資料譲渡があったことを指摘し、元は友人関係であった関係者を名指しで批判。「彼らとは昔のような関係にはもう戻れないであろうことを改めて思い知り、心底残念に思います」「先の和解に会社として応じましたのも、彼らに関してこれ以上弊社の時間を割くことを望まなかったからです」と胸中を明かしている。

その一方で、ガイナックスの最後を看取る形となった最後の代表取締役・神村靖宏社長に対して、感謝をつづっている。

【庵野秀明コメント全文】

「株式会社ガイナックス」について

2025年12月10日の官報掲載にありますように、アニメーション制作スタジオだった「株式会社ガイナックス」の破産整理が終わり、法人として消滅し、その42年弱の歴史を終えました。
創設期から20年以上籍を置き、今日まで株主として関わっていたものとして誠に残念な最後ですが、静かに受け止めています。

まず、2019年、当時の代表取締役社長巻智博氏の逮捕を受け、弊社と共にガイナックス社の再建、後に整理に関わる業務に6年近く無償でご尽力を頂きました、関連各社の皆様に、感謝と敬意を申し上げます。
各位のご協力を賜り、各作品の権利処理、権利譲渡、制作成果物等各種資料の譲渡に関しまして、正当な手続きをもって、各権利者やクリエイターに無事お戻しする事が叶いました。
改めて、感謝致します。ありがとうございました。

過去のガイナックスに関して、これまで公開していた話が世間に出せるほぼ全てですが、新たに残念だった事がありますので、この機に述べておきます。

それは、旧経営陣体制下に於いて正当性を欠く権利移譲、資料譲渡が行われていた事です。
これに伴い弊社は、当時の経営陣に対して民事訴訟を提訴し、令和5年1月20日に当方原告の主張を認め被告からの謝罪を受け入れる形で和解が成立しました。

ガイナックスが新経営体制に変わった時、危機的な状況に陥っていた経営状況の把握、権利や資料の散逸防止を目的として、契約書類や取引に係るメール等の精査が行われ、弊社も最大債権者として調査協力を致しました。
その過程で、かつてガイナックス社の窮状を受け弊社が緊急融資を行った後の、返済に関するガイナックス社の不誠実さ、会社経営や制作資料保全に関する自社作品やスタッフに対する敬意に欠ける旧経営陣内の様々なやり取りを目の当たりにしました。

具体的には、元福島ガイナックス代表の浅尾芳宣氏や大学時代からの友人と思っていた山賀博之氏、武田康廣氏らが弊社や自分に対して行っていた様々な虚偽対応の実態、山賀社長(当時)からガイナックス社員への自身を入院中とかたる居留守指示、弊社を敵対視した文言、返済を不当に逃れるための画策等、これらを改めて知るに至り、怒りを通り越して悲しくなりました。
彼らとは昔のような関係にはもう戻れないであろうことを改めて思い知り、心底残念に思います。
先の和解に会社として応じましたのも、彼らに関してこれ以上弊社の時間を割くことを望まなかったからです。

最後に、本来全うすべき多くの責務や債権者を置き去りにした旧経営陣が、「ガイナックス」という歴史あるアニメスタジオを自らの責任を取る事なく放棄した状態の中、関係各社の理解を得つつ、権利や資料の散逸を防ぎ継承し、債権者へ真摯に向き合い最後まで身を尽くし、その終焉を見届けてくれたガイナックス最後の代表取締役であり、大学時代からの友人である神村靖宏社長に、感謝致します。

「神村、ありがとう。そして、御苦労様でした」

株式会社カラー 代表取締役 庵野秀明

引用:株式会社カラー公式サイト

元記事で読む
の記事をもっとみる