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学力向上の土台を作る陰山先生のドリルが登場

  • 2025.12.11

入学準備~低学年向けの基礎学力向上に

「百ます計算」の陰山メソッドで高名な陰山英男先生が、今年9月、入学準備から低学年向けの三冊のドリルを発表されました。『陰山メソッド 徹底反復 十ますたし算』と同じく『十ますひき算』、そして『陰山メソッド 徹底反復 ひらがな・カタカナ運筆ドリル』です。「十ます」のたし算とひき算は、いわば「百ます計算」入門編で低年齢向けの基礎計算力アップ、運筆ドリルは、鉛筆を自在に動かしてきれいな字を書くことを目的としたドリルです。

「百ます計算」のことは多くの方がご存じだと思いますが、念のため復習しておくと、縦10×横10のますの左と上に数字をランダムに並べ、交差するますに計算の答えを記入していく計算トレーニングです。これを何度も何度も反復していくうちに、集中力と計算力が飛躍的にアップ、基礎学力の向上が認められてブームとなりました。最近では、高齢者の認知症予防や中高年のレクリエーションにも用いられているとか。老若男女の脳の処理能力アップに貢献してくれているのです。

計算能力が向上すると脳の処理能力が高まる

さて、今年発売された三冊ですが、いずれも表紙裏に記載されている「ねらい」の欄に次のように書いてあります。

子どもの学力を伸ばすために最も重要なのが、「読み書き計算」の基礎能力です。陰山メソッドとは、この力を集中的な反復学習によって高める学習方法です。

あらゆる学力の土台が読み書き計算能力であることには納得しても、集中的な反復学習でそれが高まるのか疑問に思う方もいるかもしれません。しかし陰山先生は、「私の長年の実践から、同じ問題を繰り返すことで、子どもの頭の回転が速くなり、基礎計算力を身につけられることがわかった」と断言しておられます。

「十ます計算」の目標は、1問10回の計算を12秒以内で解けるようになること。このドリルで反復を繰り返し、目標の12秒を達成しましょう。未就学児や1年生なら親子で一緒に計算するといいと思います。実際にそんなふうに使っている親御さんも存在します。そうすれば、反復することを面倒だと感じる子にはとても効果的ですし、目標に到達したときの達成感が次の計算をする意欲につながります。

うれしいことに陰山先生は、12秒を達成できるようになれば、「小学校低学年の算数で苦労することはありません。」とはっきり書いておられます。長年の経験に裏打ちされた言葉ですから信じられますよね。さらに、「脳の処理能力が高まっているので、ほかの教科でも効率的に学習できるようになります。」とも。

きれいな文字をスイスイかけるように

次に『運筆ドリル』ですが、表紙裏の「ねらい」の欄に「ひらがなとカタカナ、小学1年生で学習する漢字の一部を使って、指先で鉛筆を自在に動かす力、きれいな文字を書く力を養うドリルです。」とあり、本文の最初は「うごかしやすい えんぴつの もちかた」です。そこには大きな図で、子どもにもわかるように正しい鉛筆の持ち方が説明してありました。

お子さまは、鉛筆を正しく持っていますか? 私見ですが、周囲の小学生を見ていると、正しく持っている子のほうが少ないようです。その特徴は、親指が鉛筆を通り越して人差し指をおさえるようになっていること。正しくは親指と人差し指の指先で鉛筆をはさみ、中指で下から支えるように鉛筆を持ちます。これだと指先だけで鉛筆が軽々と動かせますが、親指が人差し指を押さえてしまうと指先だけで動かすことはむずかしい。勉強量が増え、内容も難しくなる高学年・中学生になったとき、字を書くスピードに差が出てきてしまわないかと心配です。

陰山先生は子どもたちをしっかり見ておられるのでしょう。このドリルの鉛筆の持ち方の次のページは、かわいい動物のイラストがのっている塗り絵のような「えんぴつを うごかす れんしゅう」で、これが11ページも続きます。そのあとがようやく「ひらがなの れんしゅう」「カタカナの れんしゅう」「かんじの れんしゅう」です。

「字はきれいじゃなくてもいいのでは? 大きくなったらパソコンを使うんだし」と思う方もいるかもしれません。しかし、今の子どもたちの中には、書いた本人も何と書いたかわからなくなって間違ってしまう子が多く見受けられます。本人はもちろん、先生にも友だちにもはっきりわかる文字がスイスイ書けることも、基礎学力のきわめて大きな要素だと思います。

今回ご紹介した『十ますたし算』『十ますひき算』『運筆ドリル』には、陰山メソッドの真髄が込められているように思います。教育熱心なあまり、早々に中学受験の塾通いを始めたり、テストの点ばかりを気にしていると、ついうっかり基礎学力を育むことがおろそかになりがちです。そんなときは、ぜひ陰山先生のホームページの「ごあいさつ」のページを読んでみてください。日常の忙しさにかまけて忘れがちな教育の原点、子どもへの配慮、そして本当に大事な親子のことを思い出させてくれると思います。

陰山メソッド 徹底反復 十ますたし算
陰山メソッド 徹底反復 十ますひき算
著/陰山英男、小学館刊、定価各770円(税込)

「百ます計算」入門編で基礎計算力をUP! 「十ます計算」は1問12秒以内を目標に、高速計算を繰り返すことで脳の処理能力を高める学習方法です。目標をクリアできるようになれば、小学校低学年の算数で苦労することはありません。

『十ますたし算』『十ますひき算』は、入学準備から小学校低学年に向けた、基礎計算力をきたえるためのドリルです。最大の特徴は、たされる数・ひく数が同じ計算を何度も繰り返し学習すること。たし算・ひき算も、九九のように同じ数(段)の計算を繰り返したほうが、計算能力が早く身につけられるのです。

二冊とも、0の段=1枚、1の段~3の段=各3枚、4の段・5の段=各4枚、6の段・7の段=各6枚、8の段=5枚、9の段=4枚と、計算の難度にあわせてプリントの枚数を変えています。各段の1枚目は、計算式の問題10問と十ますたし(ひき)算3問で構成した練習プリント。2枚目以降は同じプリントで、十ます計算6問を徹底反復します。

最後の30ます計算でたし算を仕上げたら『十ますひき算』に進み、『十ますひき算』を仕上げたら、『プレ百ます計算』に進みましょう!

※プリントはすべて裏が白になっているので、使う際に本の上下を変える必要はありません。答えを含めプリントは全48枚。

【編集者からのおすすめ情報】子どもの学力を伸ばすために最も重要なのが「読み書き計算」の基礎能力。陰山メソッドは、この力を集中的な反復学習によって高める学習方法です。本書を作る過程で私は何度も問題に取り組み、基礎学力の必要性を痛感しました。7の段がむずかしい……。そして徹底反復の効果を実感したのです。7の段、目標クリア! このドリルは私の脳トレにも効果的でした。実は本書の問題には秘密があります。各段1日目の計算式の問題の数字の並べ方、各段2日目以降の十ますたし算のたす数の並べ方です。秘密を知っている私でも、問題を解いている間はそれを意識できませんでした。このドリルで陰山メソッドの深奥に触れてください!

陰山メソッド 徹底反復 ひらがな・カタカナ運筆ドリル
著/陰山英男、藤井浩治、小学館刊、定価825円(税込)

運筆能力で学力・学習効率が格段に上がる! 子どもの学力を伸ばすために最も重要なのが、「読み書き計算」の基礎能力です。陰山メソッドは、この力を集中的な反復学習によって高める学習方法です。

『運筆ドリル』は、ひらがなとカタカナ、小学1年生で学習する漢字80字の中の24文字を使って、指先で鉛筆を自在に動かす力、きれいに文字を書く力を養うドリルです。1日目に24mmますで練習し、2日目に同じ文字を20mmます、18mmますでより小さく書く練習をすることで、指先を器用に動かす力が身につけられます。

本書ではすべてのますの左側にお手本を入れました。ひらがなは書くのがむずかしい文字なので、お手本の前に「じゅんび」として、文字の書き出しやポイントとなる部分の運筆練習をします。

最初のお手本には書き順のほか、「とめ・はね・はらい」など、注意する部分を記号で示しました。また、練習するますにも、重要なポイントには記号を入れています。

お手本を見ながら、その文字の特徴に注意し、お手本どおりに書き写すことで、文字の認識能力が高まります。

運筆能力が上がれば、学力は高まります。学習効率が格段に上がります。

本書で繰り返し練習して、運筆能力を高めましょう!

【編集者からのおすすめ情報】ドリルの冒頭は、生き物の体の線や模様を書く楽しい練習です。その次がひらがなです。ひらがなは、カタカナや漢字に比べて、書くことがたいへんむずかしい文字です(その理由は本書でご確認を)。そのため本書では、あいうえお順ではなく、ひらがなを字形や書き方で分類し、なかまごとに練習できるようにしました。ページの下部には「おうちのかたのチェックポイント」として、字形をくずしやすいポイントを例示しました。

私は本書で何度も練習して、初めて字形の特徴と整え方を意識できるようになってきました。本書はお子さまの学習を見守る保護者の方にも、よりきれいな字を書きたい大人の方にもお役に立つドリルだと確信しています。

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