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人気サッカー漫画『アオアシ』作者、地元Jクラブの降格に危機感「今年の愛媛のサッカーで幸せになった人は誰もいない」

  • 2025.12.10

今季J2で最下位に終わり、2度目のJ3降格を喫した愛媛FC。シーズン3勝はクラブ史上最少勝利数記録だった。

クラブは来季に向けて、すでに青野慎也監督の退任と、今季までロアッソ熊本(愛媛と同じくJ3降格)の指揮を執っていた大木武監督の就任を発表している。

そうしたなか、今年完結した人気サッカー漫画『アオアシ』の作者で、地元愛媛FCのサポーターとして知られる漫画家の小林有吾氏が9日、自身のブログを更新。J3降格に至ったクラブの現状に強い危機感を示した。

「今年の愛媛のサッカーで幸せになった人は多分1人もいない」と嘆いた小林氏は、前回の2021年にJ3降格を避けたかった理由が「一度落ちると癖になる」からであり、今回も「また上がれる」という慢心が漂っていることが問題の根本にあると指摘する。

特に『育成型クラブ』を掲げながら、若い選手を導く存在—人間として真正面から向き合い、厳しさも伴う育成を担う“引力”のある大人—が不在だったことを最大の問題と捉える。選手たちは迷い、春先からの混乱は『育成』が建前にすぎないと見抜かれた結果だと語った。

夏に加入した選手たち(堀米勇輝や藤本佳希など)も現状に愕然としたと推測し、ベテラン不在の影響や、選手が誹謗中傷の矢面に立たされる姿に深い痛みを示した小林氏。クラブ側はサポーターの不安に向き合えず、対話の仕方が分からなかったのではないかと分析したうえで、結果として選手もサポーターも孤立し、ともに苦しんだ1年だったと振り返った。

そして、愛媛のサポーターに対しては、怒りを理解しつつも人格否定や罵声は逆効果であり、選手の心を折るだけだと警告。「励ましの言葉にも悲しみや怒気はにじむ。それだけで十分伝わる」とし、迷う選手を救う言葉を探してほしいと訴えた。

最後は、スモールクラブである愛媛にはサポーターの支えが不可欠であり、「また来年。スタジアムで会いましょう」と呼びかけて締めくくっている。

筆者:奥崎覚(編集部)

試合だけでなくユニフォーム、スパイク、スタジアム、ファン・サポーター、カルチャー、ビジネス、テクノロジーなどなど、サッカーの様々な面白さを発信します。現場好き。週末フットボーラー。

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