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休みの日は一日中寝てる夫。小言も多く、イライラせっかちに!性格まで変わって困ったと思ったら「バセドウ病」でした【著者に聞く】

  • 2025.12.10
寝ても寝ても、眠い… 画像提供:(C)桜木きぬ
寝ても寝ても、眠い… 画像提供:(C)桜木きぬ

休日は一日中寝ているのに、朝もだるくて起きられない夫。仕事でストレスを抱えているのかも?と見守っていたが、段々「ダラダラすんな」と、怒りを覚えるように。2階に上がるときも滝のような汗をかき、動悸や息切れが激しくなり、普段通りの食事をしているのに10キロ近く体重減…これはおかしい!?と受診してみたら、夫は「バセドウ病」だった。桜木きぬさん(@kinumanga)の『夫がバセドウ病にかかったら』を紹介するとともに話を聞いた。※本作で紹介している症状は、個人の体験談でありすべての人に当てはまるものではありません。症状で悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含む為、閲覧にはご注意ください。

休日も一日中寝てるのに、朝からだるくて朝起きれない...。これって「疲れ?」

夫がバセドウ病にかかったら02_001 画像提供:(C)桜木きぬ
夫がバセドウ病にかかったら02_001 画像提供:(C)桜木きぬ

バセドウ病と診断される前までの夫は、常に体がだるく寝ても寝ても寝れてしまう症状が続いた。振り返ると、「思えば半年くらいずっとしんどかった」という。どんな感じか?といえば、「まるでいつもプールの授業の後の5時間目みたいだった」と、話す旦那さん。しかし、熱や咳も鼻水もなく、食欲はある。なのに、食後や休みの日はずっと寝ているし、平日も朝起きれず、家族からすると「ダラダラしてる」「怠けている」という姿にしか見えなかったという。その後、体重が減り、手が震えたり、動悸や息切れがするようになって、桜木さんはさすがに「病院に行こうよ」と連れ出した。

夫がバセドウ病にかかったら02_002 画像提供:(C)桜木きぬ
夫がバセドウ病にかかったら02_002 画像提供:(C)桜木きぬ

病院を転々とし、診断されたのが「バセドウ病」。バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが異常に分泌される病気のこと。甲状腺は人間の喉仏の下にあり、ここから甲状腺ホルモンが分泌される。過剰に分泌されると、動悸や息切れ、手足の震え、多汗、全身の倦怠感、体重減少、眼球突出など全身にさまざまな影響を及ぼすという。

夫がバセドウ病にかかったら02_003 画像提供:(C)桜木きぬ
夫がバセドウ病にかかったら02_003 画像提供:(C)桜木きぬ

旦那さんが「バセドウ病」と診断されたのは、2018年ごろ。2022年にXで漫画を投稿したところ、大反響。そして2025年、ついに連載となった。「どんな出来事も渦中にいるときは客観的に描けないと思っています。学生のころ、交通事故で内臓(肝臓)破裂という重傷を負った経験があるのですが、そのことも20年が経ってから漫画にしました。ある程度消化してからの方が描きやすいと感じています」と、桜木さんは話す。

病状がわかると、「朝、なかなか起きてこなくても、これはバセドウ病のせいだなと割り切るようになりました。朝以外は働き者の夫です。反対に、私も生理前などは動きが悪いので、『ホルモンには勝てないね』『お互いさま』という気持ちも芽生えました」ダラダラしてると思えていた行動も受け入れることができたという。

夫がバセドウ病にかかったら02_006 画像提供:(C)桜木きぬ
夫がバセドウ病にかかったら02_006 画像提供:(C)桜木きぬ

しかし、精神状態については困ったようで、バセドウ病の患者のなかには、赤信号すら待てないほどせっかちになってしまう人もいるという。旦那さんに関して言えば、会話にかぶせるように返事をしたり、忘れっぽくなったりした。「症状が重いときの精神状態が気がかりでした。せっかちで注意散漫になってしまうので、事故に遭わないかヒヤヒヤします。また、私は精神が不安定な夫に対応できますが、子どもはそんな父に素直にイライラするので、家の中がちょっとギスギスします」

夫がバセドウ病にかかったら02_009 画像提供:(C)桜木きぬ
夫がバセドウ病にかかったら02_009 画像提供:(C)桜木きぬ

病気の説明をしても、やっぱり「いつもゴロゴロしてる」「いっしょにプールに行く約束したのに」と息子さんが不満を口にすることもあった。「夫からは『気にせずいつもどおりに接してほしい』と言われていて、数値が安定していて症状がほとんどないときは可能ですが、症状が出ているときはすごく心配ですし、正直腹が立つことも多いので難しいですね」と、旦那さんの症状に家族が振り回される日は続いた。

夫がバセドウ病にかかったら03_005 画像提供:(C)桜木きぬ
夫がバセドウ病にかかったら03_005 画像提供:(C)桜木きぬ

そんな旦那さんも薬物療法を続け、現在7年目を迎える。バセドウ病について漫画でわかりやすくまとめたことで、「私の漫画が理解の助けになったという体験談を寄せてくださったのがうれしかったです。また、放射性ヨウ素を使ったアイソトープ治療や甲状腺切除の手術を経験された方が知見を分けてくださるのがありがたいです」と、話す。

夫がバセドウ病にかかったら03_008 画像提供:(C)桜木きぬ
夫がバセドウ病にかかったら03_008 画像提供:(C)桜木きぬ

本作は、甲状腺専門病院の伊藤病院による監修を受け、ダ・ヴィンチWebで連載中。ほかにも桜木さんは『わたしが選んだ死産の話』や『性別に振り回されたわたしの話~1981年生まれのノンバイナリー~』なども執筆。また、Xに投稿されている日常漫画も非常に人気で、Kindleでまとめて読むこともできる。

取材協力:桜木きぬ(@kinumanga)

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