福士蒼汰＆福原遥、十明の「楓」カバー生歌唱に感動！「優しい、あったかい、泣けてくる」

スピッツの名曲を原案とした映画『楓』(12月19日公開)の公開直前イベントが12月9日に秋葉原UDXシアターで行われ、ダブル主演を務めた福士蒼汰と福原遥、劇中歌カバー「楓」を歌うアーティストの十明、行定勲監督が出席した。

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本作は、事故で双子の弟・恵を失った涼(福士)が、残された恵の恋人・亜子(福原)の前で弟のフリをしたことから始まる、切ない運命を描くラブストーリー。上映後の会場に姿を現した十明は、「『楓』という映画に関わることができて、観ていただいた皆さんとここでお会いできてうれしいです」と感無量の面持ちを見せた。

劇中歌のオファーに「シンプルにびっくりした」という十明は、「楓」という楽曲から「どのような物語が紡がれるんだろうとワクワクした」とのこと。レコーディングの日について「緊張したんですが、どうやって歌うかを決め込んで行ったわけではなく、監督のお言葉を受けて、力まずに挑みました」と振り返った。完成作を観て「涙が止まらなくなった」とも明かし、「心を動かされるシーンで、自分の歌声が聴こえてくることが少し不思議でもあり、すごく幸せです」と喜びをにじませていた。

十明の生歌唱付き特別試写会として行われたイベントだが、観客にはサプライズで主演の福士と福原、行定がサプライズで登場。会場から大きな拍手が沸き起こり、驚きのあまり涙を流す人の姿も見受けられた。上映後のイベントは初めてとあって、福士は「ドキドキします」「本人登場、みたい」と大きな笑顔。

福原も「どう受け取ってくださったのかなと、皆さんのお顔を見てしまいます。いろいろな受け取り方のできる作品だと思うので、少しでも皆さんに寄り添える作品になっていたらいいなと思っています」と願いを込めた。スピッツとも対面を果たしたという行定監督は、「人見知りの方で、僕も人見知りになってしまって。偉大なバンドなので、全員が並んだ時に『ありがとうございます』くらいしか言えなくて」と照れ笑いを浮かべつつ、「草野さんは、『30年前の自分に、映画になるんだよと言ってあげたい』と言っていたみたいで。『美しい映画だった』と言ってもらえて、ホッとしています」とスピッツの草野マサムネによる反応を紹介していた。

そしてキャスト、監督も駆けつけた会場で、スクリーンに本作の場面が映しだされるなか、十明が生歌を披露した。十明の透明感あふれる歌声に大きな拍手が上がり、福士と福原も「すごい…」と感激しきり。十明が「お二人の前で歌うことができて、この映画に向けていた気持ちがまた届けられたのかなと。すごくうれしかったです」と心境を口にすると、福士は「すごく届きました。針に糸を通すような隙間で、歌っていらっしゃる。そのなかに芯や温度を感じた。この近さで聴くと、より心に来るものがあった。すばらしかった」と繊細かつ、温かな歌声に惚れ惚れ。福原も「めちゃめちゃ感動しました。余韻が…。思い出すだけで泣けてくる。すごくステキ。優しい、あったかい」と瞳を潤ませながら感動を伝えた。2人の感想を耳にした十明は、「映画の優しくて強い気持ちと繋がれて、よかったです」と再び胸を熱くしていた。

また切なくも美しい恋を描く映画にちなみ、「恋人同士の間で一番大切にしたいことは？」という質問に答える場面もあった。「自分の好きなことを2人で熱く語り合える」、「一緒に朝ごはんを食べる毎日の時間を大事にする」、「不安な時は、なにも聞かずにそっと抱きしめてくれる」という3択から選ぶことになると、福士は「自分の好きなことを2人で熱く語り合える」という回答をセレクト。「好きなものを共有して、それが一致して、2人で『俺もそう思った！』『なんでわかるの！』と感情の共有ができると楽しい」と恋愛観を語る。福原と十明は「一緒に朝ごはんを食べる毎日の時間を大切にする」という答えを選び、十明が「朝ごはんは、だいたい前日の夜になにを食べるか決めるんです。それを一緒にできたらいいなと思います」と日々の習慣を話すと、福原が「一緒です！」と共鳴。「食って大事ですよね。家族もそうですが、一緒にご飯を食べる時間を大事にしていて。他愛もない話をしたり、なにがあったという報告をしたり、今日はなにをするという話ができるのが幸せだなと思う」と続けると十明も大きくうなずいた。息ぴったりの様子を見せる2人に福士は「2人で朝ごはんを食べるといい」と提案し、会場を笑わせていた。

「理想のクリスマスの過ごし方は？」という問いかけには、福原が「食べることが好きなので、クリスマスマーケットに行って、シチューとか温かいご飯を思う存分食べたい」とにっこり。十明も「食べる時間が一番幸せ。私もクリスマスマーケットに行きたいという欲が爆上がりしました！」と声を弾ませるなど、ここでも意気投合。福士は「カップル同士、(クリスマスの日に)仕事をしちゃっていて。『6時半に待ち合わせね』と言って、お互いに朝から時計を気にしたりして。男性は先輩に仕事を頼まれて『わかりました！』と、ちょっと遅れちゃう。そこで走るシーンがあります！ハアハアと走って行って、『ごめん…待った？』『大丈夫だよ』と手を繋いでレストランに行く」と楽しそうに妄想を膨らませ、これには会場も大笑いだった。

取材・文/成田おり枝