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『IT WAS JUST AN ACCIDENT(英題)』ゴールデン・グローブ賞4部門ノミネート!日本では2026年公開決定

  • 2025.12.9

第78回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール(最⾼賞)を受賞したイランのジャファル・パナヒの監督最新作『IT WAS JUST AN ACCIDENT(英題)』が第83回ゴールデン・グローブ賞で4部門にノミネート。日本では2026年に公開されることが決定した。

【写真を見る】第30回釜山国際映画祭にて「今年のアジア映画人賞」に輝いたジャファル・パナヒ監督

本作は、アカデミー賞の前哨戦と⾔われるゴールデン・グローブ賞の作品賞(ドラマ部門)、監督賞、脚本賞、非英語作品賞にノミネート。不当に刑務所に投獄された⼈々が、復讐を果たそうと試みる姿をスリリングかつユーモアたっぷりに描いた復讐劇で、パナヒ自身が⼆度に渡って投獄された経験と同房で出会った⼈々のリアルな声から着想を得て生み出された物語となっている。

2010年から反政権を理由に禁錮6年の有罪判決を受けていたパナヒ。映画制作や海外渡航が20年間禁⽌されていたが、2023年に海外渡航禁⽌が解かれ、本作品でカンヌ国際映画祭に正式参加し、イラン映画としては28年ぶりに最⾼賞を受賞。『チャドルと⽣きる』(00)でベネチア国際映画祭⾦獅⼦賞、『⼈⽣タクシー』(15)でベルリン国際映画祭の⾦熊賞を受賞、そして本作のパルム・ドール受賞により、世界三⼤映画祭すべての最⾼賞を受賞するという快挙も成し遂げ、世界中で⼤きな話題となった。

さらに各国の映画祭で受賞、ノミネートが相次ぐなか、アカデミー賞の国際⻑編映画賞部⾨は映画が製作された国から選出されなければ出品できない規定だったが、フランスとの共同製作により、第98回アカデミー賞国際⻑編映画賞のフランス代表にも選出。今回のゴールデン・グローブ賞ノミネートによって、アカデミー賞への勢いを⼀層加速させる形となった。

しかし2025年12⽉、アメリカで本作のプロモーション活動中だったパナヒは、明確な容疑が開⽰されないままイスラム⾰命裁判所から突如判決を受けた。内容は「反体制プロパガンダ活動を⾏った」とする⽋席裁判での懲役1年に加え、2年間の渡航禁⽌、さらに政治、社会団体および派閥への参加禁⽌という厳しい措置となっている。ゴールデン・グローブ賞の授賞式は日本時間2026年1月12日(月)に行われる。

パナヒの魂の叫びが詰まった本作が、賞レースにどう絡んでいくのか。監督自身の今後の動向も含めて注視が必要だ。

文/スズキヒロシ

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