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畑から始まる学びと美食の旅へ|大分「ENOWA YUFUIN」特派員企画レポート

  • 2025.12.9
fujingaho

2025年11月3日〜4日、大分・由布院の「ENOWA YUFUIN(エノワ ユフイン)」で、“ファームドリブン”を体験する1泊2日のイベントを開催しました。

食の未来に思いを馳せて、畑に立ち、野菜に触れ、美食と向き合う学びの旅。今回は「婦人画報&美しいキモノプレミアムメンバーズ」の先行募集で、応募をくださったなかから10名に特派員としてご参加いただきました。

新しい形のオーベルジュとして2023年に開業した「エノワ ユフイン」。誕生からわずか2年で、『婦人画報』2025年1月号の「温泉宿アワード」の食部門ではグランプリに輝き、いま注目を集めています。「エノワ ユフイン」はいま、そのメッセージを再考しました。

時を忘れさせる空間、良質な温泉、記憶に残る食事。それは宿として素晴らしい要素──。しかし原点に立ち返ったとき、「エノワ ユフイン」が目指してきたことは「農場主導」なのだという結論に。2025年より「エノワ ユフイン」は原始的で本質的な食体験を追求する「ファームドリブン」に焦点をあてています。今回の特派員企画では、そのメッセージに出合うことが目的。畑や食を通して「エノワ ユフイン」の思いに深く寄り添う時間が設けられました。

畑と温泉をもつ“進化し続けるオーベルジュ”

由布院駅から車で8分ほど、およそ4万4千㎡の敷地。豊富な湯量と素晴らしい泉質に恵まれた温泉が湧き、近くにはこだわりの畑「エノワ ファーム」を有します。

この「エノワ ファーム」を監修するのは“野菜の匠”と呼ばれ、京都をはじめとする数々の名料亭からも信頼の厚い「石割農園」の石割照久さんです。

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石割さんとともに畑作りから携わり、収穫した野菜たちを最高の一皿へと昇華させるのが「エノワ ユフイン」のレストラン「JIMGU」のシェフ、タシ・ジャムツォさん。「エノワ ユフイン」ではこの畑を中心に、タシさんとスタッフが全員で食の新たな可能性を探求しています。

畑に立ち、学び、味わうファームドリブン

まずは石割さんとタシさんとともに、土の香りや野菜の生命力に出合うべく「エノワ ファーム」を体感するファームツアーへ。集合してすぐ畑に向かい、特派員の10名は長靴に履き替えて畑のなかを“つまみぐい”しながら歩きます。

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そして畑では石割さんによる野菜の解説を聞きながら、その視点を深めます。夕食にはファームツアーでタシさんが収穫した野菜を中心に料理が提供されました。

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レストランで使う大分県佐伯市のヒオウギガイはカラフルな殻と濃厚な甘みが特徴。身を使ったあとの殻は、焼いたものを有機石灰肥料として畑に使用。レストランではコンポスト(生ごみを自然な発酵で堆肥にする)も行っており、畑に還元しているといいます fujingaho

タシさんは毎日畑で収穫をしており、その日に収穫した野菜からディナーの詳細が決められます。毎日どんな野菜がどう調理されるのか──。畑に行ってみるまではタシさん自身も判断できず、まさに“農場主導(ファームドリブン)”。キッチンは臨機応変な対応が求められるため苦労も多いようですが、そのおかげでゲストはいつでも一期一会のディナーを楽しむことができます。

今回のイベントでは、レストラン「JIMGU」にて、10名で1つのテーブルに集いました。写真右は温室に隣接した「ファーム バー」 fujingaho
ディナーではこの日収穫した野菜を用いた、カラフルな全9皿が特派員を喜ばせてくれました。畑の野菜以外に、地元大分の魚や肉も。右下のディップはタシさんのシグネチャーのひとつ。レモンビネガーが効いており、さまざまな野菜と相性がよく、野菜本来の味を楽しむことができます。左上もシグネチャーで、まさにブーケをコンセプトにしたひと皿。アップルバターの赤、ターメリックの黄、大葉の緑、ヨーグルトの白、と4色のソースで味の変化を楽しみながらいただきます fujingaho
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今回はともに畑を訪れて、そこで収穫した野菜を使ってディナーが提供されたため感動もひとしお。ディナーのあいだも一皿、一皿に石割さんの解説が加わります。美しくおいしくいただくだけではなく、学びの多い時間になりました。

写真左は夕食、右は朝食。ともに石割さんの解説でエンタメ性に溢れた時間になりました。ポイントを聞きながらいただくと理解も深まるというもの。例えば石割さんは、タシさんは野菜への“塩のあてかた”(野菜のおいしさを引き出すための塩分のきかせかた)が上手、ハーブやスパイスを扱うときのバランスが巧みだ……という話をしていらっしゃいました fujingaho

食の未来をともに考える特別な1泊2日

写真は朝食のハイライト。じつは「ENOWA YUFUIN」では養鶏も手掛けており、朝食では産みたての卵をいただくことができます。この日は青みがかった「アローカナ」か赤い卵の「もみじ」を選ぶことができました。「アローカナ」は目玉焼き、「もみじ」はオムレツでいただきます(左上の写真は「アローカナ」の目玉焼き)。左下は特派員から絶賛の花かごのようなかぼちゃのスープ。バジルソースがきいていて、軽やかでもたつかず、飽きのこない優しい甘さのスープでした。右下は朝から恍惚に浸ってしまう絶品のデザート、バナナとラムのクレープ fujingaho

2日目の朝食後、チェックアウトの前には座談会を開催。10名で集合して1泊2日の滞在について意見を交換しました。まずは「エノワ ユフイン」の設備や畑に関して。「農場主導という言葉の印象から、まさかここまで洗練されているとは思わなかった」「高級感があるのにアットホームでリラックスできる空間だった」と、よい意味で想像を覆されたという声が聞かれました。

食に関しては「旅行することが多いけれど食べ疲れしやすい」という人も、今回は野菜中心で体への負担を感じず過ごすことができたようです。また「旅先で誰がどのように作っているか、その食の源に触れることができるのは貴重な体験」という声も。「畑の野菜がどのように料理として表現されるか知ることができたのは大きな学びだった」と語る人もいらっしゃいました。

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いわゆる“オーベルジュ”とは少し違って、畑を主役に楽しむ「エノワ ユフイン」。今回の特派員の皆さまもそうでしたが、食への関心が高く目の肥えている方こそ、その価値に共感を寄せてくださるようです。

そして、今回の特派員の10名うち6名は親しい友人同士の参加。「また次にここに来るときも価値観の合う友人と来たい」と皆が口を揃えました。大切に育てられた野菜、畑と食がつながる感覚、その魅力を分かち合うことができる相手と訪れることは、旅の満足度に直結するといえるでしょう。

さらに特派員10名のうち3名は「次に来るときは母を連れてきたい」とおっしゃっていました。お母さまとのんびりと温泉に浸かり、体が喜ぶものをいただく旅。そのスタイルはまさに「エノワ ユフイン」が得意とするところ。

敷地内のヒルトップにあるスパ「ENOWA リゾート スパ サガン」は2025年7月にオープン。このスパからは絶景が望めます。スパでは「スイス・パーフェクション」を使用したフェイシャルやボディのトリートメントを受けることができます。スパにはこの景色を満喫できるサウナを併設。そして足湯もあります fujingaho
写真は朝6時頃のスパからの眺め。由布院の町にうっすらと霧がかかり、運がよければ濃密な雲海を見ることもできるそうです fujingaho

これからの季節は温泉もトップシーズンです。次の旅はぜひ「エノワ ユフイン」へ。野菜や畑が主導の新しい食の体験にお出掛けください。

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