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RIZAPグループ、湘南ベルマーレに関する“一部報道”に声明 「誤解やご心配をおかけしてしまったことを深く反省」

  • 2025.12.9

今季J1で19位となり、9年ぶりのJ2降格が決まった湘南ベルマーレ。週末にシーズンの全日程を終えたばかりだが、その周囲が騒がしくなっている。

発端は、過去にクラブの取締役会長を務めた経歴を持つ、神奈川県平塚市出身の自民党衆議院議員、河野太郎氏が11月28日に行ったXでの投稿だ。

「今、『責任ある積極財政』を一番必要としているのは、ベルマーレです。J1でダントツに小さい予算で長年がんばってきましたが、移籍金をあてにして予算を組むのはもうやめるべき。増資を引き受けて責任の一端を担って支えてくれる企業をみんなで探して、再来季を目指した投資を実現しよう」

現在の高市政権が掲げる「責任ある積極財政」が、湘南ベルマーレにも必要だとした河野氏。

すると、クラブは翌29日に新たな役員人事を発表。塩田徹氏(RIZAPグループ株式会社の専務取締役)が新たに代表取締役会長に就任するなど、責任企業であるRIZAPグループの影響力が強まる新体制が明かされた。

そうしたなか、RIZAPグループは12月9日、『湘南ベルマーレに関する一部報道についてのご説明と今後の方針』と題したリリースを発信。クラブの財務などに関する一部報道がファン・サポーターや地域に懸念を与えていることを謝罪し、現時点の事実と見解を公表した。

まず、クラブがRIZAPグループに複数回の貸付を行った報道について事実と認め、2025年3月期には当初の2億円投資に加え、トレーニング環境整備やDX支援などの業務委託による現物支援を実施したと説明。さらに2月に債務超過の危機が生じた際には約8,000万円を追加投資し、J1クラブライセンス維持に貢献したとした。

一方、余剰資金を一時的にRIZAPグループへ貸し付けた件については、財務基盤に問題はなく、クラブに有利な金利(3~10%)を設定し利益に寄与したと強調。RIZAPグループの財務基盤も安定しており、貸付はいずれも翌月全額返済され、手続き自体も取締役会決議と監査役確認のもと適正に行われたとした。

ただし、説明不足だったことに関して、「誤解やご心配をおかけしてしまったことを深く反省しております」と語り、今後は透明性を高めるとしている。

経営体制に関しては、J2降格を受けた状況を踏まえ、J1復帰への覚悟として親会社が責任を持ち経営体制を改めたものであり、前経営陣の功績には敬意を表すると説明。監督人事はクラブ側の判断であり、RIZAPグループは関与していないと明言し、今後もクラブの自主性を尊重しつつ支援を強化する姿勢を示した。

また、クラブのスポーツ評議会からの資本強化やブランド戦略などの提案は真摯に受け止め、まずは親会社として数億円規模の資金強化を行い、J1早期昇格に向けた基盤を整えると表明。スタジアム整備についてもクラブ・自治体と連携し前進させる方針を示した。短期的な選手売却に頼らず、強いチーム作りを通じた持続的収益モデルへの転換も進めていくという。

最後にRIZAPグループは、ファン・サポーターや地域に向けて以下のようなメッセージを送っている。

「湘南ベルマーレは、地域に根差し、挑戦し続けるクラブです。湘南ベルマーレが大切にしてきたものを胸に、皆様と共に必ずJ1の舞台に戻れるよう最善を尽くしてまいります。そのために親会社としての責任を果たし、クラブ経営を強化し、現場を全力で支え、勝てる組織へと再び進化させてまいります。これからも地域の誇りであり続けるクラブを、皆様と共に築いてまいります。変わらぬご声援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」

中田英寿や遠藤航など、日本代表の中心選手を輩出してきたことで知られる湘南ベルマーレ。今回のJ2降格を受けて、クラブがどのような方向に歩みを進めていくのか。今後も注目していきたい。

筆者:奥崎覚(編集部)

試合だけでなくユニフォーム、スパイク、スタジアム、ファン・サポーター、カルチャー、ビジネス、テクノロジーなどなど、サッカーの様々な面白さを発信します。現場好き。週末フットボーラー。

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