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物価高は続く見込み。持っているお金「どう使う?」FP・井戸美枝さんに聞く【2026年お金予報】

  • 2025.12.9

物価高は続く見込み。持っているお金「どう使う?」FP・井戸美枝さんに聞く【2026年お金予報】

食品から光熱費まで、幅広く物価高となった2025年。「2026年も、引き続き物価高は続くでしょう。発想を変えて、持っているお金をよりよく使う方法を考えるのが得策です」と言う井戸美枝さんに、今を充実させ楽しく過ごすお金の使い方を伺いました。

井戸美枝さん ファイナンシャル・プランナー、社会保険労務士

いど・みえ●国民年金基金連合会理事。
専門は、生活に身近な経済問題、年金・社会保険問題。
雑誌や新聞で連載をもち、「難しいことをわかりやすく」がモットー。
『ひとりで自分資産はつくれる 52歳からお金を貯める・増やす』(主婦の友社)、『ゼロ活~お金を使い切り、豊かに生きる!』(扶桑社)など著書多数。

物価高は続く見込み。持っているお金を「どう使うか」がカギ

帝国データバンクによると、2025年に値上げした食品は2万381品目にも。食品以外に光熱費なども軒並み上昇して、家計には厳しい一年になった。

ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんは、「物価上昇の原因である原材料費の高騰や異常気象、人手不足、円安などがすぐに解消するとは思えません。高市新政権は物価高対策を第一に掲げていますが、先行きはまだ不透明です」と、話す。

雇用・賃上げも促進される予想だが、恩恵を受けるのは現役世代。ゆうゆう世代には、さほど関係がなさそうだ。

「でも、落ち込まなくて大丈夫。年金はある程度物価に連動して上がりますし、急激に減るわけでもありません。子育てを終え、仕事も一段落したゆうゆう世代のこれからは、自分の人生を思う存分楽しむ時間。周囲の状況に一喜一憂するより、インフレ前提で生活費を見積もりつつ、自分の年金や資産をどう楽しく使うかを考えましょう」

TOPICS

基準額の引き上げでより働きやすく

65歳以降、厚生年金に加入し働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、賃金と年金の合計が基準額を超えると、年金が減額・停止になることがある。これを「在職老齢年金制度」といい、2026年4月より従来の基準額の月51万円から62万円に引き上げに。「基準額は、賃金の変動に合わせ毎年度見直される予定」

2026年、ゆうゆう世代の家計はどうなる!?

物価高が続き、金利も上昇しそうな2026年。「必要な対策をとることは大切ですが、不安ばかり増幅させては生活が楽しめません。心が弾むことを見つけて、段取りよくお金を使いましょう」

インフレ時代の今、ゆうゆう世代にできることは「いかに楽しく、 段取りよく」使うか

人生100年といわれる時代、「先は長い」と思いがちだが、ゆうゆう世代に残された元気に動ける時間は、さほど長くない。

「限られた時間を『インフレで老後資金が足りないかも』『物価がこれ以上、上がったら……』などと、自分ではどうにもできないことで悩むのはもったいない! 心が弾むこと、好きなことだけにお金とエネルギーを向けましょう。年金や資産を楽しく、段取りよく使うにはどうすればいいか、プランを立ててみて」

「子ども・子育て支援金」の導入で健康保険料の負担がアップ

2026年度から少子化・人口減少への対策として、「子ども・子育て支援金制度」が実施される。

「支援制度は、児童手当の拡充、妊娠・出産時の給付金、乳児等のための支援給付など、段階的に充実させる予定です。その財源として、26~28年度にかけて、健康保険料に加入者1人当たり月額450円程度が上乗せに。夫婦2人で、年間1万円程度負担が増えると考えておきましょう」

住宅ローンが残っているなら繰り上げ返済を検討して

変動金利型の住宅ローンを組んでいる人は金利上昇に注意!

「残債が多いなら、貯蓄から老後に必要なお金をとりおき、余剰金があれば少しでも繰り上げ返済をしておくと安心です」

返済の余裕がない人は、家計を見直し貯蓄に励むといい。

「金利は急激には上がらないので、今から少しずつ貯めて、金利上昇のタイミングで繰り上げ返済をすれば返済額の上昇を抑えられます。貯蓄が少ないのに繰り上げ返済をして、『負債はないけど、老後資金もない』という事態は避けて」

イラスト/あらいのりこ

※この記事は「ゆうゆう」2026年1月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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