私に憧れ…？　久しぶりに再会した姪っ子の言葉に動揺した話

2025.12.9

熟年離婚をしたい気持ちはあっても「今さらしたところで……」と諦めている人も多いと思います。夫婦関係は冷め切っていて幸せとはいえない毎日でも、唯一の支えとなってくれる人がいれば安心ですよね。そんなときに意外な人物との再会がきっかけで、人生が変わることもあるようで？今回は、久しぶりに再会した姪っ子の言葉に動揺した話をご紹介いたします。

主人公・小坂井愛子は節約が趣味の51歳の主婦です。子どもはおらず、夫の延人と2人で暮らしていますがあまり家には帰ってこないため、一緒に暮らしているとは言えない生活を続けています。そんな生活でも寂しくない理由は、双子の妹・結子がいてくれるから。結子とはずっと仲が良くて、今でもお互いの家を行き来するほどの関係性です。いつものように他愛もない会話をしていると、結子に「やっぱり離婚はしないの？」と聞かれた愛子。愛子には、離婚したくても踏み切れない理由があります。
愛子と延人の出会いは25年前。喫茶店でアルバイトをしていた延人に一目惚れした愛子が、店に何度も通ってデートに誘い、延人から告白をされて付き合うことになりました。その後、スピード婚をした愛子でしたが、それが地獄の始まりになるとは想像すらしていませんでした。結婚してすぐ、延人の浮気が発覚。さらに借金をしていて、返済のために愛子のブランドバッグを勝手に売ってしまうなど、延人の本性を知った愛子は離婚を切り出します。延人はこれまでに見せたことのない顔で「お前みたいな鈍臭い女、俺と離婚したらもう誰とも結婚してもらえないと思うぞ」と冷たく言い放ちました。さらに延人は、愛子と結婚したのは「自分のために一生働く女が欲しかったからだ」と言います。
そんな大きなショックを受けた愛子の異変に気づいたのは結子でした。愛子が事情を話すと、結子は激怒。離婚を勧められますが、愛子には別れることができない理由がありました。一つ目は、自分の離婚歴が結子の結婚に影響するのではないかということ。二つ目は、延人に言われた言葉通り、一生一人になってしまうのではないかという恐怖と不安があること。愛子はこれらのことが引っかかって、離婚に踏み切れずにいました。
その後、結子は結婚し出産。結婚を機に引っ越してしまい、その寂しさから喪失感に襲われた愛子は、自己肯定感も下がりどんどん塞ぎ込んでいきました。それなのに延人は、さらに借金を作ったり不倫相手と堂々と遊ぶようになったりと、遊び呆けているだけ。
気づけばそんな生活が25年も続いてしまっていたある日、引き出しの中に離婚届があることに気づいた愛子。その離婚届は、昔結子にもらったものでした。結子は離婚を強く勧めましたが、結局その選択をすることはなかった愛子。
そんなことを思い返していたとき、結子から電話がかかってきて一人娘・セナの相談を持ちかけられました。セナは現在の仕事を辞めて、洋服の専門学校に通いたいと言い出したようで、愛子に意見を求めます。愛子は「人生なんて一度きり」「好きなことをしなきゃ損」とアドバイスをしますが、自分が発した言葉でハッと気づくことができ……。