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ミシュランの味を、新しいコンラッドホテルを満喫!「体験」を楽しむシンガポール2025年最新情報

  • 2025.12.9

好きな季節に、な~んにも気にせず一週間くらい休暇がもらえて「好きなところに行ってきていいよ」と言われたら……あなたはどこへ行きますか? 「絶対、ハワイ!」「韓国でコスメとグルメ三昧!」「北海道で海鮮三昧!」「みんな親切だし、台湾かな~」「地元に戻って友だちに会いたい」「京都でお寺めぐりしたい!」……国内外問わず、癒やされる場所って人それぞれ、ありますよね。
 
私は、シンガポールなんです。約15年前、当時話題だった新しいラグジュアリーホテルに友人とミーハー魂全開で訪れてすっかりハマってしまい、以降友人とも、ひとりでも、何度も行きました。夜景がきれいで、植物がきれいで、街が清潔で、食べものが口に合って、ゴミのポイ捨てとか違法なことの罰則がめちゃめちゃ厳しいところも「あら、私と一緒♡ 正義感満載でいいじゃない♡」と、妙~に気に入ってしまったんです。

シンガポールって、国土は東京23区と同じくらい=めっちゃ小さい! マレー半島の南端という場所は世界中の列強国にとってもあまりにも魅力的で、イギリスの植民地だった時代などを経て、シンガポールとして独立後は貿易などで栄え、今やアジア有数の経済ハブになりました。東南アジアの貿易の中心のため、珍しいものがここに集まり、ハイブランドの店舗には日本で見たことのないバッグやシューズが並んでいます。15年前は日本円のレートも1ドル60円台だったりしたため、30代のファッション誌編集者だった私にとってはお買いもの天国でした。
 
2025年の秋、1シンガポールドルはだいたい120円前後。通っていたころの倍じゃん! と思いつつ、 世界最大級のホテルチェーンであるヒルトンと、カードを持ってるだけでステータスシンボル♡ なアメリカンエキスプレスが主催のシンガポール取材旅行にお声がけいただき、7年ぶりに訪れてきました。宿泊したのはヒルトングループの中でもラグジュアリーブランドである【コンラッド・シンガポール・オーチャード】。これが! 最高にアガった! 今回はこちらのホテル情報を中心に、2025年のシンガポールの楽しみ方を、ちょっとだけ通ったことがある身として僭越ながらご提案いたします。

シンガポール旅行を計画する際、最優先すべきは絶対に、ホテルだと断言します。あちこち観光したい方、目的地がある方はアクセスを重視でもいいかもしれませんが、先述したとおりシンガポールってめちゃ小さい国なので、行きたいところがあればぶっちゃけタクシーに乗ればそこそこすぐに着いちゃいます。なので「ホテルから一歩も出なくても後悔しないかも」なホテルを選ぶべきなのです。夜景がいい、プールがいい、いろんな判断基準がありますが【コンラッド・シンガポール・オーチャード】にはズバリ「ここでしかできない体験」がたくさんありました。

ミシュラン獲得の中華『SUMMER PALACE』に感動

若いころならあちこちの食堂に出向いてグルメ探索もいいでしょうが、大人のシンガポール旅行では「満腹になったあと、すぐゴロゴロしたい」=ホテル内で満足できる食事をする必要があります。もうね、知らない土地で地図アプリ見て迷子になりながら毎晩夜ごはんとか、しんどいのよ。せっかくいいホテル泊まってるんだから、ここにあってほしいのよ、特別に美味しいものが。
 
【コンラッド・シンガポール・オーチャード】には、2025年もミシュラン一つ星を獲った広東料理レストラン『サマーパレス(SUMMER PALACE)』があります。ここはもともとリージェント シンガポールという名で営業していて、オーナーの意向でヒルトンが運営することになり2023年にコンラッドホテルに生まれ変わったんですが、サマーパレスは引き続き営業。ディナーをいただいてみて納得です、そりゃあこのお店なくなったら暴動起きちゃいますよ、素敵すぎるんだもの!

サマーパレスは漢字にすると夏宮なんですね。

ホテルの3階。建物は中心が吹き抜けのつくりになっているので、なんとも開放感があります。

ジャスミン茶でのどを潤しましょう、って、このお茶の時点で美味しい♡

私たち取材チームは前菜、2種類から選べる漢方スープ、北京ダック、お魚、海鮮稲庭うどん、そしてデザートのコースをいただきましたが、まあ楽しい! 美味しいのはもちろんですが、楽しいんです、ここのお食事!

ウェルカムフード的なマンゴーとカボチャの酢漬けと、エビとヤム芋の団子は、お品書きにも記載されていませんが指先ほどの小ささ。「ああ、私たち繊細な仕事も得意ですよってことですね」と、期待で胸が膨らみ、むしろお腹は空いてきます。

前菜がいきなり肉なのよ。奥からバーベキューイベリコ豚、真ん中はカリカリに焼いたポークベリーにキャビアをのっけたもの、右はカリカリに焼いた子豚だそうです。

ひとくちでいただけるサイズなのですが、ほどよい塩味、まったく臭くないキャビア。口の中でカリっと音がする豚の皮が美味でした。

実は到着するやいなや「美肌スープ、活力スープ、どっちがいいか具材から選んで」と提示された原材料がこちら。手前の美肌スープは干し貝柱やツバメの巣、フカヒレなどが入ります。奥の活力スープは干したアワビやナマコ、マカ、鹿のアキレス腱などが入るそう。女性誌編集者としては絶対に美肌スープを選ぶべきですが、即決で活力スープにしてしまいました。

到着した活力スープがこちら。おお、スープが黒い! ごろちんりょとアワビがまるごと入っていました。贅沢~!そして漢方スープなのに食べやすい~!

さっき豚の皮が美味しかったばっかりなんですが、今度はアヒルの皮を食べさせてくれるそうです。そうです北京ダックです!

皮だけ、お肉つきと目の前で切ってくださった北京ダックに、包むクレープとか添える野菜とかアレコレ運ばれてきました。広東料理のこの贅沢な感じ、たまりません。

甘いお味噌のソースにきゅうり、ネギを載せて。そして私、人生でちょこちょこ北京ダックをいただく機会はあったんですが、こちらではサクサクする謎の具材もついてきて、これがなかなかにいい仕事をしていました。

これこれ。サクサクするの。北京ダックがちょっとスナック風に食べられて、お若い方にはとくにいいかもしれません。

海鮮稲庭うどん麺という、あんかけ麺的な独創的なお料理をいただいたり。

サマーパレス専用に醸造されたジンをキュッと飲ませていただいたり。

そして、デザートで出てきた紫イモの揚げ団子的なやつ、これが、やばい!

カスタードのようなものが中に入っているのですが、外はサクッと、おいもの自然な甘みとクリームで中はむにゅっとやさしい甘さ。あまりの美味しさにびっくりしていたら、通りかかった料理長が「それ、日本人好きなんだよね~」とおそらく広東語でおっしゃっていました。

マンゴーのデザートも文句なしよ!

コースのメニューは季節によって変わり、だいたいひとり188~888シンガポールドルで展開しています。もちろんアラカルトでもいただけて、和牛にんにくチャーハンなんかは48シンガポールドルほど。ホテルレストラン価格といえばそうですが、ここ、ミシュラン獲ってますからね? ベジタリアンやグルテンフリーメニューもありました。せっかく【コンラッド・シンガポール・オーチャード】に泊まったなら一度は訪れたい名店です。ご予算と食べたいものによって選んで、予約をして訪れるようにしましょう。

カクテルを樽で熟成!バー『MANHATTAN』で特別な時間

近くのコンビニでビールなんかを買ってきてお部屋でのんびり飲むのももちろんアリですが、素敵なホテルに泊まったら大人として絶対チェックしておきたいのがそのホテルらしさを体現する、バーでしょう。アルコールが苦手な方はご無理なさらずですが、イケるクチな方はもうマストで行きましょう、『マンハッタン(MANHATTAN)』は!

自分のスマホで撮ったとは思えないムーディな空間。

【コンラッド・シンガポール・オーチャード】の2階に位置する『マンハッタン』は「世界のベスト・バー50」に選出され、ホテルバーとしては世界初のバレルエイジング専用ルーム、リックハウスを持つ、まさに「ここに泊まっているなら、行かないわけにはいかないでしょ!」なマストアドレス。店名と同じマンハッタンというカクテルが有名です。ホテル1階のショップでもこちらのカクテルを買うことができ、ルームサービスでもオーダーすることはできますが、行かないと。現場に行かないと! だって超~素敵なんだもん!

スパイシーなポップコーンがおつまみ。謎に美味しくて、わりとお腹ふくれていたのにすごく食べちゃいました。

バーテンダーも皆様イケまくりで、目の前でシグネチャーカクテルを作ってくださる様子はまさにショーです。終始ご案内してくださったザナさん。スーツの着こなしも、マドラーを扱う手先ひとつをとっても美しいったらありゃしない。

テイスティングセットはこの日は左からシグネチャーカクテルのマンハッタン、真ん中はなぜかチョコレートの香りがするジャスフェスト、右はバーボンを用いたブールヴァルディエ コードでした。カクテルってこう、ぐびぐび飲めない強い味と香りがカクテルたるゆえんだと思うので、ちびちび味の違いを比較しながらあーでもないこーでもない言うのは楽しい! そして気がついたら酔っぱらってたよね!

そして、実は『マンハッタン』は『Conrad 1/3/5』プログラムを提供中。私たちはコチラに参加したんです。『Conrad 1/3/5』とは、コンラッド・ホテルズ&リゾーツが提供する、1時間、3時間、5時間の時間枠で現地の文化や体験を深く味わうことができるプログラムのこと。もちろん有料ですが各ホテルが独自に、現地の文化、アート、グルメ、冒険などを組み合わせたユニークな体験を提案していて、使える時間に合わせて選ぶことができます。
 
【コンラッド・シンガポール・オーチャード】は……2024年にリブランドしたばかりでスタッフも気鋭の方がきっと、揃っているんでしょうね。『Conrad 1/3/5』の内容が、かーなりイケてるんです!

ホテルの中で、樽で、今日も明日もカクテルを熟成しているんです!

まず、『マンハッタン』の『Conrad 1/3/5』プログラムは3時間コース。バレルエイジング専用ルームのリックハウスへの特別アクセスと、ガイド付きテイスティングがついています。
 
バレルエイジング=樽熟成ですから、要するにシグネチャーカクテルのいくつかは、このバーの中で、樽に入れて熟成させたものを提供しているんです。カクテルって熟成させるものなの? と無学な私は思ったのですが、混ぜたばかりのカクテルと、2カ月ほど熟成したカクテルを比較試飲させていただいたら、味の違いは素人の私にも明白! 樽のウッディな香りがカクテルの味をまろやかに、丸くしているのが、明らかに分かるんです!

こちらが比較用の試飲セット。

東京・麻布十番にある名店TOKYO CONFIDENTIALのメンバーもここを訪れたことがわかるサインを発見。え、これ「バー業界でもっとも影響力がある人物100人」に選出されたホリー・グラハム氏のサインってこと……(震)?

そして、ありますマンハッタンにもカーテンの奥に隠された秘密の小部屋が。『East47』という、限られた人しか入れない、斬新なカクテルを作ってもらえる空間です。うわあ、いつかプライベートで行ってみたいよー!

さらに、バーの中には実験室のような空間も。ここでは世界各国の貴重なお酒や、新たな味を求めて試作&熟成中のカクテルが陳列されています。

ウイスキーとマンハッタンを2015年5月24日に混ぜたものを熟成させているよってことかな…? え、10年も熟成させているの?

さらにこのプログラムの参加者には、最後にシグネチャーカクテルを瓶詰めして、蝋でシールドしてお持ち帰りさせてもらえるサービスも♡ ラベルに日付やメッセージを入れ、世界に一つだけのマンハッタンが完成するのです。もったいなくて飲めるかしらー!

私は大変に和風なメッセージを記載してみました。

わーい! 体験プログラムでおみやげもらえるのって、いくつになっても嬉しいよー!

お酒が好きならたまらないプログラム、ぜひ体験してみてくださいね。ちなみにここ『マンハッタン』ではニューヨーク ホットドッグも名物。ひとつ24シンガポールドルです。ソーセージにベーコンチップ、ハニーマスタード風味のアリオリソースが織りなす小ぶりながら情報量満載のお味は、わざわざ他ホテルから食べにくる方がいらっしゃるという話もうなずける確かなものでした。お腹に余裕がある方はぜひご賞味ください。

アリオリソースを追いかけしながらいただきましょう。酔ったアタマでもセンターにチーズ的なものがそっと挟まれていた、お味の複雑なハーモニーは理解できました。

部屋が、インテリアが爆イケ

ホテルロビーの一角。オリエンタルなムードで旅情をかきたててくれます。

シンガポールでのホテル選びは「ホテルから一歩も出なくても後悔しない」ことが条件と言い切るからには、お部屋の仕上がりには厳しくありたいと思っています。が、【コンラッド・シンガポール・オーチャード】は2024年にリブランドしているため、建物は変わっていないものの、ベッドや水まわりのシステム、空調の使いやすさなどなどが現代的! やったー! いや、歴史があってステキなホテルって、「どうやって空調の調整をすればいいんだ」って四苦八苦すること、ありません? それがない! 一番ベーシックなお部屋でも35平米あるので「こりゃ、寝るだけのホテルだな」という憂き目には、おそらくどなたも遭わずに済むと思われます。キングスイートルームなんて210平米もあり「そうだった、ここはコンラッドだった」と、自分のおでこをぺちんと叩きながらラグジュアリーホテルのラグジュアリーたるゆえんを痛感することになりました。
 
我々は取材で訪れているので、お部屋のアレコレを見せてもらえました。宿泊をご検討の方が気になるであろうポイント、ご紹介しておきますね!

じゃーん、35平米のエグゼクティブルームがこちら。ひろびろ~!

アメニティは歯ブラシからソーイングキットまでフルラインナップ!

スリッパはフカフカのタイプです。コンラッドだもんね。ぺらっぺらなワケないよね!

コーヒーなどを淹れられる室内のバーエリアにご注目。飲用水は蛇口をひねれば出てきます。

シンガポールといえば! なTWGのお紅茶ももちろん完備。

個人的に嬉しかったのがこの空調システム。マークで記されているので言語を問わず「ああ、こうやって温度調節すればいいのね」と分かります。世界中のホテルがマネしてくれたらいいのに!

カーテンやライトも同様。どのボタンを押せば開くんだろうとアワアワしないで済みます。

2025年だよなあと思ったのが電気関係。日本の家電のACも挿せますし、USBケーブルも使えますし、スマホを無線で充電もできます。

置くだけでiPhoneを充電中! ありがとうコンラッド!

お風呂のアメニティはサステナブルなボトル設置。ブランドはバイレードです。ユニセックスな香りで人気ですよねえ、バイレード。

そして、コンラッドで語らないわけにはいかないのがバスローブについてです。売ってたら買いたいんだけどなと思うほどいいんですよねえ。

お分かりいただけますか? 表地はツルツル、肌に触れる裏地はタオルっぽい素材で、なんとも快適な着心地。パジャマを持参する必要はありませんでしたね。

環境保護の観点からアメニティをカットしているホテルも増えている昨今、もちろんシャンプー類や飲料水のペットボトルをカットするなど持続可能性には配慮しつつ、必要なものやおもてなしは妥協しない。リニューアルしてコンラッドを名乗るには一定以上のかなり厳しい条件を満たさないといけないそうですが、いやー、快適。やっぱり快適。実は個人的に、コンラッドというホテルブランドが超がつくほど好き、というか、相性がいいのかバリや東京でもいい滞在した記憶しかないんですが、シンガポールもお見事でした。

ちなみにキングコンラッドスイートのお部屋がこちら。こんな部屋に住みたーい!

謎の睡眠リチュアルが効果バツグンだった件

そして、個人的に一番アツかったのがコレ。「枕が変わると寝つきが悪くなる」方って一定数いらっしゃると思われ、「どこでも快眠」な方はこのセクションを飛ばしていただいて結構なのですが、私……ちょっと睡眠に難がありまして、旅先では基本的に、眠れないタイプ。飛行機はもちろん、ホテルでも全く眠れないこともあります。それゆえ旅行の後半はちょっと顔色悪くなりつつ無理して楽しんでることも多々なんですが、今回は……、眠れたんです! それがこちら、テレビをつけたら真っ先に表示されている、『SLEEP-TO-WAKE RITUAL』の底力なのかもしれません。

テレビをつけるとチャンネル案内やレストラン案内とともに「Sleep-To-Wake Ritual」メニューが表示されています。

なんでしょうね、【コンラッド・シンガポール・オーチャード】の担当者の方も不眠症ぎみなのかな? サービスというより、執念に近い何かを感じたんです。ベッドはほどよく硬く寝心地最高で、枕についても実は「合わなかったら、合うまで変えてやろうかホトトギス」的なメッセージが残されていました。夕方にお部屋に戻り飲料水を汲みにいくとおや、さっきはなかったお茶が置かれていますよ。

初日の夕方、そっと置かれていたティーバッグとメッセージ。要するにハイビスカスやレモングラスのお茶で、寝つきがよくなる配合をしてあるホテル独自のお茶だから、飲みなさい。眉間とかマッサージしてリラックスしなさい。ということですね。

そしてバスルームにもなんだろう、使い方がわからないバスボム的なものがそっと置かれているのです。バスタブがないお部屋なのですが、バスボム? これはどうやって使うんだろう?

これも夕方部屋に戻ったら、ちょこんと置かれていたのですね。

タンジェリンとかマジョラムとかイランイランとかのシャワースチーマーだそうです。

ちょこっと濡らしてシャワーブース内の水があまりかからないところに置いておくと、香りが充満していい感じになります。私は香りをダイレクトに感じてみたくて足元に最初置いてみました。わざとらしさのない、セージなどのいい香りがしました。

そしてテレビをつけると、わりとすぐ選べるところに『SOUND BATH』というメニューが。サウンドバスってなに? 音の風呂?

なんだろう、このマーク。

ほわわわわわ~~~~ん! サウンドバスとは、クリスタルボウルやチャイムなどを用いて奏でる瞑想なんかにいい音楽体験のこと。このホテルオリジナルの動画が、エンドレスで流れるのです!

若かりしころ、睡眠障害の診断を下されたこともある私。ここだけの話、旅先での平均就寝時間は深夜3時くらいです。体力の限界まで眠れないんです。で、試しにこのサウンドバスの映像を夜22時ごろからずっと、つけっぱなしにしてみたんです。お風呂に入ったり、その日の取材内容をまとめたり、アレコレアレコレしているうちにあれ……ちょっと眠くなってきたかも……明日朝の目覚ましセットしておかなきゃ……アレ……まぶたが……と、超珍しく0時ごろには眠りに落ちました。

正直、恐れ入ったため帰国後も限りなく近い方向性のサウンドバスの動画をYouTubeで探して、毎晩流しっぱなしにしています(影響され過ぎw)。しかし【コンラッド・シンガポール・オーチャード】のこの、「お客様を絶対に眠らせるぞ!」という強い意志、しっかり受け止めました。「旅先だと眠れないのよね」という方はもう、無条件でここに泊まってください。

朝食バイキングが祝祭レベル

ホテル選びのマスト要件とは私は言いませんが、朝食が素敵だとホテルの満足度って、爆上がりします。普段、自宅ではたいして朝食を食べる習慣もないくせに、旅先だとこれでもかとガツガツ食べてしまう小市民気質でお恥ずかしいのですが、ご安心ください、ここはコンラッドです。基本的には2階にある『バジリコ(BASILICO)』というイタリアンレストランで、朝食バイキングをいただくのがいいかと思われます。

こちらがバジリコの入口。あ、お部屋のスリッパなどで訪れると「それはアカンで」とたしなめられるのでご注意ください(たしなめられている方を目撃しました)。

『バジリコ』はオールデイダイニングなので、朝も昼も夜もビュッフェ形式で楽しめます。ずっとホテルでのんびりしたい方はきっと、何度もお世話になることでしょう。ちなみに木曜日の夜はステーキが楽しめるそうですよ。なにそれ、わんぱく♡ 私は朝食でお伺いしてみました。

じゃじゃーん! 円形のつくりになっていて、どセンターにも外周にもシェフがいます!

点心を蒸しているシェフ、ヌードルを作ってくれるシェフ、オムレツ焼いてくれるシェフ!

イタリアンレストランと聞いていましたが、アジアンフード満載!

キヌアのサラダもあるんだけど、キヌアの量が! 多い!

切りたてのチーズのクオリティが大変に高かったことは記載しておきたいです。

パンがねー、これまたクオリティが高いのよ! とくにクロワッサン系。パイ生地を誰がどんだけこねてんだってくらい豊富!

朝から欲張って盛ってきました。手前の黄色いのはお豆のフムスなんですが、お味がしっかりしていて特別美味しかったですね。

そして! バジリコの朝食でマストなのがビーフヌードルスープです。絶対食べてください。

朝からこれでもかってくらい牛肉を盛ってくれます。

ちなみに、パンに添えたピーナッツバターやカヤジャムも絶品でした。

ジュースコーナーもビジュアルがいいのよ~! 中央付近の青い水はココナッツ味。東南アジアってブルーピー(バタプライピー)を多用しますよねえ。

フルーツもハズレなしの高品質! いいホテルって仕入れもいいのよきっと!

あー、腹パン。正直、ランチ要らないかもってくらい食べ過ぎてしまいました。朝から祝祭レベルのごちそうで大満足。あ、ちなみに、今回はヒルトンとアメリカン・エキスプレスが主催の取材ツアーだと申しましたが、この2社がタッグを組んで発行している『ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス®・カード』を持っているだけでこの朝食、1宿泊で2名分まで無料になります。それ以外にもいろいろおトクな特典があるのですが、話したいことが多すぎるのでそれは後述しますね。

『THE INTAN』体験メニューまでイケてる

そうそう。ホテル内の『マンハッタン』でカクテル瓶詰めなどができた『Conrad 1/3/5』には、ホテルを出て体験するプログラムもあるんです。ここ【コンラッド・シンガポール・オーチャード】では専門の樹護士の案内で植物について学べる『エディブル・ガーデン・ウォーク』や、チョコレートづくりを体験できる『クラフテッド・イン・カカオ』もご案内中。そして、我々取材チームが体験させてもらったのは、シンガポールに興味のある方にはたまらない、文化を学べる『リビング・プラナカン』です。

住宅街でひときわ目をひく、ザ・インタン。

コチラの舞台はホテルから車で30分くらいの住宅地にある個人邸宅を改装した美術館『ザ・インタン』。プラナカン文化とは、主にマレーシアやシンガポールに定住した15世紀以降の中国系移民と、現地のマレー系女性の間に生まれた子孫が育んだ、中国、マレー、そして西洋(主にイギリスやオランダ)の文化が融合したもののこと。中国の中でも南部にある福建省のエリアがの方が、そもそも出稼ぎ的にこの地にやってきて、定住した例が多いようですが、ひとくくりにはできません。そもそもプラナカンとはマレー語で「ここで生まれた子」を意味します。シンガポール人って、単一の絵や写真でそもそも、表現できないんです。いわゆるマレー系の方、中国系の方、アラブ系の方、西洋の方がここで暮らし家族になっていったので、「祖先は中国の方かな」「ご両親はインド系の方かな」という方もみ~んな、シンガポール人!

とってもエネルギッシュなアルビン・ヤップさん。実はアルビンさん、2025年に新しくなったシンガポール航空の機内安全ビデオにも、冒頭のほうで登場しています。ここ、ザ・インタンがロケ地のひとつなんです!

というわけで『ザ・インタン』のオーナー、アルビン・ヤップさんも中国系の方。若かりしころ自身のルーツを探究したくなって、プラナカン文化と言えるシューズや宝飾品、食器などあらゆるものをガレージセールなどで買い集め、自宅に並べていたら友人たちが「ちょっと、あなたのコレクション見せてよ」と訪れることが増え、別にいいよとウェルカムしていたらある日突然、噂を聞きつけた政府の役人が訪れて「すごいコレクションだねえ。ここを美術館にしたらどうかな?」と言われたんだそう。そんなことってあるんですね。

購入はできないのですが、売ってたら買いたいくらい可愛い食器が並んでいるんです。

身振り手振りを加えてプラナカンについて教えてくれたアルビンさん。ピアノも弾けます。

中国、マレーシア、インドにイギリスにアラブ……文化が混ざって混ざって醸成された色彩感覚が、生活雑貨のひとつひとつにも感じられます。

そんなアルビンさんのお話(日本語も少し、お分かりになるんです!)や、ご家族で作ってくださるプラナカン料理のランチ(絶品!)、繊細で精密過ぎるアートの塗り絵タイムなどなど、超貴重なプラナカン文化体験ができちゃうんです。どなたか企画したのかわからないのですが本当にセンスあるわあ、と思ってしまう無駄のない現代的な内容で、シンガポールがお好きな方には全力でオススメなんです。宿泊予約時にリクエストまたは3日前までにリクエストすれば体験できるそう(施設の状況により予約できないこともあります)なので、ご興味のある方はぜひ!

ザ・インタンの体験プログラムは基本的には5時間のコース。ランチもいただけます。

作っているのはアルビンさんのご家族。あちらにお見えになるのがアルビンさんのお父様です。お兄様のマチガイだと思ったのですが、お父様だと言い張っていました。お若いというか……プラナカン料理ってアンチエイジングにいいんでしょうか。がぜん食欲が増しました。

プラナカン料理を語る上で欠かせないルンダン。ビーフをココナッツミルクとスパイスで煮込んだものです。

アヤム・ブアクルアはチキンカレー的なもの。

バナナの葉っぱに包まれているのはオタオタ。魚のすり身のスパイシーなかまぼこ的な感じのものです。美味!

ブルーピーで色をつけたごはんに、各種料理を盛りつけてモリモリ食べるものだそう。食べ慣れないスパイスや調味料の組み合わせなどに驚きつつも、味つけはアジア料理なので日本人にも受け入れやすく、アルビンさんファミリーはたぶんお料理上手なんでしょうね、まあそれはそれは美味! お肉などの食材がいちいち「イイもの使ってるな」って感じなんです。

お食事のあとはアート体験タイム! この日はタイルにペンで色づけしてみましょう、という内容でした。あ、このタイルは記念にお持ち帰り可能♡ 自宅でコースター代わりに使っています。

おやつターイム!右は冷たいココナッツミルクに緑色のゼリーが入ったチェンドールでかき氷っぽさがあり、個人的に大好物なお味でした。左はカスタード味のもち米のケーキと、あずきとパンダンリーフの葉で色づけした緑色のゼリーがドッキングしたケーキ。見た目も可愛いし、味はやさしい!

でも、最後に供されたフルーティなお茶が、実は一番ぶっ飛びました。雑味がないこの強い紅茶の味をどうやって出しているのか、言葉が通じるなら聞きまくりたかったです。これ、もう一度飲みたい!

お腹いっぱい、胸いっぱい。悲しい歴史の話を聞かされてズドーンと落ち込むとかじゃなく、「これこれこういう経緯でプラナカン文化ってのが生まれたんだよー、あ、ごはん食べてねー」的な、友人の親戚のおうちにお邪魔したくらいの間合いです。可愛いもの見て美味しいものを食べて帰ってきた感。けれど、名前だけは知っていたプラナカンというキーワードを、目で、舌で、自然に理解させてもらえました。このプログラム、シンガポールを何度も訪れているなど、お好きな方には熱烈にオススメです。すごく充実していますよ。

おまけに部屋食もイケてる

そうそう、シンガポールののんびり滞在でおそらく活用する方も多いのが、ルームサービス。15年前に初めてシンガポールを訪れたころから、私もいいホテルのルームサービスを活用する習慣がつきました。基本的に小市民なので「割高じゃん」「えー、でかけて美味しいもの食べようよ!」と思ってそれまで旅して生きてきたのですが、一歩も歩かず部屋で美味しいもの食べて、洗いものもしないでお風呂入りたいときに入って、寝たいときに寝る。その贅沢と喜びを覚えてから、完全にクセになりました。

私は毎日でも食べられそうな好物、海南チキンライス一択です。シンガポールのあらゆるホテルのルームサービスでチキンライスを頼んで、味を比較して楽しんでいます。

頼んだ覚えはないサテ(チキン串)が前菜としてついてきました。ちょっと待って、前菜って量じゃないだろう。

チキンスープで炊いたお米、チキンスープ、そして茹でたチキン。鶏まみれです。幸せです。お味は比較的しっかりめで、お店によってはレアぎりぎりくらいの茹で加減のところもありますが、こちらはしっかり火が通っていました。お作りくださったのは『サマーパレス』です!

デザートのチーズケーキは、1階にあるイタリアンカフェ『ドルチェット』からご到着。

コチラのスイーツ、美味しいですよ……!

かなりしっとりめのチーズケーキで、甘味は強め。旅で疲れたからだに沁みます。

ジンベースのカクテルも注文してみました。おや、こちらのラベルはそうです、体験プログラムに参加した『マンハッタン』からご到着♡

氷もオレンジの皮も添えられていて、『マンハッタン』を訪れずともそのお味をいただけます! チーズケーキとカクテルの相性が非常によろしい。

広東料理『サマーパレス』のお料理と『マンハッタン』のカクテル、そしてホテル1階にあるカフェ『ドルチェット』のスイーツまで一気に楽しめる、まさに【コンラッド・シンガポール・オーチャード】の盆暮れ正月おまとめセットのようなお食事。く~っ、贅沢ぅ~! もう、こういうもてなしの大洪水、大好きです。個人的には「自分にご褒美」って言葉をあまり積極的に使うことはないのですが、このルームサービスって、まさにソレかも。

植物園もマーライオンもタクシーですぐ♡

シンガポールを訪れたら一度は行きたい植物園『ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ』。樹木を模した素晴らしい建造物であることは理解した上で、何度観ても「それにしてもアホみたいにスゴいもん作ったのう」と、シンガポールの方のとことんやっちゃう気概に、いい意味で笑いがこぼれます。

【コンラッド・シンガポール・オーチャード】はその名の通りオーチャード・ロード、いわゆるショッピングエリアにあり、ド中心というよりはにぎやかなエリアから徒歩10分程度離れています。それゆえ静かに過ごせて、買い物に行きたければほんのり散策すればOK。先述のとおりシンガポールは東京23区くらいのサイズなので、「マーライオンが観たい」とマリーナエリアに行くなら車で15分、「植物園のガーデンズ・バイ・ザ・ベイに行きたい」なら車で20分、「アモイ・ストリート・フードセンターで屋台メシ食べたい」なら車で15分程度です。親切なコンシェルジュの方にタクシー呼んでいただきましょう。あ、シンガポールのタクシー料金は日本よりもやや割安な印象。現金やクレジットカード、配車アプリはGrabが主流です。治安はわりといいと感じますが、深夜はタクシー料金も上がりますし、せっかく素敵なホテルに泊まっているんですから、深夜は施設内で楽しみむのがいいかな、と思います。
 

ガーデンズ・バイ・ザ・ベイまで車で20分!

シンガポールを訪れたら一度は行きたい植物園『ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ』。この写真、自分のスマホで撮ったとは思えないんですが、こんな絶景がいっぱい! ちなみに取材時は映画『ジュラシック・ワールド』とコラボしていて植物園内の各所に恐竜がいました。

マーライオンまで車で15分!

世界三大がっかり名所なんて不名誉な呼称もありますが、私はマーライオン、大好きです。

ちなみにシンガポールリバーの上流、クラークキーに船着き場があるリバークルーズのコースによってはマーライオンを正面から拝めるスポットに連れて行ってくれます。ナイトリバークルーズで私が撮影したマーライオンがこちら。夜も元気に、水吐いてる~!

アモイ・ストリート・フードセンターも車で15分!

ビジネス街にあり、お昼時は現地の方でごったがえす『アモイ・ストリート・フードセンター』はホーカーズ(屋台)料理が集合した施設。2階建ての建物に屋台がギッシリ入っているんです。そして、ここはミシュラングルメの宝庫。だいたい10シンガポールドル前後でランチ可能。

私は謎のエビとビーフンの蒸し物をいただいてみました。ごちそう続きで疲れた胃に染み渡るうまさ。8シンガポールドルでした。

「ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス®・カード」で体験を満喫!

冒頭で申し上げたとおり、今回の取材ツアーはヒルトンとクレジットカード会社のアメリカン・エキスプレスが主催。この2社がタッグを組んで「ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カード」という旅が好きな方にうってつけのカードを発行しているんです。

ざっくりいうと2種類あって、年会費16,500円(税込)のものと66,000円(税込)のプレミアムタイプがあり、詳細は割愛しますがある一定の額を1年間で使うと、翌年は世界中のヒルトンのホテルに、金曜日を含む週末に無料で1泊または2泊できる権利がプレゼントされます。変な話、一泊十数万円するホテルでも関係なく対象なので、「え、1年後には年会費なんか余裕で回収できちゃうじゃん!」状態。それ以外にも朝食が2名まで無料になったり、空き状況によってはお部屋がアップグレードされたり、アジア太平洋地域のヒルトンの対象レストランは25%オフになったり(2025年12月末まで)。「旅が好きで、ヒルトン・オナーズ会員(ヒルトンの会員制度のこと。世界中に会員がいる、トップクラスのロイヤリティプログラムなんです)なら……なんでこのカード持ってないの?」状態。
 
なーんでこんなに旅好きに優しいんだろと思い、アメリカン・エキスプレスの担当者の方にお伺いしたところ「旅を含む体験、を楽しんでいただきたいからです」なんだそう。そもそも、アメリカン・エキスプレスって運送業からスタートした会社で、その成り立ちは1848年にカリフォルニアで起こったゴールドラッシュ(金鉱が発見されて、世界中の人が金を掘るために押し掛けた事象のこと)まで遡るんだそう。金を掘るための道具などを安全に移送するサービスから、お金を安全に運ぶサービスへ進化し、その後旅行業を経て、クレジットカードを発行することになったんですってー。へー! 知らなかった! 「すっごいお金持ちがここのゴールドカードを持ってる、ステイタスシンボルな感じ」だと思ってたけど、そのステイタス感って信頼の歴史から生まれているのねー!

ニューヨーク州、バッファローで創立。

確かに7年ぶりにシンガポールを訪れてみて、ずいぶん変化したものや新しいトレンドを感じて、やっぱり訪れなければ味わえないものに出合って。旅っていいなあって再確認しました。準備の段階から久しぶりのシンガポールに心躍って、帰国してからもたんまり買い込んだおみやげを渡し歩きながら思い出を話して、ああ、また行きたいなあと、次の旅行計画に思いを馳せて……! 人生を楽しむうえで、旅って欠かせないものですね。もっと行かなきゃ!
 
「体験」を楽しみ、ホテルを楽しんだシンガポール。一点の曇りもなく、最高の体験だったと断言します。次もぜひ【コンラッド・シンガポール・オーチャード】に泊まると強く決意しつつ(※なんてったって、安眠できるので)、 今回のレポートが皆様の次の旅行計画の一助になれば幸いです。

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※本記事の情報は2025年10月渡航時のものです。1シンガポールドル=121円で計算しています。

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