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シマエナガを人気にした「ある写真家」のこと 冬が始まると思い出す【北海道のかわいい動物たち・写真5枚】

  • 2025.12.8

今週も インスタグラム「北海道3大かわいい動物」プロジェクト に寄せられたみなさまからのお写真をご紹介します。(2025年12月1日〜12月5日ピックアップ分)

今シーズンは豊作の予感!

Sitakke
撮影:takabouplan1120 さん

夏の間、山の奥の方で過ごしていたシマエナガのファミリーが、続々と人里に近いところへ、降りてきています。
「きょうの1枚」に選ばせていただいたお写真も、手を上げて「やあ、久しぶり!」って言っているかのようですねー。

この季節、写真仲間と出会うと、決まって「今年のシマエナガはどう?」って話になります。
去年は「今シーズンは、ヤバいかも…」なんて会話をしていたのですが、今年は「今シーズンは豊作みたい!」ってご意見が多数!

「シマエナガを見てみたい!」って思っていらっしゃる方、今シーズンは、チャンスですよー!

おそるべしモモの魔力とは?

Sitakke
撮影:poteko1107i さん

このお写真のキャプションに「毎回、同じような写真しか撮れないのに会いに行ってしまうモモの魔力よ」とありました。

そうなんですよね!エゾモモンガの魅力は、もう魔力といっていいかもしれません。
まだ明るいうちから、巣穴が見える場所で待ち構えていても、日が沈んでもまったく出てきてくれる気配なし!

「もう、暗すぎて撮影できないわ…」とあきらめたころに、ポコッと巣穴から、かわいい顔が現れます。
「ダメもと」でシャッターを押すか、撮影をあきらめて、ジッとかわいい姿を見つめるか…。

そんなことが続いても、またまた週末になると、日の出前や、夕方をめがけて、出かけてしまうのは、もう「魔力」なのでしょうね。
ウルウルの瞳を見つめているうちに「魔力」にかかってしまっているのでしょうね。

「忘れ物」が…森を育てる!

Sitakke
撮影:kakko_ay さん

ちょっと振り向いたエゾリスさん、カラダや顔がややふっくらとしていて、とってもかわいらしいですねー。

冬を前に、たくさんごちそうを食べて、カラダに脂肪をたくわえるとともに、クルミやドングリ・松ぼっくり・キハダの実など、1匹で3000〜4000個を集めて、土の中に埋めたり、木の穴に貯め込んだりと「貯食」にも余念がありません。

土に埋める場合でも、どこに埋めてもいいってワケではないようです。
木の根元のくぼみ、よく日の当たる場所、季節風の風下で雪があまり積もらない場所などをしっかりと見極めて埋めています。

しかも、あまりたくさんではなく、少量をずつ、あちこちに分散させて。
しかしながら、やはり春までに、3000〜4000個をすべて回収できるわけではなく、忘れられた木の実はやがて芽を出します。
エゾリスの「忘れ物」が、森を育てることにつながっているのですね。

不作が重なって試練の冬に…

Sitakke
撮影:naoco_2024 さん

きのうに引き続き、きょうも、かわいらしいエゾリスです。

冬に冬眠するエゾシマリスと異なり、エゾリスは冬眠をしません。
ビッシリと体毛が増えてふかふかになり、耳毛も伸びて、「衣替え」を終えたもふもふのエゾリスには、やはり雪が似合いますね。

きのう、冬の間に食べる木の実を、秋の間に3000〜4000個も集めるというお話をさせていただきました。
しかしながら先日、森にキハダの実(カレーなどの料理のスパイスに使うのです)を探しに出かけたのですが、まったく見当たらず、クルミやドングリもほとんどありませんでした。

札幌では、街路樹のナナカマドも、ほとんどが実をつけていないようです。
色々な木の実の不作のサイクルが、この秋、いっぺんに重なってしまったかのようです。

エゾリスたちにとって今年の冬は、試練の冬になりそうです。

冬が始まると思い出す…「ある写真家さん」のこと

Sitakke
撮影:tomo_z62 さん

くりっとした目、真っ白でふっくらとした雪だるまのようなフォルム、そして愛らしく首をかしげるポーズ。
シマエナガのお手本のようなお写真ですねー。

「こんな写真を撮ってみたいなー」って思う方が、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
日本じゅう、いいえ、もはや世界じゅうにひろがるシマエナガブーム…、それを巻き起こしたのは、写真家の小原 玲さんです。

小原さんは2021年の11月、まだ60歳の若さで、病気のため亡くなってしまいましたが、この季節になると、私は小原さんといっしょにシマエナガを撮影したことを思い出します。

小原さんはいつもこう言っていらっしゃいました。
「『かわいい』と思う気持ちは、いつしかその動物たちを『守りたい』という行動につながります。だから『かわいい』と感じることは、とっても大事なことなんです」と。

この「北海道3大かわいい動物プロジェクト」も、小原さんのアイデアから生まれました。
さて、小原玲さんは、なぜシマエナガを撮るようになったのか?

ご興味のある方は、WEBマガジン「Sitakke」の記事、「アザラシの赤ちゃんに、シマエナガ!ブームの火付け役となったカメラマン・小原玲さん」の記事をご覧いただければ幸いです。

◆文:インスタグラム「北海道3大かわいい動物」プロジェクト事務局 / ami_papa
1987年からカメラマンとして北海道の自然や野生生物の撮影を始める。アメリカのイエローストーン国立公園やカトマイ国立公園、デナリ国立公園での取材も経験。2020年から「北海道3大かわいい動物」プロジェクトを主催し、InstagramやSitakkeの記事で発信しています。

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