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エル・デコ インターナショナル デザイン アワード2026 日本版ノミネートを発表!

  • 2025.12.8
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初代デザイナー・オブ・ザ・イヤーに輝いたパトリシア・ウルキオラをはじめ、時代を代表するデザイナーたちがその名を刻むエル・デコ インターナショナル デザイン アワード(EDIDA)。2026年のミラノでの本選に向けた日本版のノミネーション15 部門と日本版独自の賞3部門、計18部門を紹介しよう。エル・デコ12月号より。

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Designer of the Year

大城健作

個々の文化に対する敬意をデザインに昇華

スクオラ・ポリテクニカ・ディ・デザイン卒業後、ミラノ、ロンドンでキャリアを積み、2015年にスタジオを設立。「ポルトローナ・フラウ」で手掛けた“レプリ”に象徴されるようにブランドの歴史や文化をデザインに反映し、素材の魅力を引き出すアプローチで知られる。

右 ©Erik Wåhlström

Young Design Talent

Kusheda Mensah(クシェダ・メンサー)

人間同士のつながりを感じさせる作品づくり

ガーナにルーツを持ち英国を拠点に活動。ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション卒業。イタリア語で“手のひら”を意味するプフ“パルマ”は、彼女の卒業制作をヘム社が製品化した。さまざまに組み合わせる過程で、新たな価値を生むモジュール家具が、他者との関係性について再考を促す。

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Interior Designer of the Year

Vincent Van Duysen(ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン)

彫刻的な建築と一体化したインテリア空間

ベルギー出身の建築家。1990年、アントワープにスタジオを設立。住宅や商業施設の設計のほか、建築家の視点を発揮した家具やインテリアデザインも高く評価される。2025年はミラノに「パラッツォ・モルテーニ」、東京に「パラッツォ・モルテーニ東京」が完成。

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Seating

Tacchini / Butter Sofa(タッキーニ/バター ソファ)

とろけるような座り心地のモジュールソファ

“毎朝生地をこねてパンを焼く”ことを習慣にしているというデザイナーのフェイ・トゥーグッドによるソファ。パン生地とバターを用いて模型をつくり、フォルムを決めたという。「毎日の暮らしこそが美しい」という彼女の思いを感じながら身を沈めたい。

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Furniture

Cappellini / reti-co(カッペリーニ/レティコ)

黄金比が美しい格子の着想源は日本の障子

“固定観念を取り払う”という視点から考案されたキャビネット。デザインした北川大輔は、収納家具の重要な要素、“取っ手”をなくすことに新たなデザインの可能性を見いだした。格子の持つ構造と意匠、人の無意識の行為の関係性に着眼。扉は木材のほかガラスとファブリックも選択肢に。

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Bathroom

Salvatori / Nereo(サルバトーリ/ネレオ)

ミニマルなデザインで天然石の美しさを強調

エリザ・オッシノがギリシャ神話に登場する海の女神、ネレイドをイメージしてデザインしたコレクション。長きにわたり雨や水にさらされ浸食された天然石を思わせる彫刻を施した。石質は7種類から選択可能、ドロワー正面の部材は木質も選べる。

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Bedding

IXC / Plato(イクスシー/プラト ー)

心地よい浮遊感が魅力のシンプルなベッド

無垢材のベースパネルの上にマットレスをのせたベッド。マットレスより広いベース部分と、内側に設置された脚部のデザインが相まって、宙に浮かぶような浮遊感が強調された。デザインはガムフラテージ。ヘッドボードはレザーやファブリックが選べる。


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Kitchen

Valcucine / V-Motion 2.0(バルクッチーネ/Vモーション2.0)

手を触れずに操作可能なスマートキッチン

軽く触れる動作やリモコン、アプリ、音声によって、扉や水栓の操作が可能になった、特許を取得したシステム。バックパネルの照明は、同じ操作で暖色から寒色まで、さまざまな光の色のグラデーションに加え、火、大地、水、空気から着想を得た色にも設定することが可能。

Claire Lavabre, Studio Bouroullec

Lighting

FLOS / Luce Sferica(フロス/ルーチェ・スフェリカ)

柔らかな感性と機能性の論理的融合

円筒形のアルミニウム製のボディを、シャボン玉や雨粒を連想させる吹きガラスに通したモジュールタイプのLED照明。照度の調節は本体の端をタッチして行う。デザイナーのロナン・ブルレックは、工業的技術と詩的なデザインを融合。洗練されたフォルムと幻想的な光を実現した。


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Floor Covering

Kasthall / Anemon(カスタール/アネモン)

春の息吹を閉じ込めたグラフィカルなラグ

ブランドのアーカイブに残されていたグニラ・ラーゲルヘム・ウルベリの作品をベースにデザイン。モチーフは繊細でありながら生命力を秘めた花、アネモネ。ピュアウールにリネンを加えて艶を出している。密に刺し込まれたカットパイルが、明確にフォルムを表現し、花が生き生きと描かれている。


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Wall Covering

Calico / Particulaire(キャリコ/パティキュレール)

旅先で集めた異国のオブジェをモチーフに

ニューヨークを拠点とするステファン・バークスによる壁紙のコレクション。旅先で入手したオブジェを思い出ではなく“別の場所や文化、生き方への扉”と捉えたバークス。日本のこけしをはじめ、国や地域のアートや工芸について考えさせるプロダクツをちりばめ、多層的なデザインを実現した。


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Fabrics

HOSOO / Hemispheres Collection(ホソオ/ヘミスフィア・コレクション)

西陣織の意匠がイタリアの感性と邂逅

HOSOOの創業家、細尾家が受け継いできた2万点を超える帯の図案をベースに製作されたコレクション。未着色の状態で残された図案を、ディモーレスタジオが独自の感性で着色。淡いグレージュ、セピア、スモーキーなグリーンなどを駆使した、33種類のテキスタイルが誕生した。


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Tableware

Hermès / Kaorumi(エルメス/カオルミ)

「香る実」を精緻に描き出したプレート

日本人イラストレーターの武政諒が、オレンジやサクランボ、ザクロといった果実を白いポーセリンに描いた美しいテーブルウェア。コンパスや定規を用いて描いた輪郭と、果肉のみずみずしさを捉えたディテールのコントラストが秀逸。縁を輝かせる金の彩りがアクセントに。


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Outdoor

MUUTO / Dream View Bench(ムート/ドリーム・ビュー・ベンチ)

彫刻的なフォルムが背中に心地よくフィット

ゆるやかに波打つ座面と背もたれに身を預けると、空に視線が向くように設計されたチェア。ステンレススチール製のボディが刻々と変わりゆく空を映し出す。デザイナーは、デンマークを拠点とするリセ・ヴェスター。幅60cmと100cmの2サイズで展開。屋内での使用も可能だ。


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Sustainable Achievement

MycoWorks / Reishi In the Nordic Light(マイコワークス/レイシ・イン・ザ・ノルディック ライト)

バイオ素材とデンマーク伝統の職人技を融合

アメリカのマイコワークス社が菌糸体をもとに開発した素材Reishi( レイシ)を使い、セシリエ・マンツ、OEOスタジオ、フレデリック・グスタフなど、デンマークを拠点とする5組のデザイナーが、バッグや照明をデザイン。自国のクラフトマンシップと最先端のサステナブル技術の架け橋となった。


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Young Japanese Design Talent

長澤一樹(SUPER RAT)

日本古来の美意識を未来につなぐデザイン

SUPER RATは長澤一樹が2024年に設立したデザインスタジオ。“UTSUWA-JUHI SERIES”は、工芸品に使われてきたシュロの樹皮を主な素材に、伝統的な柿渋染めと、廃棄される鉄屑から抽出した鉄媒染液を掛け合わせ誕生したプロダクト。サローネサテリテ・アワード2025では第1位に輝いた。


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Japanese Best Interior Design

LEMAIRE EBISU(ルメール エビス)

ファッションと日本の家を結ぶ豊かな調和

フランスのファッションブランド「ルメール」の東京初の旗艦店。インテリアデザインを手掛けたのはルメールとスタジオハシムラを主宰する建築家の橋村雄一。1960年代に建てられた住宅に、“家”の役を継続して演じさせながらリノベーション。生活の豊かさに身を置く空間が完成した。

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Japanese Social Design Project

泊船

坂倉準三の名建築をホテルにリノベーション

1964年に竣工した三重県伊賀市の旧上野市庁舎の2階部分がホテルとして再生。改修設計を担当したのはMARU。architecture。水平ラインの強調や自然光の活用といった坂倉建築の特徴を生かしつつ、新たなホテル機能を取り入れた。2026年春には、1階に公共図書館も開館予定。


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エル・デコ2025年12月号

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