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大腸がんステージ4を標準治療で乗り越え、無治療経過観察に! 満3年を過ぎた現在の体調と今、思うこと【著者インタビュー】

  • 2025.12.8

【漫画】本編を読む

仕事や子育て、日々の暮らしを優先して、自分の健康を後回しにしているという人は少なくないだろう。『痔だと思ったら大腸がんステージ4でした 標準治療を旅と漫画で乗り越えてなんとか経過観察になるまで』(くぐり/KADOKAWA)で描かれるのは、37歳、仕事優先で生活していたくぐりさんに訪れた試練の日々だ。

ある日、くぐりさんはお尻から出血。1年前のいぼ痔が再発したに違いないと思い込んで放置していたら、大腸がんステージ4だと発覚した。

直腸を埋め尽くすほどのがんは、すでにほかの臓器にも広がっていて手術はできず、抗がん剤でしか治療ができない状態。そこからおよそ2年間、くぐりさんは治療をしながら、四国八十八ヶ所巡りをしつつ、漫画家デビューをはたす。

無治療経過観察にいたるまでの怒涛の日々を描いた本作は、がん闘病中の人やその家族だけでなく、日々を忙しく過ごしている人たちの胸にも響く。

自分の身体をもっと労わり、家族との時間を大切にしたい…。そんな思いを抱かせるコミックエッセイだ。漫画制作の裏話や闘病の日々を、作者・くぐりさんに伺った。

※書籍出版当時の体験、お話をもとにインタビューを行っています。治療などに関する専門情報は、各医療機関にご確認ください。

――2020年3月に大腸がんステージ4と診断されたくぐりさん。2025年の現在の体調について差し支えない範囲で教えてください。

くぐりさん(以下、くぐり):現在は無治療経過観察になり満3年を過ぎました。CTで肺を撮ると今も大量に腫瘍が映り込んでいますが、抗がん剤治療によりかなり小さくなっており、無治療で大きくもならず増加もしていないので、転移腫瘍は全部瘢痕化(壊死)していると診断されています。

それでも医師から「油断できない」と言われているので、2カ月に1回の診察と血液検査で腫瘍マーカーを測り、4カ月に一度CTを受けています。それと腸の手術を受けたので腸閉塞になりやすいそうで、つまりを感じて痛みが出た時は主治医が処方してくれた漢方を飲んでいます。そして体調に気をつけながら、無理をせずよく眠るようにしています。

――経過観察になってから、意識していることや気をつけていることはありますか。

くぐり:無理をしないこと、よく寝ること、自分の心を大切にすること、そして、人間はいつ死ぬかわからないので、周りの人に感謝を伝えることを意識しています。自分ががんで「死ぬかもしれない」と思った時に、一番伝えたいことが「ありがとう」の気持ちだったので……。

――今後の目標を教えてください。

くぐり:家族とともに元気で健康に生きていくことです。そして喜びや楽しみ、ときめき、恐怖、ドキドキなど、さまざまな「感情」を味わってもらえるような漫画を描いていけるようにしたいです。

現在は膵臓がんの患者家族をテーマにした漫画を描いていますので、皆様に読んでいただけたらうれしいなと思っています。

取材・文=アサトーミナミ

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