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【50代からの着物の愉しみ方】「中年体形には洋服よりも着物が似合う」洗える素材で居酒屋やカラオケにも!

  • 2025.12.8

【50代からの着物の愉しみ方】「中年体形には洋服よりも着物が似合う」洗える素材で居酒屋やカラオケにも!

着物に憧れていても、着付けが大変、ルールが難しいと二の足を踏んでいる方も多いのでは。もっと気軽に、自分らしく、着物を愉しむ方のお話を伺いました。今回は漫画家・エッセイストの安彦麻理絵さんです。

安彦麻理絵さん 漫画家・エッセイスト

あびこ・まりえ●1969年山形県生まれ。
89年「ガロ」からデビュー。著書に『再婚一直線!』『ババア★レッスン』『生理終了!と思ったら。更年期メンタル、私なりの付き合い方』など。
2男2女の母。趣味は着物と怪談。

コーディネートが愉しく、沼にハマりました

「これ、微妙にストレッチが利いていて動きやすいんです。シワになりにくく、家で洗濯もできるんですよ」

今日の着物について話す漫画家の安彦麻理絵さん。仕事で人前に出るときだけでなく、居酒屋、カラオケなど普段のお出かけにも着物を愛用。今では和服姿が板についている安彦さんだが、成人式でも振袖を着なかったほど着物とは無縁の生活だった。

「きっかけは10年前の二男の卒園式。着物で参列するお母さんがいて、その女っぷりに、洋服姿の私は『負けた』と思ったんです(笑)。しかも自分で着付けしたと聞いて、私もあんなふうにかっこよく着てみたいと」

40代半ばにしてゼロから着物ライフをスタート。

「本やネットで、着物の種類やTPOなど基本的なルールを学び、最初に買ったのが、木綿の着物。仕立て代込みで5万円ほどでした。その後、義母から塩沢紬を譲り受けるなどして枚数を増やしていきました」

義母の着物を自分流にコーデ

義母から譲り受けた塩沢紬に合わせて「初めて自分でコーディネートした帯と半襟。鳥の柄の名古屋帯はリサイクル店で8000円で購入」

着付け教室にも通った。

「着物スタイリストの石田節子先生の教室で3回コースを受講し、何とか自分で着られるように。当初はとにかく場数を踏まなきゃとスーパーや区役所にも着物で出かけました」

こんな初心者あるある、な失敗も。

「居酒屋で友人と上機嫌で飲んでいたら、途中で気分が悪くなり、吐いちゃって。着崩れしないように伊達締めをきつく締めすぎていたんです」

つらい経験をしながらも、「“着物沼”にハマっていきました」と笑う。

「着物って、この帯にこの帯締め、といろんなコーディネートを楽しめるでしょ。半襟も白ではなく刺繍を施したクリーム色のものだと今風の印象になったり。実は今日の草履も、ネットで好みの鼻緒を見つけて購入し、履物店で土台だけ買って鼻緒をすげてもらいました。凝りだすとキリがないのが、着物の沼です(笑)」

スペインの柄が和服にマッチ

シビラの大判風呂敷2枚で仕立てた現代風名古屋帯。「色合いが“和”になじみ、無地の着物に映えるんです」

着物だと、どんな場に出ても物怖じせず、堂々としていられる

夏物も含め10枚ほどある着物のほとんどは、カジュアル着物。唯一のフォーマルは、子どもの入学・卒業式用に購入した紋付きの江戸小紋だ。

「念願かなって、二女の小学校入学式と長男の小学校卒業式に着物で出席。ただ、雨の日だったのでシミができてしまって。シミ抜きに5万円かかりました。だから、やはり普段の着物は、木綿やポリエステル素材の扱いやすくて自分でメンテナンスできるもののほうが気楽です」

着物の魅力について、こう語る。

「着物だと、どんな場所でも物怖じせず、堂々としていられる。何か自信がもてるんです。洋服だとおなかまわりが気になったりしますが、着物はむしろ中年体形のほうがしっくりなじみますしね(笑)」

渋い無地の着物を帯の柄で遊ぶ

「パッチワークのような更紗柄の帯は、グレーや黒、モスグリーンなど渋い色の着物に合わせやすく、重宝」

撮影/廣江雅美
取材・文/村瀬素子
撮影協力/新宿 諏訪神社

※この記事は「ゆうゆう」2026年1月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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