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えっ、ここからもウイルスが侵入!? 意外すぎる「あかぎれ」が招く感染リスクと正しいケア法[医師監修]

  • 2025.12.8

寒さと空気の乾燥が進む冬場、指先のひび割れやあかぎれに悩む人が増えます。あかぎれは痛みや出血を伴うだけでなく、皮膚のバリア機能が破られた状態になるため、細菌やウイルスの侵入経路となることがあります。

今回は吉木伸子先生に、あかぎれが感染症の入り口になり得る理由と、家庭でできるケアのしかた、絆創膏の選び方などを伺いました。

あかぎれのケアは「感染症対策」にもつながる

あかぎれは皮膚に亀裂が入った状態で、細菌やウイルスが侵入しやすくなります。特に手はさまざまな物に触れる機会が多いので注意が必要です。

「あかぎれを放置すると、皮膚のバリア機能が低下し、炎症やかぶれを引き起こすことがあります。また、ウイルスが付着した手指で口や鼻、目などの粘膜に触れると感染症を起こすリスクも高まるので、早めの対策が重要です」(吉木先生)

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なぜ冬にあかぎれが増えるのか?

「あかぎれの主な要因は皮膚の乾燥で、特に寒い時期に多く見られます。皮膚の一番外側には角質層があり、その内部にはセラミドという保湿成分があります。寒さや湿度低下により汗や皮脂の分泌が減り、洗剤やアルコール消毒の頻繁な使用で皮脂膜やセラミドが洗い流されてしまうと、肌の潤いが失われ表皮が乾燥し硬くなり、ひび割れや亀裂が生じます。この亀裂が深くなって真皮まで達した状態が『あかぎれ』です。あかぎれは痛みや赤み、出血を伴い、日常生活に支障をきたすこともあります」(吉木先生)

まずは刺激を減らすこと──基本の応急ケア

あかぎれができたら、乾燥と刺激を防ぎながら、患部の保護と保湿を行うことが重要です。水仕事の際はゴム手袋を着用し、洗剤やアルコール消毒の使用頻度を見直しましょう。出血や汚れがある場合は、ぬるま湯でやさしく洗ってから清潔にし、保湿剤を塗って保護します。日中は患部を絆創膏で覆い、夜はハンドクリームなどの保湿剤をたっぷり塗って保護する習慣をつけてください。

「保湿剤をこまめに塗り、肌の水分を逃さないようにしましょう。特に入浴や水仕事の後は保湿が重要です。また、あかぎれに効果的なのは『治癒促進タイプ』の絆創膏です。一般の『救急絆創膏』は患部を物理的に保護し、外部からの刺激を防ぐ効果がありますが、『治癒促進タイプ』の絆創膏はあかぎれになった指先を保護するだけでなく、皮膚の再生を促進してあかぎれを早くきれいに治す効果があり、痛みも軽減するのでおススメです」(吉木先生)

あかぎれ対策の絆創膏の「選び方」と「貼り方」

「治癒促進タイプ」の絆創膏選びのポイントは、患部を的確に覆い、周囲の健康な皮膚に余計な負担をかけないことです。指先に使う場合は、T型や円形など指先専用の形状を選ぶと、指に沿って密着しやすくはがれにくいため実用的です。

「絆創膏は、あかぎれやひび割れのところだけパッドで保護し、周りの健康な肌は伸縮性、通気性のよいテープで覆うのが理想です。ハイドロコロイド素材の治癒促進タイプ絆創膏は、症状の改善が期待できます。ハイドロコロイドはキズの部分だけに当てましょう。なお、治癒促進タイプの絆創膏でも症状が改善しない場合や悪化した場合は、医療機関を受診してください」(吉木先生)

よしき銀座クリニック 院長 吉木伸子先生
横浜市立大学医学部卒業、慶応義塾大学病院皮膚科学教室に入局。浦和市立病院(現さいたま市立病院)皮膚科勤務、日本漢方研究財団附属渋谷診療所での研修等を経て、現在はよしき銀座クリニック 院長。レーザー、ケミカルピーリングなどの美容皮膚科学と漢方を取り入れた皮膚科療法を行っている。

あかぎれ用の絆創膏もある。冬場によく売れている「ケアリーヴ治す力」指先用

あかぎれを治す効果があるニチバンの「ケアリーヴ治す力」指先用は、寒く乾燥する冬によく売れているT型の絆創膏で、2024年12月度の売上は月平均の2.3倍と大きく伸長しました。

一般的な長方形の絆創膏は指先に貼ると隙間やシワができ、はがれやすくなります。一方で、T型形状は指先を包み込むように巻き付けるのでしっかり密着します。ケアリーヴのフィット感とはがれにくさという特長があるからこそ、実現できた形状です。

(管理医療機器 家庭用創傷パッド)

<Edit:編集部>

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