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「マジ…?」「思わず声出た」連載開始から約5年 “念願のアニメ化”→「控えめにいっても傑作」熱狂生む完成度

  • 2026.2.7

まだ放送前にもかかわらず、期待に胸が高鳴るような作品があります。一方で、放送が始まってから一気に評判が広まり、話題をかっさらっていく作品も今期は目立っているのです。今回は、そんな“注目集めるアニメ”を5本セレクトしました。

本記事ではその第4弾として、アニメ『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』(TOKYO MX 他)をご紹介します。原作の連載開始から約5年を経てアニメ化され、圧倒的な作画が話題となっている作品です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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※Google Geminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(放送局):アニメ『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』(TOKYO MX 他)
  • 放送期間:2026年1月3日~現在放送中

勇者とは、この世で最悪の刑罰。大罪を犯した者が勇者となり、魔王と戦う刑罰を科されるのです。命を奪われようとも蘇生され、亡くなることすら許されません。勇者刑に処された元聖騎士団長のザイロ・フォルバーツ(CV:阿座上洋平)は、性格破綻者たちで構成された懲罰勇者部隊を率いて、戦いの最前線を駆け抜けていました。

過酷な状況のなか、ザイロは最強の生命兵器の1人である剣の女神・テオリッタ(CV:飯塚麻結)に出会います。「敵を殲滅した暁には、この私を褒めたたえ……そして頭を撫でなさい」生き抜くため、自らを陥れた者へ復讐を果たすため――。女神と契約を交わしたザイロは、絶望的な世界で熾烈な闘争と陰謀の渦中に身を投じていくのでした。

勇者が“最悪の刑罰”として描かれる

アニメ『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』(以下、『勇者刑に処す』)の一番の面白さは、勇者=栄誉ではなく勇者=この世で最悪の刑罰として描く、発想の逆転にあります。大罪人は最前線で魔王軍と戦うことを強いられ、命を落としても蘇生され、亡くなることすら逃げ道にならない――この容赦ない設定が強烈です。

主人公・ザイロは、元聖騎士団長でありながら、懲罰勇者部隊を率いる立場です。狂戦士や詐欺師、テロリストなど、性格も経歴も破綻した面々をまとめ上げるやり取りは、ダークな世界観のなかで皮肉の効いた面白さを生んでいます。

さらに、最強の生命兵器の1人である剣の女神・テオリッタとの契約が展開を加速させます。ザイロとテオリッタの関係性が、ただのダークファンタジーに終わらせない奥行きを物語にもたらしているのです。絶望の世界でそれでも前へ進む理由を描く、骨太な作品となっています。

リアルさにこだわった“舌打ち”の表現

本作は、ロケット商会さんによるライトノベルを原作としています。2020年10月より小説投稿サイト“カクヨム”にて原作の連載を開始し、約5年を経てアニメ化されました。『勇者刑に処す』のアニメ化についてSNSでは「マジ…?」「思わず声出た」と、喜びの声があがっています。

初回から、ザイロは苛立つたびに舌打ちしています。ザイロ役を演じる阿座上洋平さんの舌打ちの上手さや、入れるタイミングの良さを感じた人も少なくないのではないでしょうか。漫画・アニメのニュースサイト“コミックナタリー”のインタビューにて、阿座上さんはアニメで舌打ちを表現するためにこだわったポイントを以下のように語っています。

監督と話す中で「記号的な舌打ちではなく、リアルなほうがこの作品には合っている」と言ってもらったので、本当に舌を鳴らすやり方でいくことにしたんです。これまであまりやってこなかった表現ではあるんですけど、“ちゃんと人を嫌な気持ちにさせる舌打ち”を心がけました(笑)。
出典:『アニメ「勇者刑に処す」阿座上洋平×SPYAIR(YOSUKE、MOMIKEN)対談|声優とアーティスト、異なる立場の2組は重厚な世界観をどう表現したのか』コミックナタリー 2026年1月16日配信

アニメーション的な舌打ちの表現として「チッ」と言葉で言うパターンもあるなかで、リアルな舌打ちを意識したとのこと。怒ったり舌打ちしたりするシーンが多く、すこし怖い印象があるザイロですが、実は阿座上さんは周囲からすぐにいじられるタイプだそうです。自らを「ポンコツ」と自虐しており、役柄とギャップのある愛されキャラな阿座上さんの人柄が伝わってきます。

アニメ『勇者刑に処す』は第1話のほとんどをアクションシーンが占め、圧倒的な作画で話題騒然となりました。本作の完成度についてSNSでは「流石に面白すぎ」「控えめにいっても傑作」と、称賛する声があがっています。ぐっと惹きこまれる作画によって残酷さと人間臭さを描いた『勇者刑に処す』は、ダークファンタジーの枠を超えていくような一作だと言えるでしょう。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari