「記憶ないから無罪で」とセクハラを無かったことにする先輩。だが、女性社員のある行動に絶句【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

私の職場には、仕事はできるものの、お酒が入るとタチの悪い先輩社員がいました。
飲み会のたびに女性社員の隣に座り、

「彼氏はいるの？」「肌が綺麗だね」

と体を触ってくるのです。

先日の歓迎会でも、私の太ももに手を置き、卑猥な言葉を連発してきました。
私はその場では手を払い、翌日、勇気を出して彼に抗議しました。

「先輩、昨日のあれはセクハラです。謝ってください」

すると彼は、鼻で笑ってこう言いました。

「はあ？昨日？俺、酔っ払ってて記憶ないんだよね。記憶ないから無罪で！被害妄想もいい加減にしてくれよ」

「記憶がないから責任はない」

という理屈が通ると思っているのです。
彼は「これだから女は」と周囲に聞こえるように捨て台詞を吐き、自分のデスクに戻ろうとしました。

私は、逃げようとする彼の背中に向かって、明るく声をかけました。

「そうですか！記憶がないなんて、もしかして脳の病気かもしれないですね。心配なので、私が昨日の様子を『録音』しておきました。一緒に確認しましょうか？」

「えっ……」

先輩が振り返ると同時に、私はスマホの再生ボタンを押しました。
静かなオフィスに、最大音量で彼の泥酔した声が響き渡ります。

『ねえ～、今日下着何色？見せてよ～！俺の言うこと聞けないの～？』

あまりにも生々しい音声に、オフィス中の視線が一斉に彼に突き刺さります。
「記憶にない」と言い張っていたはずの自分の声を聞かされ、彼の顔は真っ青になり、脂汗を流して立ち尽くしていました。

「……あ、いや、これは……その……」

「バッチリ証拠も残ってますし、記憶がないなら尚更、人事部で詳しく思い出させてもらいましょうね」

私はその録音データをそのままコンプライアンス室へ提出しました。
「記憶がない」という言い訳が通用するはずもなく、彼は厳重注意の上、女性社員がいない閑職へと飛ばされていきました。
自分の吐いた言葉は、お酒の勢いでは消せないということですね。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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