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【絶品!郷土メシ】福岡・八女の「芋まんじゅう」作ってみた!芋は芋でも里芋!?粉で包んで茹でるだけ

  • 2025.12.7

福岡県八女市と言えば「八女茶」が有名ですが、ここの郷土食として知られているのが「芋まんじゅう」です。名前からするとさつまいもを生地に練り込んで作るようにも思えますが、ここで使うのはなんと「里芋」。里芋を1個丸ごと、小麦粉の生地で包んで茹でるのだとか。基本は塩だけで味を付けるそうですが、その素朴な塩気が後を引くおいしさというので、さっそく作ってみました!



この記事は、「農畜産物流通コンサルタント&農と食のジャーナリスト」という肩書で活動している山本謙治さんことやまけんさんが、農家向けの月刊誌『家の光』で2021年12月号~2024年4月号まで連載していた「やまけんのニッポン郷土食遺産」を参考にしています。

『家の光』はJAグループである家の光協会が、農家向けに毎月発行しているファミリー・マガジンで、今から100年前の大正14年(1925年)に創刊しました。「食と農」「暮らし」「協同」「家族」という4つの柱を基本に、JA組合員をはじめ地域の人々の暮らしに役立つ情報を掲載しています。

今回挑戦するのは福岡県八女市の郷土料理「芋まんじゅう」。福岡県は小麦生産量が北海道に次いで第2位(令和2年産)の粉物文化圏。加えて八女市周辺は昔からイモ類の生産が盛んだったこともあって、芋まんじゅうがよく食べられているようです。

昔の話ではなく、今でも幅広い世代に愛され続けている郷土のおやつだそうですよ。

福岡県八女市の郷土料理「芋まんじゅう」の材料と作り方
※今回はやまけんさんの記事を参考にして作りました。

【材料】※3~4人分
里芋…1袋
薄力粉…200g
塩…少々
熱湯…100ml



里芋は皮を剥き、15分ほど塩茹でしてから冷ましておきます。

【作り方】※調理時間:15分+寝かせる時間:20分
1. ボウルに薄力粉をよくふるって入れ、塩を加えます。



2. 熱湯を加えて全体を混ぜます。



3. 温度が下がってきたら手でこね、耳たぶよりやわらかくなったらラップで包んで20分ほど寝かせます。


4. 里芋を3の生地で包んで丸め、たっぷりのお湯(分量外)で茹でます。



5. まんじゅうが少し浮いたらザルに上げて水気を切り、表面が乾いたら器に盛りつけて出来上がりです。



記事に詳細な分量の記載がなかったため、薄力粉で生地を作るとき、基本の、粉2:水1で作ることにしました。また、里芋はぬめりがあるので皮を剥くのがちょっと大変ですが、側面に切れ込みを入れた状態でまず軽く茹でると、皮がツルっと剥けやすくなります。これだけで結構な時短ですが、工程も少ないのでかなり気が楽になります。

里芋が冷めて生地をゆっくり寝かせたら、鍋にお湯を沸かす間に里芋を包みます。生地はしっかり伸びますが、ここで大事なのは包む生地の厚さです。里芋が見えるようでは薄すぎますし、かといって厚すぎては里芋との食感が悪くなります。できるだけ薄く伸ばしながらも、まんじゅうのように包むことを意識してひとつずつしっかりと丸めていきます。

沸いたお湯に入れてからは、鍋底にくっついてしまわないように菜箸で軽くつつきながら、茹で上がりを待つだけ。生地に火が通り、軽く浮いてきたら、ザルに上げて水気を切ります。表面が乾いたら出来上がりですので、とても簡単でした。



ひとつ切ってみると、皮に包まれた里芋がまんじゅうの餡らしく、しっかりと分かります。

さっそく食べてみると、モチっとした皮の下に里芋特有のクニュとした食感が待っていました。里芋自体には下茹での軽い塩味しかついていませんので、生地に練り込んだ塩の味だけというシンプルな味わいです。ヘタに塩を入れすぎて塩辛くなるのはイヤですので、今回は最初ということもあってちょっと少なめにしましたが、もう少し入れても問題ないように思えました。

記事には里芋の代わりにじゃがいもで作って、マヨネーズを付けて食べる、なんて食べ方も紹介されていましたので、薄味に仕上がったのをいいことに、試しに塩やマヨネーズを付けてみました。そもそも里芋と塩は相性がいいのでよりおいしくなりましたが、マヨネーズは思ったほどパンチがありませんでした。きっとこれが、里芋とじゃがいもの差なんでしょうね。

さすがに一度にはいくつも食べられませんので、くっつかないようにひとつずつ小さなラップに包んで冷蔵庫に入れ、数日に渡って楽しみました。ネットで芋まんじゅうを調べてみると、味付けも多様ですし、生地によもぎを練り込むなどのレシピも見つかりましたので、次回はアレンジも試してみようかなと思います。

とても素朴なのにおいしくて大満足の芋まんじゅうが出来ますので、ぜひ作ってみてください!

山本謙治さん プロフィール

農畜産物流通コンサルタント&農と食のジャーナリスト。学生時代にはキャンパス内に畑を開墾して野菜を生産し、卒業後は畜産関連の調査・コンサルティングの仕事や流通業を経て会社を設立。農業・畜産分野での商品開発やマーケティングに従事する傍ら、日本全国の食を取材して地域の郷土料理や特産物を、書籍やテレビを通じて一般に伝える活動を続けている。

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