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【昭和初期のレトロシチュー再現】え、お肉入れないの!?ケチャップ×バターでカブを煮込むハイカラ洋食風♪

  • 2025.12.6

管理栄養士のともゆみです。寒くなると恋しくなる、クリーミーなホワイトシチュー。でも、今回「白くない」シチューに挑戦します。あ、ビーフシチューではありませんよ。お肉は入れず、具はカブとにんじんだけ。実はこれ、今から97年前の昭和3年の雑誌に載っていた、当時のハイカラレシピ。牛乳もルーも使わず、味付けはなんと「ケチャップとバター」!?冬の定番が変わるかもしれない、レトロな洋食の世界へご案内します。


「カブのシチュー」はこの雑誌から…

「カブのシチュー」は、農家向けの月刊誌『家の光』の別冊付録で見つけました。『家の光』という雑誌は、「食と農」「暮らし」「協同」「家族」を柱に、暮らしに役立つ情報を紹介しているJAグループのファミリー・マガジンなんです。創刊は、いまから100年前の大正14年(1925年)!

100周年を迎えた『家の光』2025年5月号には「いま、よみがえる『家の光』台所の知恵ベストセレクション」という別冊付録が付いています。100年分の記事から厳選した「台所の知恵」を、現代でも実践しやすいようにアレンジして紹介していますよ。



「カブのシチュー」が載っていたのは昭和3年12月号。「昭和初期、都会のデパートはにぎわい、洋食店も多くできた」とありますね。とはいえ今回のレシピは具材がカブとにんじんだけ。お肉も入らず味付けはケチャップとバターがメイン!?現代のシチューとはだいぶ違うものができそうですが…さっそくトライしてみましょう!

昭和3年発「カブのシチュー」を作ってみた!

【材料】(4~5人分)
小カブ…8~10個(900g)
にんじん…1本(150g)
有塩バター…20g
塩…小さじ1
こしょう…少々
ケチャップ…大さじ2

※材料が少し多いかなと思い、すべて1/2量で作りました。



【作り方】
1. 小カブは茎を6~7cm残し、皮ごと縦半分に切ります。にんじんは5~6cmのくし形切りにします。くし形にした後、面取りをしてフットボール形にしてもいいそうですが、今回はしませんでした。



2. 鍋に1を入れ、かぶるくらいの水(分量外)を注ぎ、バター、塩、こしょうを入れて中火にかけます。



3. 煮立ったら弱火にして10分ほど、小カブがやわらかくなるまで煮ます。


4. ケチャップを加え、味をととのえます。



5. 皿に盛り付け、出来上がりです。



バターの風味が香る素朴なシチュー

簡単に作れました。それではいただきます。まずはスープから。あ、想像していたのとちょっと違います。ケチャップ味が濃いのかと思っていたら、水分が多いためかケチャップの味は控えめです。逆にバターが引き立ち、バターの風味がふわっと鼻から抜け、とてもおいしいスープでゴクゴク飲めちゃう感じですね。カブとにんじんは甘さがあり、素材の味を感じます。はじめて食べるシチューですが、どこか懐かしい素朴な味わいのスープですね。

カブの成分



カブは根と葉で含む栄養素が異なる野菜です。根はカリウムやビタミンCなどのほか、消化酵素のアミラーゼを含みます。葉は緑黄色野菜で、β‐カロテンやビタミンC・E、カリウム、カルシウム、鉄なども含み、栄養豊富です。根に含まれているアミラーゼはでんぷんを分解する消化酵素で、ご飯やうどんなどを食べたときにでんぷんの消化を促進し、栄養の吸収を助ける役割があります。

バターの風味と素材の甘さが感じられ、お肉が入っていなくても充分おいしいです。昭和初期当時に思いを馳せながら堪能しました。

参考文献:
からだのための食材大全 監修者 池上文雄 他 NHK出版
かしこく摂って健康になる くらしに役立つ栄養学 監修 新出真理 ナツメ社

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