1. トップ
  2. 北米で『ズートピア2』が『ウィキッド 永遠の約束』との一騎打ちを制す!感謝祭週末では歴代2位の好スタート

北米で『ズートピア2』が『ウィキッド 永遠の約束』との一騎打ちを制す!感謝祭週末では歴代2位の好スタート

  • 2025.12.6

一年のうちでもっとも映画館が盛り上がる感謝祭連休だった先週末(11月28日から11月30日まで)の北米興収ランキング。予想通り、前週華々しいスタートを飾った『ウィキッド 永遠の約束』(2026年3月6日日本公開)と、11月26日の水曜日に封切られたディズニーの『ズートピア2』(公開中)の一騎打ちとなり、軍配は後者に上がることに。

【写真を見る】感謝祭といえばやっぱりディズニーアニメ!昨年の『モアナ2』に次ぐ好成績&高評価で、オスカー連覇へまっしぐら

【写真を見る】感謝祭といえばやっぱりディズニーアニメ!昨年の『モアナ2』に次ぐ好成績&高評価で、オスカー連覇へまっしぐら [c]Everett Collection/AFLO
【写真を見る】感謝祭といえばやっぱりディズニーアニメ!昨年の『モアナ2』に次ぐ好成績&高評価で、オスカー連覇へまっしぐら [c]Everett Collection/AFLO

2016年の春シーズンに公開され北米累計興収3億4126万ドル(ディズニーアニメ作品としては当時歴代2位)の好記録を打ち立てた『ズートピア』の続編となる『ズートピア2』。前作の興行的成功やアカデミー賞長編アニメーション賞受賞などの批評の高さも相まって、事前の期待はここ数年のディズニー作品のなかでも随一。きちんとそれに応えることができたようだ。

4000館で封切られ、週末3日間の興収は1億26万2540ドル。前作のオープニング興収7506万3401ドルを大幅に上回っており、しかもこの数字はあくまでも週末3日間(つまり公開3日目〜5日目)のもの。初日の水曜日から5日間の累計興収は1億5880万4061ドルを記録しており、これは昨年の『モアナと伝説の海2』(24)に次いで、感謝祭連休5日間の興行収入で歴代2位の堂々たるものだ。

公開5日間で興収1億5000万ドルを突破!全世界興収もあっさり6億ドルに到達 [c]Everett Collection/AFLO
公開5日間で興収1億5000万ドルを突破!全世界興収もあっさり6億ドルに到達 [c]Everett Collection/AFLO

また海外興収も含めた全世界興収は、公開から1週間足らずですでに6億ドルを突破。アニメーション映画としては異例のハイスピードで興収を積み上げており、前作(全世界興収は10億2552万ドル)を超えるのも時間の問題。もちろん作品評価も安定した高さを維持しており、批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合は93%、観客からのそれは96%と、前作(批評家98%、観客92%)にも匹敵する数字をマークしている。

そうなると注目が集まるのは、アカデミー賞長編アニメーション賞を連覇できるかどうかだが、この部門は“続編映画”にとって鬼門といわれている。過去に続編映画で受賞しているのはわずか3本で、うち2本は前作公開時に同部門が存在しなかった『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』(05)と『トイ・ストーリー3』(10)。残りの1本が『トイ・ストーリー4』(19)なので、よほどのシリーズでないと受賞まで漕ぎつけないことがよくわかる。

前作に続きオスカーに輝くことができるのか… [c]Everett Collection/AFLO
前作に続きオスカーに輝くことができるのか… [c]Everett Collection/AFLO

もちろん作品の評価が高いこと、興行的インパクトがあればそれだけノミネートの可能性は上がるが、過去には大ヒットの後ろ盾があってもノミネートにさえ届かなかった『アナと雪の女王2』(19)の例もある。現状ではノミネートまでは確実と見られている『ズートピア2』だが、まだまだ油断大敵だろう。

さて一方で、『ウィキッド 永遠の約束』のほうは週末3日間で前週比42%となる6173万2755ドル、連休5日間の興収は9176万115ドルと、オープニング興収が大きかった反動が如実にあらわれているが、それでも数字面ではまだまだ絶好調。とはいえ昨年の同タイミングに公開された前作と比較してみると、感謝祭本番の成績は3日間・5日間ともに2000万ドル近くも下回っている。

大幅な下落に見舞われながらも、『ウィキッド 永遠の約束』はまだまだ好調をキープ [c]Universal Studios. All Rights Reserved.
大幅な下落に見舞われながらも、『ウィキッド 永遠の約束』はまだまだ好調をキープ [c]Universal Studios. All Rights Reserved.

そのせいもあって感謝祭連休の終了時点での累計興収は2億6920万ドルと、前作の同時期までの累計興収との差はわずか300万ドルまで縮まっている。感謝祭明けの週末はどの作品も大幅に数字が落ちる傾向にあるため、どこまで踏みとどまることができるのか。これは『ズートピア2』にも共通していることだが、『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(12月19日日本公開)までに少しでも貯金を多くしておく必要がありそうだ。

文/久保田 和馬

元記事で読む
の記事をもっとみる