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「難しいけど、引き込まれる」「深読みが止まらない」 『シナントロープ』クライマックスに向けた見逃し厳禁ポイント4選

  • 2025.12.6
『シナントロープ』第1話より (C)此元和津也/「シナントロープ」製作委員会 width=
『シナントロープ』第1話より (C)此元和津也/「シナントロープ」製作委員会

回を重ねるごとに、SNS上で「難しいけど、引き込まれるー!!」「深読みが止まらない」「繰り返し見てしまう」といった反響が高まっているのが、現在放送中のドラマ『シナントロープ』(テレビ東京系/毎週月曜23時6分)だ。謎めいた物語には初回放送直後からネット上に伏線の指摘や考察が書き込まれ、その注目度は日ごとに高まっている。ここでは放送済みのエピソードをもとにストーリーを整理しつつ、クライマックスに向けて見逃し厳禁なポイントを紹介していこう!

【写真】シマセゲラは誰? 『シナントロープ』怪しい登場人物たち

■脅迫状の送り主“シマセゲラ”とは?

ドラマプレミア23『シナントロープ』は、水上恒司が主演し、山田杏奈がヒロインを演じる青春群像ミステリー。街の小さなバーガーショップ「シナントロープ」を舞台に、複雑に絡み合う若者たちの人間模様とその裏で進行する“闇の代行業者”が関わる事件を描き出す。熱狂的なファンを生んだアニメ『オッドタクシー』の脚本で知られる此元和津也が原作・脚本としてオリジナルストーリーを書き下ろし、『時をかけるな、恋人たち』(関西テレビ)、『MISS KING/ミス・キング』(ABEMA)の山岸聖太が監督を務めている。

シナントロープの従業員・水町(山田杏奈)と、闇の代行業者をなりわいにする裏組織「バーミン」のトップ・折田(染谷将太)に、キツツキ科の鳥“シマセゲラ”を名乗る人物から「今度こそお前を殺しに行く」と書かれた脅迫状が届いたことから物語が動き出す本作。現在、第9話放送時点で明らかになっているのは、水町は5歳の頃、父親によって自宅に監禁されていたところを、右腕に傷を負ったシマセゲラによって救出されたということ。一方の折田は過去にシマセゲラによって殺されそうになったことも言及されている。折田は、部下の睦美(森田想)と龍二(遠藤雄弥)、久太郎(アフロ)を使って、今頃になって脅迫状を送ってきたシマセゲラを探し出そうとしている。

第4話では、シマセゲラの正体を暴くため、折田に届いた脅迫状と同じ内容のものを睦美が作り、水町に送っていたことも判明。睦美はシナントロープ従業員の中にシマセゲラがいると考えていて、従業員の環那(鳴海唯)に店の情報を密告させている。さらに第5話で、折田のもとにシマセゲラから2通目の脅迫状が届くと、睦美は手書きに見える文字の濁点の打ち方に着目。店の手書きメニューにも同じ特徴の文字があったことから、環那に手書きメニューの作成者も探らせている。第6話の中ではメニューの絵を描いたのは従業員で大学生の室田(望月歩)、文字を書いたのは従業員で大学生の都成(水上恒司)ということも判明した。

第7話では回想シーンの中で水町の過去が描かれるという展開に。映像の中で、監禁されていた5歳の水町を助けるシマセゲラは、オレンジ色の目出し帽をかぶっていた。本作の中でオレンジ色の目出し帽といえば、第1話の冒頭をはじめ、これまで劇中にたびたび登場しているミュージシャンのクルミ。彼はかつて武道館で公演した「キノミトキノミ」というバンドのボーカリスト。第7話では、バンドでドラムを担当していたシイという人物に電話する姿も描かれている。果たしてクルミは5歳の水町を救ったシマセゲラなのか?かつて救った水町に、今殺害予告を送り付けたシマセゲラの目的とは…?

■物語は二重構造だった! 部屋を監視するトンビとキツツキの正体

シナントロープ従業員やバーミン関係者と同じく、第1話から登場しているのが折田の部屋を監視し続けているコードネーム、トンビ(山本浩司)とキツツキ(栗原颯人)のコンビ。実は本作の副音声や解説版では、この2人のシーンのみ16年前の出来事であることが明示されていて、このドラマは現在と16年前の2つの時間軸で構成されていたのだ。その上で、トンビは折田の情報に詳しく、何やら因縁めいたものがあること、さらにキツツキは借金を抱えていて、Oiパンクのグループで活動していることも判明。第7話では、キツツキがトンビに「いいバンド名ないスか?」と問いかける姿も描かれた。

第9話の終盤では、トンビとキツツキがついに折田の部屋に乗り込むことに。襲撃の準備をしながら、トンビは自分の身に“もしも”のことがあった時は、家に行ってほしいとキツツキに依頼。さらに危険を避けるために家に子どもを閉じ込めていることや、自分の父親が警察に拘留されていることを明かしつつ免許証を差し出す。そこには住所と“水町善治”という氏名が書かれていた。

また襲撃の直前、トンビはキツツキに子どものことを話し始める。トンビは赤ちゃん用のガラガラを使うと、子どもが笑顔になることに感心しつつ「中は何入ってんだ? 木の実か? “木の実と木の実”がぶつかる音で笑顔になるんだぜ…」とキツツキに語りかける様子も描かれた。

その名前から、トンビが水町の父親であることは濃厚で、キツツキも前述したバンド、キノミトキノミの関係者である可能性が浮上している。

■キーパーソンは“謎の泥棒老紳士”インカアジサシ

第1話で折田に命令された久太郎がシナントロープを襲った際に、騒ぎに乗じてレジの金を盗み出した老紳士も要注意のキャラクター。第1話以降、何度も登場し、そのたびにスリや置き引きをしていた彼は、水町から“インカアジサシ”と命名される。

スーツ姿にカイゼルひげという特徴的なヴィジュアルの彼がフィーチャーされたのは、都成がデリバリーのためにホテルを訪ねる第8話。そのホテルは折田の潜伏先のひとつでもあり、なおかつそのホテルにはシマセゲラから新たな脅迫状が届いていた。さらに同じホテルには、水町から“ハシビロコウ”と名付けられた従業員の志沢(萩原護)が、意中の女性・忍(高梨みちる)に会うために滞在していた。

忍からメッセージアプリを通じて、ホテルの内線で電話をかけるよう促された志沢。指定された部屋に電話をして「月がきれいですね」と話しかけたところ、出たのは折田の部屋で作業をしていた龍二。この電話をシマセゲラからのメッセージと誤解した龍二は思わず殺気立つ。

その頃、都成は水町からの指示で、デリバリーのためにホテルに向かう。そこで、シマセゲラを特定すべく奔走する龍二と遭遇し、そのまま捕えられてしまう。龍二と久太郎から問い詰められる都成。そんな張り詰めた雰囲気の部屋に突然入ってきたのは“折田の指示で来た”という清掃員。その清掃員は、龍二と久太郎がシマセゲラを探すために部屋からいなくなると、映像記憶能力を持つ都成に、机にあったリストを暗記するよう指示する。この清掃員こそがインカアジサシだったのだ。

そして週をまたいだ第9話冒頭、インカアジサシは都成の映像記憶能力が1日限定だと指摘し、暗記したリストを今すぐ紙に書き写すよう要求する。都成が言われた通りに書き写したリストについて、インカアジサシは”弱みを握られた人たちのリスト”と表現する。

一部の視聴者は、インカアジサシが都成の能力について詳しく知っていることに注目。ネット上の考察の中には、インカアジサシが水町の祖父であるという説や、志沢も巻き込んだホテルでの騒動を、水町が仕組んだのではないかという意見も(志沢にホテルを紹介したのも水町)。第4話に登場した忍に一目ぼれした志沢のために、水町は代わりに連絡先を交換してあげた。そして第8話では忍本人は姿を見せず、志沢とのやりとりはメッセージアプリのみ…。こうした点から、水町が忍のふりをしているという説には信ぴょう性があるといえる。

■龍二&久太郎の“琉球コンビ”も不穏…

回を重ねるごとに不穏なムードが増す中で、視聴者の癒しとなっているのが、折田の部下で沖縄出身の幼なじみ、龍二と久太郎の“琉球コンビ”だ。折田の部下としてシナントロープ周辺をかぎ回り、シマセゲラの捜索に奮闘している2人。忠実に任務をこなそうとする龍二と記憶力に難がある久太郎という、“水と油”にも思える2人だが、互いに「キュウちゃん」「リュウちゃん」と呼び合う仲良しコンビだ。

SNSにも「回を追うごとにどんどん好きになってきてる」「琉球コンビ無事に沖縄に帰ってほしい」「琉球コンビだいすきすぎて笑」などの声が多数寄せられている。

毎話ほほえましい掛け合いを見せてくれる2人だが、ボスの折田へ向ける眼差しは対照的だ。龍二は若くして組織のトップを務める折田に心酔。一方、久太郎は折田に反感を抱いているよう。特に第7話の中では久太郎が直接、折田に不満をぶつけ銃口を突きつける姿も描かれた。

そんな琉球コンビを折田はどう見ているのか? 第9話では折田が睦美に「どっちがいい?」と切り出し「龍二と久太郎。どっちか殺そうと思って」と言いながらイチゴをパクり。無表情に口をモゴモゴさせながら「2人でずっと一緒に仕事してるとさ、やっぱどっちかが裏切るんだよ」と真意を説明する…。

視聴者をほっこりさせてきた琉球コンビは無事に故郷へ帰ることができるのか? 予測不能な久太郎の動きや折田の不穏な言葉もあり、見逃せない展開になってきている。

(文=スズキヒロシ)

※高梨みちるの「高」は正確には「はしごだか」

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