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お尻の穴を鍛えると、どんなメリットがある?キュッと締めるだけで「こんなメリット」があるんだって

  • 2025.12.5

「骨盤底筋群」と呼ばれるインナーマッスルのひとつに、お尻の穴(肛門周囲)の筋肉があります。普段あまり意識されることのないこの部分ですが、実は健康やパフォーマンス、さらには加齢対策にまで関係している、重要な筋肉です。

近年では、肛門を「キュッと締める」意識的なトレーニングが、排泄機能の改善や姿勢の安定、体幹強化、さらには自律神経の調整にも良い影響をもたらすことが分かってきています。

お尻の穴をキュッと締めると、どんな効果があるの?

お尻の穴、いわゆる肛門周囲の筋肉(骨盤底筋群)をキュッと締める動作には、実はさまざまな健康効果があるといいます。

① 姿勢が安定する・体幹が強くなる

骨盤底筋は体幹のインナーマッスルの一部。ここを鍛えることで、腹圧が高まり、背筋が自然と伸びやすくなります。猫背や反り腰の改善にもつながるため、デスクワークが多い人にもおすすめです。

② 尿もれ・頻尿・便秘の予防や改善に

骨盤底筋群は、膀胱や尿道を支える重要な筋肉です。

この筋力が低下すると尿漏れや頻尿が起こりやすくなりますが、鍛えることで排尿をコントロールする力が高まり、症状の改善につながります。

そのためお尻の穴をキュッと締めるトレーニングは、尿もれ・頻尿対策として推奨されているのです。

また、骨盤底筋が鍛えられると、排便時の「いきむ力」やコントロール力がアップします。骨盤内の血流や腸の動きも活性化し、自律神経が整うことから、便秘の改善に効果的とされています。

③ 内臓の位置を支え、ぽっこりお腹対策にも

骨盤底筋は内臓を下から支える“ハンモック”のような存在。緩むと内臓が下がりやすくなり、ぽっこりお腹や下腹部の圧迫感になる可能性も。

腹筋や背筋と併せて引き締めることでお腹まわりのラインが整いやすくなります。

④ 男性機能や女性機能の向上

骨盤底筋のトレーニングは、男女ともに性機能の向上に関与していることが、複数の研究で示唆されています。

血流が改善され、性器周辺の感覚や機能が高まりやすくなった結果、感度や満足度に変化を感じる人も。

⑤ 自律神経が整いやすくなる

意識的に肛門を締める→緩めるという動作を繰り返すことで、呼吸やリズムを整えやすくなり、結果として副交感神経が優位になることも考えられます。

また、呼吸と連動させて行うことでリラックス効果を感じることも。それにより自律神経のバランスが整いやすくなり、ストレス軽減や睡眠の質向上にもつながる可能性もあります。

⇒お尻の穴の鍛え方

案外知らない! お尻の穴ってどんな構造になってるの?

肛門は「自律的に締まっている筋肉」と「自分で動かせる筋肉」のダブル構造で、排泄コントロールを実現しています。

さらに、そのまわりを支える骨盤底筋が、性機能や内臓の位置、姿勢の安定にも関わっているため、“肛門まわりを鍛えること”が全身の健康につながると言われるのです。

お尻の筋肉1 肛門括約筋(こうもんかつやくきん)

肛門を締めたり開いたりする筋肉で、2種類あります。

・内肛門括約筋(ないこうもんかつやくきん)

自律神経で動く“無意識”の筋肉。常に軽く閉じており、便が漏れないようにしています。

・外肛門括約筋(がいこうもんかつやくきん)

自分の意志で動かせる筋肉。トイレのときに力んだり、我慢したりできるのはこの筋肉のおかげです。

お尻の筋肉2 骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)

肛門や膣、尿道などを下から支えている筋肉の集まり。肛門括約筋と連携して働き、排便・排尿・性機能・姿勢の安定に深く関与しています。

そして肛門は「肛門管」と呼ばれる短い通路で、直腸と外部をつないでいます。便が直腸に溜まると、内肛門括約筋が反応し、便意を感じさせる仕組みになっています。

次:お尻の穴の鍛え方

お尻の穴の鍛え方

お尻の穴(肛門まわり)、つまり骨盤底筋群の鍛え方はとてもシンプルで、場所を選ばず誰でも始められます。ここでは、代表的な方法をご紹介します。

1.背筋を軽く伸ばし、リラックスする
2.お尻の穴(肛門)を“キュッと締め、上へ持ち上げる”ように力を入れる
3.そのまま5秒キープし、ゆっくり力を抜く

10回×3セット行いましょう。締めるときに息を吐くようにすると効果的です。

監修者プロフィール

井元 雄一(いもと ゆういち)/健康科学博士・姿勢科学研究者

WHO基準のカイロプラクターとして国内外で活動し、姿勢科学に基づく身体評価と機能改善を専門とする。米国南カリフォルニア総合大学やUCLAで人体解剖学、レントゲン学、生体工学を修了し、骨盤底筋・脊柱・神経系の機能に関する研究及び臨床経験が豊富。全国の姿勢専科KCSセンターの技術インストラクターとして、腰痛・肩こり・体幹機能の改善から健康寿命延伸まで、多領域にわたり指導を行っている。現在は「姿勢から健康を科学する」専門家として、メディア監修や講演も多数。身体の構造・動作・自律神経の関係性を分かりやすく伝えることを得意としている。

<Edit:編集部>

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