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借金苦よりも「DV・ストーカー」が原因…現代の「夜逃げ屋」が見た社会の闇と、救出劇の裏側【作者に聞く】

  • 2025.12.5
画像提供:宮野シンイチさん
画像提供:宮野シンイチさん

子どもの頃から漫画に親しみ、ユーモアのある作風で知られる宮野シンイチさん。2022年8月にX(旧Twitter)に投稿された「夜逃げ屋日記」は、裏稼業とされる“夜逃げ屋”の現場を、をもとに描いたシリーズとして一気に注目を集めた作品だ。

借金だけじゃない、“今どきの夜逃げ屋”が逃がしている人たち

画像提供:宮野シンイチさん
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「夜逃げ屋日記」は実在の夜逃げ屋の仕事をベースにした作品だが、すべて完全なノンフィクションというわけではない。「『すべてノンフィクション』と言いたいところだが、“ほぼ実話”という表現が正確」だという。漫画として読みやすくするために演出を加えることもあり、例えば第2話では依頼者の部屋に制服姿の警察官2人がいるシーンが登場するが、実際に現場にいたのはスーツ姿の刑事だったという。スーツでは読者に警察官だと伝わりづらいため、あえて制服に変更したというわけだ。

そもそも宮野さんが“夜逃げ屋”という仕事に興味を持ったきっかけは、約30年前に放送されたドラマ「夜逃げ屋本舗」。当初は借金問題で首が回らなくなった人を夜逃げさせるのが主な仕事だと思っていたが、実際に話を聞いてみると、DVや虐待、ストーカー被害など、近年ニュースで見聞きするような問題を抱えた人たちを逃がす依頼が多いと知り、時代の変化を強く感じたという。

“怖い人”どころか、依頼者に寄り添う優しいスタッフたち

裏稼業という言葉から、“夜逃げ屋”に対して怖いイメージを持つ人も少なくないだろう。宮野さん自身も最初は「なかなか関わることのない業種だし、裏稼業と聞くと相当怖い人たちなのではないか」と身構えていたという。しかし実際に会ってみると、スタッフたちは気さくで優しく、依頼者が安心して話せる空気をつくる人ばかりだった。「もし本当に怖い人たちだったら、相談する側がまず心を開けないはずだ」と宮野さんは振り返る。

“危ない世界”という先入観とは裏腹に、人を助けるために動く現場の温度感が、「夜逃げ屋日記」の根っこにある。作中にはまだ登場していないスタッフもいて、全員がそろわないと描けないエピソードも多いという。そうした裏話も含めて、今後も漫画で少しずつ明かしていきたいと語っている。

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