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駐車場の車に子どもが落書き!?母親はママ友と雑談中。修理代を請求されて見えてきた互いの人間性【著者に聞く】

  • 2025.12.5

「描いちゃった…」駐車場に置きっぱなしでほこりがかぶっているところを指でなぞってお絵描きをした子ども。よく見ると、ドアの部分にこすったような傷もある。子どもたちに聞くと「僕じゃない」「知らない」という。子どもの起こしたトラブルからママ友の人間性が見えてくる、漫画家ゆむい(@yumuihpa)さんの『犯人は私だけが知っている』を紹介するとともに制作の経緯を聞いた。

「トラブル」をきっかけに当たりさわりのない距離感だったママ友の本性が透けて見えてきた

『犯人は私だけが知っている』29 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』29 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』30 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』30 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA

同じ幼稚園に通う4人のママ友たち。家がご近所なこともあり、バスの降車後に遊ぶことも多い。4人はいつものようにバスの集合場所でおしゃべりしていると、子どもたちが社宅の駐車場の車に落書きをしていると小学生が教えてくれた。慌てて見に行くと、駐車場に置きっぱなしの車のほこりがかぶっているところを指でなぞってお絵描きしていた。よく見ると、ドアの部分にこすったような傷もある。

『犯人は私だけが知っている』31 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』31 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』32 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』32 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』38 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』38 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』39 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』39 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA

お絵描きをしたり、触ってしまったけれど、傷については知らないという子どもたち。しかし目を離してしまったこともあり、「ここにいるみんなの責任」と言って4人で誠心誠意、車の持ち主へ謝罪に向かった。被害にあった人は「子どもがやったことだから」「保険で対応いただければそれでいい」と、注意だけで収めてくれた。しかしその後、古い外車ということもあり、保険だけでは修理代をまかなえないとわかる。ママたちは「差額を私たちが弁償するの?」と、息をのむ。

『犯人は私だけが知っている』61 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』61 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』62 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』62 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』63 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』63 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』64 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』64 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』68 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』68 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA

4世帯で均等に割っても10万円。夫とも話し合うが、子どもたちが傷つけたという証拠もないため、「俺たちが法律上で負う責任は、時価額まで」と言う。それぞれの家庭でどうするか検討している最中、雪田さんは、バス停に現れなくなった。「なんで?」といぶかしむ2人に高見さんは「雪田さんの息子さんが車を傷をつけたことを認めて、自分だけで賠償金を払うと言った」と、言う。突然の展開に2人は驚く。

『犯人は私だけが知っている』87 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』87 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』88 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』88 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』89 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』89 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』90 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』90 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA

本作は、作者ゆむいさんの体験談も含まれているという。「数年前、大規模な集合住宅に住んでいたことがありました。そこで子育てをしていると、風の噂でママ友トラブルの話が聞こえてくることがありまして…。そういう話を聞いていると、『ママ友』の距離感の難しさに共感するようになりました。子育ての戦友でもあるけど、場合によっては敵にもなりうる。しかも、子ども同士の関係もあるので、思い切った行動にも出づらい。あっちとこっちで主張も違う…。これは、もはやミステリーだな!?と思い、いつか、そんなもどかしさをテーマに漫画を描いてみたいと思ったのがきっかけです」受け身でいる主人公の月村さんは、積極的に行動して犯人を探しだそうとする高見さんに少しずつ違和感を覚えるように。

『犯人は私だけが知っている』95 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』95 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』96 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』96 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA

いつも雑談しているときにはわからなかった考えが透けて見えてくる。「みんな『ママ』ではあるけど普通の人間なので、あえて抜けているところや、都合よく捉えてしまう思考を取り入れてみました。“親としてよい人間であろうとしているけど、ちょっと嫌な面が滲んでしまった人”を意識しています」と、ゆむいさんはキャラ設定について話す。どこにでもいそうなママ友グループなのに、トラブルを境に「裏ではどう考えているかわからない」と思えるようになるのも見ものである。

『犯人は私だけが知っている』149 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』149 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』151 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』151 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』152 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA
『犯人は私だけが知っている』152 画像提供:(C)ゆむい/KADOKAWA

ちょっと目を離したすきに子どもが起こしたトラブル。「自分もこういうトラブルに巻き込まれるかもしれない」身近な問題であり、トラブルを通して新たに見えてくるママ友の本質もリアルだ。「全員、子ども想いな親であるという点は外さずに描きました。だからこそ、トラブルが大きく発展していくと思うので」自分の子どもを守りたいという思いで、4人のママが起こす行動。一体だれが犯人だったのか?「灯台下暗しと言いますか…。『え、そこ?』というような終わりにしたいと思いました。うまく表現できていたらいいのですが…!ぜひラストまで読んでいただけるとうれしいです!」驚きの結末に「怖い!ぞっとした」などの声も届く。

ゆむいさんはほかにも、収入のない妻を見下す夫との関係を描いた『夫の扶養からぬけだしたい』や『親になったの私だけ!?』などの書籍も大好評発売中。ブログでは日常エッセイを公開中。

取材協力:ゆむい(@yumuihpa)

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