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「小学校受験で試されるのは子どもではなく家族…」家庭の在り方が問われる“小受”のリアルとは?

  • 2025.12.4

小学校受験で試されるのは子どもではなく『家族』

小学校受験というと、多くの人が「わが子の能力が評価される場」と考えがちです。しかし実際に問われているのは、子どもの能力だけではありません。日々の生活リズム、家庭での関わり方、親の姿勢──すべてがにじみ出る“家族の在り方”そのものなのです。

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たとえば、面接では「普段、親子でどんな時間を過ごしていますか?」という質問がよく投げかけられます。これは、家庭がどれだけ子どもの興味を受け止め、成長の土台をつくっているかを見ているからです。子どもが自分の言葉で話せるのは、日頃から「聞いてもらえる安心感」が家庭にあるかどうかで大きく変わります。また、行動観察で問われる“協調性”や“意欲”も、短期間の練習だけで身につくものではありません。家庭で「人を大切にする」「困ったときは助け合う」姿勢を見せ、生活の中で自然に経験してきた子は、そのままの姿を発揮できます。つまり、日々の生活の積み重ねこそが、もっとも確かな受験対策となるのです。

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そして、もっとも深刻なのが、親の焦りが子どもに伝わってしまうこと。受験が近づくにつれ家庭の空気がピリつくと、子どもは本来の力を発揮できません。学校側が重視するのは「長く通える安定した家庭」。親の不安定さは、想像以上に大きなマイナス材料になります。こうした現実を踏まえると、小学校受験は単なる「学力の試験」ではなく、家族全体のあり方が映し出される場であることがよくわかります。そして、この家族の在り方をテーマに描かれたのが、小学校受験をめぐる家族の光と闇に焦点をあてた話題作『君の背中に見た夢は』(KADOKAWA)です。

小学校受験に揺れる“家族”の姿を描いた、現代を映す話題作『君の背中に見た夢は』

ワーキングマザー茜の決断

大手化粧品メーカーで働くワーキングマザー、新田茜。従姉妹から「中学受験は戦争だ」という話を聞き、衝撃を受けます。そして、過酷な中学受験を避けるために小学校受験を選ぶ共働き家庭が増えていることを知りました。しかし、仕事と家庭の両立、協力的でない夫、かさむ教育費――「子どもの将来にできる限りの可能性を与えたい」という思いは、現実の壁にぶつかって揺れ動きます。

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「こんな我が家がお受験なんてやっぱり無理だよね」そう諦めかけていた時、大学の同期の京子と会うことに。就職後も第一線で活躍し、結婚・出産を経てニューヨーク駐在を予定している京子は、実は茜の憧れの存在でした。京子は自身の成功の理由を、小学校から高校まで通った伝統ある名門校の『自分で考え、自分で判断して行動し、その結果に責任を持つことのできる人間を目指す』という教育理念のおかげだと語ります。「小受の記憶って、楽しかったことしか覚えていない」という京子の言葉と、難しい課題を難なくこなす娘・結衣の姿を見て、茜は再び小学校受験に前向きな気持ちを持つようになります。そして、京子も通っていたというお受験塾を紹介してもらい、意を決して“小受”の世界へ一歩を踏み出したのです。

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いざ“お受験塾”へ…問われる親の経済力と人間力

意を決して入塾したお受験塾は、まさに親たちの経済力と人間力がひしめく新たな戦場でした。子どもの幸せを願う親の気持ちの裏には、決して消すことのできない虚栄心と競争意識が渦巻いています。「我が子のために」と惜しみなく財力を注ぎ込む親たちの豊かな財力とその欲望が合わさった時、は恐ろしい過当競争が起こります。わずか3歳程度の子どもたちがふるいにかけられ、勝者と敗者に分けられる世界…。「そんな世界に娘を…」と戸惑いながらも、わが子に選択肢を与えてあげられるのは、世界で私だけなのだと、茜は自分に言い聞かせます。

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塾で出会うママ友たちが抱える“葛藤”

茜が飛び込んだお受験塾の世界。そこで出会うママ友たちは、一見華やかで優雅に見えるもの、実はそれぞれ複雑な事情を抱えています。お嬢様で裕福な専業主婦の麗佳はその胸の内に、今まで自分で生き方を選んでこられなかったことへのコンプレックスを抱えています。娘には自分で生きていける力を身につけて、自由に生きていってほしいと願っているものの、のんびりで内気な性格の娘はなかなか成果を上げる事が出来ず焦りを覚えています。

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カリスマ美容師の夫を持つ派手な若ママ・寛子は、夫の“学歴コンプレックス”により子どもに小受を強いていることに憤りを感じています。双子の子どもたちはそれぞれユニークで才能あふれる存在ですが、独創性が強すぎるため、小学校受験で求められる型にはめた動きが苦手。そのため通っている幼稚園の園長から、やんわりと志望校への受験は難しいことを指摘されてしまいます。

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求められる“家族”の姿

ママ友たちが抱える事情は、裕福さや生活の安定とは関係なく、それぞれが過去に手に入れられなかった何か、つまり満たされない心の穴を埋めようとしていることを示唆しています。

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先に解説しました通り、小学校受験で試されるのは、子供の出来不出来だけでなく“家族”の姿そのものです。では、小学校受験における「完璧な家族」とは何なのでしょうか? 子供たちの幸せとは何なのでしょうか?お受験という華やかな世界の裏側で繰り広げられる、親たちの壮絶な戦いと、それぞれの葛藤。ぜひ、この新時代の教育コミックで、“小学校受験のリアル”を体験してみてください。

『君の背中に見た夢は』

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