「俺の人生、お前のせいで台無しだ」と逆恨みする元彼。だが、私のある正論に元彼の顔色が一変【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

休日、友人を待つために駅前のカフェでコーヒーを飲んでいたときのことです。
「……おい、久しぶりだな」突然、背後から声をかけられました。
振り返ると、そこには３年前に別れた元彼の姿がありました。

かつては身なりに気を使っていた彼ですが、シャツはヨレヨレで、髪もボサボサ。
明らかに生活が荒れている様子です。
私は驚きつつも軽く会釈をしてやり過ごそうとしました。
しかし、彼は私の前の席に勝手に座り込み、信じられない言葉を吐き捨てたのです。

「お前さ、楽しそうだな。俺の人生はな、お前のせいで台無しなんだよ」

耳を疑いました。
私たちが別れた原因は、彼の度重なる浮気と借金癖です。私が愛想を尽かして家を出たのが最後でした。
それなのに、彼は恨めしそうに私を睨みつけます。

「お前が出て行ってから、運気が下がったんだ。仕事もクビになったし、新しい女とも続かねえ。お前が俺を見捨てたから、俺は不幸になったんだぞ。責任とれよ」

あまりにも身勝手な言い分に、怒りを通り越して呆れてしまいました。
周りの視線も気になります。私はコーヒーカップを静かに置き、彼の目を真っ直ぐに見つめて言いました。

「あのね、勘違いしないで。私たちが別れたのはもう３年も前のことよ」

私は深呼吸をして、彼に一番伝えたかった「正論」を突きつけました。

「あなたの人生がうまくいっていないのは、私がいないからじゃないわ。あなたが自分の弱さと向き合わず、人のせいにして逃げ続けてきた結果でしょう？私はもう結婚して、幸せに暮らしているの。あなたの不幸の責任を、私に押し付けないで」

その瞬間、彼の顔色が一変しました。
怒りで赤くなっていた顔が、みるみる青ざめ、口をパクパクさせて言葉を失っています。
おそらく、心のどこかでは分かっていた図星を突かれたのでしょう。

「……っ」

彼は何も言い返せず、逃げるように店を出て行きました。
その後、合流した友人にこの話をすると「すごい迫力だったよ」と笑われましたが、私の心は不思議と晴れやかでした。自分の人生の舵は自分で取るしかない。改めてそう感じた昼下がりでした。

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