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「一重はかわいそう」と整形を強要…服も友人もすべて母が決める“毒親”支配の恐怖【作者に聞く】

  • 2025.12.3
整形をさせたうえに進路にまで口出ししてくる母 (C)グラハム子/KADOKAWA
整形をさせたうえに進路にまで口出ししてくる母 (C)グラハム子/KADOKAWA

子どもに「こう育ってほしい」と願う気持ちは多くの親が抱くもの。だが、その理想をすべて子どもに押しつけたら――。「あなたのため」と言いながらも外見や進路、感情にいたるまであらゆる選択をコントロールする母に翻弄され、娘は摂食障害へと追い込まれていく。

自伝的エッセイ漫画『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』は、作者・グラハム子さん自身の体験をもとに、親の過干渉が子どもの人生をどれほど歪めてしまうのかを描いた作品として大きな反響を呼んでいる。

母の過干渉を描くのは、心のしこりを漫画で昇華するため

『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』1 (C)グラハム子/KADOKAWA
『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』1 (C)グラハム子/KADOKAWA
『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』2 (C)グラハム子/KADOKAWA
『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』2 (C)グラハム子/KADOKAWA
『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』3 (C)グラハム子/KADOKAWA
『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』3 (C)グラハム子/KADOKAWA

グラハム子さんが漫画を描き始めたのは、出産・育児を機に家でもできる趣味として始めた育児漫画がきっかけだったという。やがて、自身の“心に残り続けたモヤモヤ”を言語化する最良の手段が漫画だと気づき、母からの過干渉で苦しんだ経験を作品に描き起こすようになった。

母は「理想の娘」を求め、服装から交友関係、学校の選択まで細かく指示し続けた。当時はそれが「普通の家庭」だと信じ込んでおり、違和感を抱くことさえできなかったという。

高校進学後、体型の変化に対しても母から厳しい言葉が向けられ、やがて摂食障害に。両親は別居しており、父に相談することもできず、整形についても「言ってはいけない」と母から口止めされていた。

閉じた世界から抜け出すきっかけ、そして辿り着いた母との関係の形

母の言うことが絶対ではないと気づく転機となったのは、20代で経験した大けがだった。スポーツができなくなり、自分の意思でどう生きるかを考えざるを得なくなったことで、母から与えられた価値観の外側に目を向けるようになったという。心理学や親子関係の本を読み漁り、自分の内側にあった「母の声」を一つずつほどいていった結果、ようやく感情が整い始めた。

母との関係についても「絶縁か仲良しかの二択ではない」と語る。現在は距離を保ちつつ、精神的に耐えられる範囲で繋がりを続けている。「自分にとってのベストなグレー」を選んだ形だ。同じ経験を持つ人へは「今は決断できなくても、未来のあなたならきっとできるようになるよ」とエールを送る。

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