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エヴァの魅力がぎゅっと詰まった30周年展が六本木で開催中!「ALL OF EVANGELION」潜入レポ

  • 2025.12.3

今年30周年を迎える『エヴァンゲリオン』シリーズの節目に開催される30周年記念展「ALL OF EVANGELION」が、2026年1月12日(祝)まで六本木ヒルズ森タワー52階の東京シティビューで開催中だ。作品の歩みをじっくりたどれる展示がそろっていて、リアル世代も映画から入った世代も、エントランスに足を踏み入れた瞬間から自然と気分が上がっていく。今回は開催前日の内覧会に参加し、その様子をひと足早く紹介。空間を歩くたびに、あちこちに散りばめられた30年分の名場面が目に飛び込み、「あ、あの場面!」と心が躍る。そのワクワクに引っ張られながら、気になるポイントを順に追っていきたい。

初号機の巨大フィギュアが鎮座するエントランス
初号機の巨大フィギュアが鎮座するエントランス

90年代に社会現象として広がったエヴァンゲリオンは、アニメ界で著名なクリエイター・庵野秀明さんを中心に作られた作品。物語の深さや独特の世界観に触れるたびに“もう一度観たい”と思わせてくれる存在で、今年で30周年を迎えた今も、その魅力はまったく色あせない。キャラクターの感情、美術、演出、音楽が織りなす唯一無二の魅力が、長い時間をかけて多くの人を惹きつけ続けてきた。

エヴァ愛全開の藤田さんニコルさんが、オープニングセレモニーに登場!

30周年の幕開けを祝うオープニングセレモニーでは、エヴァ好きとして知られる藤田ニコルさんが姿を見せた。アスカをイメージした深い赤色のワンピース姿で現れ、「気持ちはアスカです。エヴァの赤ってちょっとダークな印象があるので、衣装もシックにしてみました」と、エヴァ愛いっぱいのコメントでトークが始まった。

アスカをイメージして赤いドレスで登場した、藤田ニコルさん。シンジの「逃げちゃだめだ」というセリフに対し、「私も逃げちゃだめだ」と思うこともあったと振り返った 【提供画像】 (c)カラー/Project Eva. (c)カラー/EVA製作委員会 (c)カラー
アスカをイメージして赤いドレスで登場した、藤田ニコルさん。シンジの「逃げちゃだめだ」というセリフに対し、「私も逃げちゃだめだ」と思うこともあったと振り返った 【提供画像】 (c)カラー/Project Eva. (c)カラー/EVA製作委員会 (c)カラー

ひと足先に展示を巡った藤田さんは、「展示数もすごいですし、普段見られない角度や細かな設定まで感じられて楽しかったです。時間が足りないくらいでした」と興奮気味。アニメも映画も繰り返し観てきたという彼女が「もう一度観返したくなりました」と語る姿から、作品への深い愛着がそのまま伝わってくる。

また、若い世代から見たエヴァの魅力について聞かれると、「最初に観たときはいい意味で癖が強くて、一度では理解できなくて。そういう“沼”みたいな魅力があると思います」と素直な視点でコメント。

後半には東京会場限定の照明演出も披露され、窓の向こうに見える東京タワーとのコントラストを前に「かっこいい。すごくすてきです」と思わず見入る場面も。最後には「エヴァが好きな方はもちろん、これから知りたい人にも楽しめる展示。ゴージャスな雰囲気なので、ぜひおめかしして来てほしいです」と来場を呼びかけた。

30年の歩みと、“あの名シーン”が次々よみがえる展示

エヴァンゲリオンは、14歳の少年少女が巨大な人造兵器に乗り、未知の敵・使徒に立ち向かう物語として1995年にスタートした作品。独自の世界観や音楽性、キャラクターの魅力で多くの人を惹きつけ、アニメ史に残る存在となった。その歩みを、1995年のテレビシリーズから『シン・エヴァンゲリオン劇場版』まで一気にたどれるのが今回の展覧会だ。

エントランスの初号機のフィギュアは、絶好の撮影スポット
エントランスの初号機のフィギュアは、絶好の撮影スポット

六本木ヒルズ森タワー52階のエントランスでは、まず初号機の巨大なフィギュアが来場者を迎える。都心の景色と重なるダイナミックな姿に思わず足が止まり、日没後の照明演出ではさらにテンションが上がる姿を見せてくれるという。

初号機が迫り来る迫力あるスタイルで、来場者を迎えてくれる
初号機が迫り来る迫力あるスタイルで、来場者を迎えてくれる

展示は序章を含む5章構成。最初の序章「胎動」には、テレビシリーズ誕生前夜の空気を感じられる設定資料が集められている。キャラクターの表情やメカの細かな設計など、作品を支える基礎の部分をまとめて見ることができ、どこから読み解いても新しい発見がある。

序章「胎動」の展示風景
序章「胎動」の展示風景
キャラクターや汎用人型決戦兵器、メカなど、作画の基本となる設定資料が公開されている
キャラクターや汎用人型決戦兵器、メカなど、作画の基本となる設定資料が公開されている

序章の空気を味わいながら進むと、幕がかかった入り口が現れ、いよいよ第1章「始動」が始まる。壁にはセル画がずらりと並び、選び抜かれた約270点から制作当時の温度がそのまま伝わってくる。テレビシリーズの各話タイトルと、その回を象徴する場面がまとまって展示されていて、眺めているだけでストーリーが自然に思い出が浮かぶ。

第1章「始動」の展示風景
第1章「始動」の展示風景
第1章では、セル画を約270点展示。圧倒的な枚数のセル画が各話ごとに展示され、放送当時のエピソードがよみがえる
第1章では、セル画を約270点展示。圧倒的な枚数のセル画が各話ごとに展示され、放送当時のエピソードがよみがえる

中には、長い年月のなかで別の塗料が癒着してしまったセル画もあり、素材が経てきた時間をそのまま語ってくれる展示も印象的だ。「輪郭線の黒が褪せていくことがある」という現象にも触れられていて、作られた瞬間から始まる“作品の経年変化”を間近で感じられるのも魅力。

経年劣化によって、別のセル画の塗料が癒着してしまった事例も紹介されている
経年劣化によって、別のセル画の塗料が癒着してしまった事例も紹介されている

第2章「鳴動」では、音と映像の関係性に注目。第壱話「使徒、襲来」の画コンテの展示や、各話予告の連続上映があり、緊張感ある“次回予告”の楽曲に合わせて予告映像が次々と映し出される。それを眺めていると、当時テレビの前で次週を待ちきれなかったあの高揚感がふっとよみがえる。画コンテには効果音や演出の意図まで細かく書き込まれていて、作り手が何を大切にしていたのかが自然と伝わってくるのもおもしろいポイントだ。

第壱話「使徒、襲来」画コンテなどと一緒に、葛城ミサトのナレーションが巧みに組み合わさった各話の予告映像を投影
第壱話「使徒、襲来」画コンテなどと一緒に、葛城ミサトのナレーションが巧みに組み合わさった各話の予告映像を投影

続く第3章「躍動」と、第4章「結実、そして新たな鼓動」は、新劇場版シリーズを軸にした展示。手描きの原画やレイアウトには、アニメーターの筆跡や迷いも残り、作画の生の温度がそのまま感じることができる。さらに、3DCGで構築された空中戦艦AAAヴンダーのホログラム展示は圧巻で、細部まで作り込まれた造形美を360度から眺められる特別展示だ。

第3章「躍動」の展示風景
第3章「躍動」の展示風景
原画やレイアウトなどの手描きの制作資料の数々。ダイナミックな筆致から、クリエイターの熱い思いが伝わってくる
原画やレイアウトなどの手描きの制作資料の数々。ダイナミックな筆致から、クリエイターの熱い思いが伝わってくる

シリーズ完結作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の資料もまとまって展示されており、手描きからデジタル、さらには実写的手法まで表現を広げ続けてきた歩みを立体的に見ることができる。

第4章「結実、そして新たな鼓動」の展示風景
第4章「結実、そして新たな鼓動」の展示風景
手描きアニメからデジタル制作へ。そして実写の手法も取り入れて進化し続けたエヴァがどうやって完結したのか。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のイメージボードや設定資料や原画が展示されている
手描きアニメからデジタル制作へ。そして実写の手法も取り入れて進化し続けたエヴァがどうやって完結したのか。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のイメージボードや設定資料や原画が展示されている

ひと通り歩き終える頃には、30年分の制作の裏側や、普段は知ることのない作画の豆知識まで自然と頭に入っていて、“この作品を支えてきたもの”への理解がぐっと深まるはず。ファンなら一度は見ておきたい、濃密な内容だ。

喉から手が出るほど欲しい!会場限定グッズが大集合

併設のオフィシャルストア「EVANGELION STORE」には、描き下ろしイラストを使ったアイテムが勢ぞろい。シンジ、レイ、アスカ、マリ、カヲルの5人がそろう箔押しアクリルスタンドや缶バッジセット、展示原画をあしらったトレーディングマグネットなど、喉から手が出るほど欲しい、オリジナルグッズがラインナップ!初号機の原画を大胆に配したスケートボードデッキや、40枚入りのポストカードBOXなど、コレクション性の高いアイテムも要チェックだ。

箔押しアクリルスタンド(手前・各1980円)と箔押しアクリルブロック(奥・各4400円)
箔押しアクリルスタンド(手前・各1980円)と箔押しアクリルブロック(奥・各4400円)
Tシャツ(3850円)
Tシャツ(3850円)
会場限定の主なオフィシャルグッズ。缶バッジセット(2750円・右)、展示原画をあしらったトレーディングマグネット(660円・左下)、スケートボードデッキ(1万4850円・左上)、40枚入りのポストカードBOX(7700円・右下)など魅力的なアイテムがそろう
会場限定の主なオフィシャルグッズ。缶バッジセット(2750円・右)、展示原画をあしらったトレーディングマグネット(660円・左下)、スケートボードデッキ(1万4850円・左上)、40枚入りのポストカードBOX(7700円・右下)など魅力的なアイテムがそろう

さらに注目なのが、「ALL OF EVANGELION」公式図録。初公開のものを含む原画や設定資料が272ページに詰め込まれ、展覧会の熱をそのまま持ち帰れるような一冊になっている。

「ALL OF EVANGELION」公式図録(4620円)
「ALL OF EVANGELION」公式図録(4620円)
平日限定で、来場者に描きおろし「特製カード」がプレゼントされる。シンジ、レイ、アスカ、マリ、カヲルがデザインされ、全部そろえると1つのデザインが完成する
平日限定で、来場者に描きおろし「特製カード」がプレゼントされる。シンジ、レイ、アスカ、マリ、カヲルがデザインされ、全部そろえると1つのデザインが完成する

※グッズは販売状況により、売り切れの場合があります。

作品の世界観を味わうコラボメニュー

東京会場限定で楽しめるコラボメニューが勢ぞろい。会場隣接のTHE SUN & THE MOON(Cafe)では、作中の登場人物をイメージしたフードやドリンクが味わえる。

THE SUN & THE MOON (Cafe)で楽しめる限定メニューも必見!
THE SUN & THE MOON (Cafe)で楽しめる限定メニューも必見!

まずフードは、初号機がA.T.フィールドをこじ開ける場面をスパイスで表現した初号機スパイスチキンカレー、アスカをイメージした式波・アスカ・ラングレーのトマトパスタ、第10の使徒の戦闘シーンを再現した第10の使徒バーガーなど、見た瞬間にテンションが上がるメニューばかり。

初号機スパイスチキンカレー(1950円)
初号機スパイスチキンカレー(1950円)
式波・アスカ・ラングレーのトマトパスタ(1990円)
式波・アスカ・ラングレーのトマトパスタ(1990円)
第10の使徒バーガー(2250円)
第10の使徒バーガー(2250円)

デザートは、黒ゴマの香りと多彩な食感が楽しい渚カヲルの黒ゴマパフェ、レイのイメージカラーで仕上げた綾波レイのシフォンケーキデザートなど、それぞれのモチーフがしっかり感じられるラインナップ。

渚カヲルの黒ゴマパフェ(1850円)
渚カヲルの黒ゴマパフェ(1850円)
綾波レイのシフォンケーキデザート(1790円)
綾波レイのシフォンケーキデザート(1790円)

ドリンクは、ネーミングに登場人物の印象的なセリフが使われていて、碇シンジ「笑えばいいと思うよ」ブルーカルピス、綾波レイ「あなたは死なないわ 私が守るもの」サイダー、式波・アスカ・ラングレー「あんた、バカぁ?」ザクロオレンジジュースなど全5種が用意されている。セリフを思い出した瞬間に、作品への思いがふっとよみがえるような一杯だ。

綾波レイ「あなたは死なないわ 私が守るもの」サイダー(左)と、式波・アスカ・ラングレー「あんた、バカぁ?」ザクロオレンジジュース(右・各990円)
綾波レイ「あなたは死なないわ 私が守るもの」サイダー(左)と、式波・アスカ・ラングレー「あんた、バカぁ?」ザクロオレンジジュース(右・各990円)

キャラクターたちの個性をそのまま味わえるメニューが並び、展示の余韻をしっかりと満たしてくれる。

2026年1月12日(祝)までの期間中は、各キャラクターがデザインされたテーブルで楽しめる
2026年1月12日(祝)までの期間中は、各キャラクターがデザインされたテーブルで楽しめる
「ALL OF EVANGELION」は、2026年1月12日(祝)まで開催中!
「ALL OF EVANGELION」は、2026年1月12日(祝)まで開催中!

30年を経た今も心を動かし続けるエヴァンゲリオン。その魅力に触れられる今回の展覧会は、セル画や原画、レイアウトなど、制作の核になった資料が惜しみなく並び、あの頃画面越しに見ていた世界の“作られ方”にぐっと近づける。作品が積み重ねてきた30年の歩みをたどりながら、あらためてこの作品の奥深さに浸れるはず。気になる人は、ぜひ会場でその濃さを体感してみてほしい。

(c)カラー/Project Eva. (c)カラー/EVA製作委員会 (c)カラー

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取材・文・撮影=北村康行

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