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【60代エンタメ】撮影NGなし!吉井和哉のルーツや素顔に触れるドキュメンタリー映画『みらいのうた』

  • 2025.12.4

THE YELLOW MONKEYのボーカル、またソロアーティストとしても活躍する吉井和哉さんの3年間を追ったドキュメンタリー映画『みらいのうた』。12月5日(金)より全国公開です。 吉井和哉さんをロックの世界に引き入れた“恩人”との再会、そして40年ぶりのセッションを追うドキュメンタリーのはずが、撮影中に吉井さんの咽頭がんが発覚。台本のない密着期間は約3年におよび、吉井さんの音楽活動の原点、家族や友人しか知らない素顔を映し出します。これまで、そしてこれからの人生を見つめ直す『みらいのうた』の見どころをご紹介します。

ストーリー

ミュージシャン・吉井和哉の原点を探るため、本人の運転で地元・静岡に向かった2022年。そこには彼を音楽の世界に引き入れたミュージシャン・EROがいた。脳梗塞で倒れ、音楽活動どころか仕事もできなくなったEROのために、かつて共に活動したバンド「URGH POLICE(アーグポリス)」の曲を40年ぶりに一緒に演奏しようと約束する吉井。セッション実現までを追うドキュメンタリー撮影のはずだったが、撮影開始から数か月後、吉井が咽頭がんになっていることが発覚。治療をしながら制作を続け、ライブに向けてリハーサルの日々を過ごすものの、思うように声は出ず、ある決断を下すことになる。 そしてついに、スタッフ、ファンの祈りが集まった、東京ドームライブの“復活の日”を迎えた吉井。ライブの3か月後には、EROとの約束を果たしに、静岡に帰郷する。

【見どころ1】「ここまで見せていいの?」NGなしで回し続けたカメラに映ったものとは

映画冒頭から映し出されるのは、吉井さんの地元・静岡の海。舞台役者だった父と踊り子だった母が出会った場所であり、父が亡くなって以降5歳から10代まで住んでいた地です。吉井さんは静岡で実家に寄って母と会い、一緒に洋楽のレコードを聴いていた同級生を訪ね、そして10代の頃出会いバンド活動を始めたきっかけとなったミュージシャン・EROさんのところへ出向きます。EROさんは撮影の数か月前に脳梗塞で半身不随になっていましたが、懸命なリハビリを重ねて再びギターを弾こうとしていました。

その後吉井さんが声帯のポリープ治療を進めるなかで、咽頭がんであることがわかります。吉井さんは病院通いの日々や治療の様子、声が出せないときもカメラを回すことをOKしていて、お母様や地元の友達が登場することもそうですが、ロックミュージシャンがここまで素顔をさらけ出してくれるんだ、と驚きます。

また、ドキュメンタリー撮影を始めてから立て続けに大きなプロジェクトが動き出し、闘病中も楽曲制作やライブへ向けての準備は進みます。カメラは吉井さんの声が出なくなるリハーサルの様子も赤裸々に映し出し、THE YELLOW MONKEYメンバーの声、ファンの声も丁寧に拾い上げています。音楽活動の舞台裏が見られるのは貴重で、THE YELLOW MONKEYファンだけでなく、音楽ファンの興味を誘う内容になっています。

【見どころ2】音楽の神様はいるのかも…闘病を経た2人の音楽家が向かう場所

吉井和哉

ERO

密着が始まった頃は映画になるかどうかも決まっておらず、「EROと出会っていま(の吉井和哉)があると知ってほしい」ということ静岡を訪れた吉井さん。3年にわたって撮影が続くなかで、吉井さんやEROさんの体調や、ミュージシャンとしての活動にも大きな変化があり、台本のないドキュメンタリーはドラマチックな展開に。教会や神様という言葉がキーワードとして登場し、「音楽の神様っているのかも」と思うようなできごとが起こります。

劇中で吉井さんは「自分も年を取るし、ファンもみんな年を取るし、みんなで乗り越えていこう」とコメントし、復活ライブに挑む姿を見せることで「同じ境遇にいる人、病気で苦しむ人の安心材料になりたい」と語ります。もうひとりの主人公EROさんは「自分を理解してもらうために歌う」と決意し、作詞、ギター、歌すべてがリハビリを経ての再挑戦。同じ時代を過ごしてきた50代、60代にはグッとくるシーンがたくさんあります。

【見どころ3】ミュージシャンの懐にすっと入るエリザベス宮地監督

映画を撮影したエリザベス宮地監督は、高知県出身で現在40歳。藤井⾵、back number、ano、BiSHなど様々なアーティストのドキュメンタリー映像やミュージック・ビデオの撮影実績があります。2020 年に監督した優⾥「ドライフラワー」MV の再生回数は現在までに2億回越え! また、2025年に監督したback number「ブルーアンバー」MVは、実在するドラァグクイーンを主役としたドキュメンタリーとフィクションが入り混じった内容で、3分半の映像に釘付けとなり感情を揺さぶられます。 相手へのリスペクトは忘れずに、どんなミュージシャンでも過剰にスター扱いしないフラットな雰囲気に心を開くのか、今作でも吉井さん、EROさんはリラックスしたやさしい表情を見せ、時々本音がこぼれ落ちているように見えます。エリザベス宮地監督だから撮れた映像は、なんとトータル500時間にもなったとか。それを2時間17分にギュッと凝縮しているのだから、見ごたえあります。

【ここにも注目!】吉井さんの思い出の味

中学卒業後、いくつかの飲食店で働いていた吉井さん。最初に働いた「地中海」という喫茶店でEROさんと出会い、「ロック好きなのか?」と話しかけられたのがきっかけで親しくなり、のちに同じバンドに入ることになったのだとか。その後ファストフード店でも長く働き、サブマネージャーにまでなったと明かしています(自叙伝『失われた愛を求めて』より)。その思い出もあってか、EROさんの家への差し入れや、一緒にお茶するのにファストフードを利用するシーンが何度か登場。ハンバーガーをほおばる吉井さんの姿に親近感がわきます。 ドキュメンタリー作品ならではの見どころが詰まった『みらいのうた』、ぜひ劇場でお楽しみください。

作品情報

『みらいのうた』
12月5日(金)全国公開

出演:吉井和哉 ERO
監督:エリザベス宮地
© 2025「みらいのうた」製作委員会

この記事を書いた人 富田夏子

雑誌ライター歴21年。得意分野はエンタメ、フード、ライフスタイル。映画ライター/映画ごはん研究家として、「映画とごはんをつなぐメディア」をSNSで展開し、映画と食に関連する情報や体験をシェアしている。日本映画ペンクラブ会員。 雑誌やWEBへの映画レビュー連載歴は14年で、俳優や映画監督のインタビューも手がける。料理取材の試食は残さず食べる食いしん坊。

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