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最新回の朝ドラ「ばけばけ」ウラの見所~今日も不憫な錦織(吉沢亮)、3人の絶妙な“間”に笑った。演技派たちから生まれるコメディ

  • 2025.12.3

【朝ドラのツボ!】

第10週「トオリ、スガリ。」#48

(C)NHK
(C)NHK

松江の寒さに風邪を引いてしまったヘブン(トミー・バストウ)。ヘブンの回復を祈り必死に看病するトキ(髙石あかり)のもとに、小谷(下川恭平)がお見舞いに駆けつける。

ヘブンを元気づけようとする小谷に対し、トキはヘブンの姿に亡くなった傳(堤真一)を重ね、不安を募らせていた。小谷はトキを励まそうと怪談の舞台地巡りに誘うのだった。その頃、松野家ではサワ(円井わん)から小谷がトキに好意があることが伝わる。

【本日のツボ】

「ワタシヤマイ アナタミマイ」

※※以下、ネタバレあります※※

布団の中で、ブードゥー人形を握りしめ、「快復しろ、暖かくなれ」と願うヘブン。同じように、ふすま1枚隔てた台所で、「よくなりますように、松江が暖かくなりますように」とヘブンに貰ったブードゥー人形を握りしめて願うおトキ。

困った時の神頼み、やはりこの2人は一緒になるべくしてなるんだなあ、ということを思わせる描き方でした。

そこへ、お邪魔虫、じゃなかった小谷がお見舞いにやってきます。小谷の目的がヘブンでないことは、視聴者にはとっくにわかっているわけですが、当のおトキはまだ気づいていません。

ヘブンの枕元で、「錦織先生が教えて下さっています。…ですが、ヘブン先生の授業のほうがずっとずっと面白く…。なので、1日でも早く戻ってきて欲しいと皆」と小谷。

(C)NHK
(C)NHK

「アリガトウ。But、ニシコリサン、イマス。イマス、ニシコリサン」とヘブンに言われ、「ん? ニシコリサン?」と振り返る小谷。そこには、正座する錦織(吉沢亮)の後ろ姿が。

「あっ!」と驚く小谷。微動だにせず、「悪いなあ つまらん授業で」と錦織。「い、いつから?」「ずっと居たよ」「小谷さんがいらした時はお手洗いに」とオトキ。「悪くなかったですよ。久々の錦織さんの授業」「悪くなかった?」とここで振り向く錦織。そこにヘブンとおトキの笑い声も重なります。

小谷、錦織、おトキ、3人の間が絶妙でひと笑いさせていただきました。

ラップのようなヘブンの言葉

(C)NHK
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錦織が帰っても、帰らない小谷。目的はおトキなのだから、それはそうでしょう。

ヘブンが小谷に、「私が死んでも悲しまないで。ただの通りすがりの異人です」とおトキに伝えるよう言います。「通りすがりの異人」という言葉に一抹の寂しさを覚えるおトキ。表情がなんともいえません。

ラストのうぐいすを相手に、「あんたとの距離のほうが縮まっちょるかもね」というのもよかったです。

話は小谷に戻って。おトキと怪談ランデブーの約束をとりつけます。盛り上がる2人に、寝ていたはずのヘブンがふすまを開けて「コタニ! シャラップ!」と2人の元に近づいてくるヘブン。

(C)NHK
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「ワタシヤマイ アナタミマイ」、そして、英語で「楽しくおしゃべりなんておかしい」と。すみませんと謝る小谷に、「アバヨ、アバヨ!」と帰れのジェスチャーをして怒りを露わにしました。

寒いのに、わざわざ布団から出てきて、小谷に文句を言うヘブン。これは嫉妬ではないかと思ったり。「ワタシヤマイ アナタミマイ」、ラップのようなヘブンの言葉に笑ってしまいました。

小谷がおトキを好いているとおサワから訊き、こちらも盛り上がる松野家。「おトキには内緒に」とおサワが口止めすると、「だったら、おサワちゃんが内緒にしとかんと」「まったくじゃ。すべてワシら喋っとる」「おサワちゃんって意外とお口が軽いのね」と松野家の3人。

おサワの「面目ございません」で、こちらもひと笑い。演技達者の俳優が揃うと、何気ない会話からも笑いが生まれてきて、それも楽しみです。

(桧山珠美/TVコラムニスト)

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