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家賃5000円の“事故物件”が、少女にとって唯一の居場所だった。虐待とネグレクトの果てに生まれた奇妙な共同生活【作者に聞く】

  • 2025.12.3
 アパートに住み着く霊は騒ぎ立てる子供が嫌いだった 画像提供:爽(@ktt0310)
アパートに住み着く霊は騒ぎ立てる子供が嫌いだった 画像提供:爽(@ktt0310)

家賃5000円という破格の物件に引っ越してきたのは、母親とその子ども、内縁の夫という訳ありの家族。家賃が破格の理由は、このアパートが「出る」といわく付きの物件だったからだ。今回は、爽さん(@ktt0310)の創作漫画「幼女と幽霊」を紹介するとともに、制作秘話を伺った。※本作はセンシティブな表現があります。閲覧にご注意ください。

子どもの髪を切り足蹴りする内縁の夫

うるさかったら、いつもみたいに脅かして追い出してやろうと企む 画像提供:爽(@ktt0310)
うるさかったら、いつもみたいに脅かして追い出してやろうと企む 画像提供:爽(@ktt0310)
 子供の髪の毛を無理やり断髪し、足蹴りにする内縁の夫 画像提供:爽(@ktt0310)
子供の髪の毛を無理やり断髪し、足蹴りにする内縁の夫 画像提供:爽(@ktt0310)
幽霊と幼女(10) 画像提供:爽(@ktt0310)
幽霊と幼女(10) 画像提供:爽(@ktt0310)

格安物件の安さの理由は、霊が住み着いているからだ。今まで霊の「すみ」が気に入らない住人は、霊的現象で脅かし、追い出してきた。今回も新しい住人たちを、すみは押し入れの片隅から伺っていた。

当初、子どもはうるさいから追い出そうと考えていたすみ。しかし、騒々しいのは大人たちのほうだった。男は「髪が長い」からと、りのの毛をバッサリ切り、抵抗する子どもを足蹴りにした。

耐えるりのの姿に自身の過去を重ねたすみは、男と母親を追い出すことにした。突然の霊的現象に怯えた2人は、アパートを逃げ出す。

置き去りにされた幼女と幽霊の絆

2人はりのを置き去りにしたまま、迎えにくることはなかった。りのには幽霊のすみが見え、奇妙な2人だけの生活が始まる。

しかし、りのは人間だ。日が経つにつれ食料は減り、腐ったものを食べて食中毒を起こしてしまう。吐いて苦しむりのを見て、すみはなんとか助けようと動いた。

無事に助かったりのは父親側へ引き取られたが、離れても刻まれた2人の絆に「涙が止まらない」という読者が続出した。作者の爽さんは「とてもうれしかったです。虐待や自殺などのシーンが出てくるので、あまり読んでもらえないかも…と思っていましたが、温かいコメントをたくさん頂けて、とても励みになりました」と語る。

怖がりだからこそ描けた「感動するホラー」

制作のきっかけについて爽さんは、「本来私はとても怖がりなくせに、ホラー映画を観てしまうタイプです。制作前もホラー映画を観てビビり散らしていて、この恐怖をなんとかしたくて怖くない、感動するホラー漫画を描こう、と思い立ったのがきっかけです」と明かす。

こだわったポイントは「隙間時間に気軽に読んでもらえればいいなと思い、とにかく『短くわかりやすく』にこだわりました。見やすい画面作り、セリフも多くなりすぎないように気をつけました」と語った。セリフを少なく絵で感情を表現したことが、多くの人の心を動かしたのだろう。

取材提供:爽(@ktt0310)

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