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今さら聞けない「非認知能力って何?~点数化できない力を育てるために、家庭でできる6つのこと~

  • 2025.12.2

いまさら聞けない「非認知能力」ってなに?~ 「点数で測れない力」を育てるために家庭でできる6つのこと~

お家で差がつく子育て知識をお伝えする、元教員のmama先生です!みなさんは「非認知能力」という言葉を耳にしたことはありますか? 最近、教育関係の書籍やニュースでよく登場するようになりましたが、「結局なんのこと?」「学力とはどう違うの?」と感じている方も多いかもしれません。 今回は、非認知能力の意味と、なぜ今注目されているのか、そして家庭や学校でどう「見える化」できるのかを考えてみたいと思います。① 今さら聞けない?非認知能力とは「認知能力」は、テストで点数化できるような知識や計算力、語彙力などを指します。 一方「非認知能力」とは、それ以外の数値では測りにくい、人間的な力のこと。たとえば、やり抜く力(GRIT)、協調性、共感力、創造性、自制心、コミュニケーション力などが挙げられます。感情を理解し調整する力を「EQ(感情知能指数)」と呼んだり、人間関係の質を示す「SQ(社会的知能指数)」なども含めて語られることがあります。 つまり非認知能力とは、「人とともに生き、自分らしく未来を切り拓いていくための土台」と言えるでしょう。② なぜ大切?教育界が非認知能力に注目する理由これまで学校教育では、点数化できる「認知能力」に重きが置かれてきました。例えば成績表にはテストの点数などが主に反映されますよね。 しかし、近年の入試改革やグローバル社会の変化により、重要視される力が変わりつつあります。たとえば、大学入試では「自己推薦書」や「面接」「探究活動の成果」など、単なる学力試験以外の評価が重視されるようになっています。東京大学の新設学部の入試方法に、筆記試験がなかったことで驚かれた方も多いのではないでしょうか。 社会に出てからというと、その人の偏差値などよりも人間的な魅力の方が大切にされます。正解のない課題に挑み、他者と協力し、柔軟に学び続けられる人材こそが求められますよね。学校で学ぶ力(認知能力)と、社会で求められる力(非認知能力)のギャップが指摘される中で、今「両輪のバランス」が大切だと再認識されているのです。

点数では測れない力を育てるために

③ 学校で育まれる多様な非認知能力小学校の教室をのぞくと、実は日々の生活の中で多様な非認知能力が育まれています。・どんな友達とも分け隔てなく仲良く過ごせる子・リーダーシップを発揮し、仲間から慕われる子・苦手なことに挑み続ける「やり抜く力(GRIT)」のある子これらはテストの点数では測れませんが、学級という小さな社会での経験が大きく影響しています。たとえば、係活動や委員会活動を通して責任感を学ぶ。班活動で意見を出し合い、折り合いをつける。そうした一つ一つの経験が、子どもたちの非認知能力を確実に育んでいます。さらに、宿題や自主学習、習い事などにも「やり抜く力」が表れます。自分に合った目標を立て、計画的に取り組む力は、社会に出てからの「自律」にもつながっていきます。④ 点数化できない力をどう育てる? 学校での「見える化」非認知能力は点数で表せない分、成長を実感しにくいのが難点です。そこでカギになるのが「見える化」です。小学校ではこんな取り組みをすることがあります。〇振り返りを書く。体育などの学習においても、今日はどんなことに挑戦できた?誰にアドバイスできた? めあてにそって小さな行動を言葉に残すことで、子ども自身も成長を実感できます。〇今日のMVP帰りの会などで、その日に良いことをした人を、みんなの前で紹介する。これは馴染みがあるのではないでしょうか。みんなに気付かれないところで、さっとごみを拾った子。それを見ていてみんなに伝えた子。どっちも褒めてあげたいですね。〇目標を数値ではなく行動で設定する「100点をとる」ではなく「毎日10分、自主勉強を続ける」「困っている友達に声をかける」など、行動レベルでの目標を見える形にします。目標を書いたカードを机に貼って、達成したら更新!なんていう取り組みをした年もありました。(もちろん自分しか見れないようになっています)〇親や先生がフィードバックを言語化する「最後までやり抜いたね」「意見を言えたね」と具体的に伝えることで、子どもが自分の力に気づき、次の挑戦につながります。見えない力だからこそ、見える形=言語を通して伝えてあげることが大切です。〇目指せ!満タン学級目標を設定し、それに向かって小さな目標を達成できたら、ポイントがたまる。全部たまったら、お楽しみ会!など。目標に向かって努力する力や、みんなで協力する力などが育ちますね。もう10年以上も前のことですが、私が初任として小学2年生の担任をした時のことです。「お手紙」という有名な物語が国語の教科書に載っていました。きっと皆さんも知っている、あのカエルさんたちのお話ですよね。その単元の学習が終わるころ、私のクラスの後ろに、35個のお手紙ポストを作りました。「ありがとう」や「すごいね」「かっこよかったよ」など、相手の良さを、お手紙に書いて相手に伝えるためのツールです。もちろん、いたずらなどに使ってしまったり、悲しむ子がでないようにしたりするための指導や管理は必須ですが、子どもたちはそんな大人の心配をよそに、毎日あたたかい「お手紙」を送り続けました。「はっぴょうがはすがしいっていっていたのに、きょう手をあげていたよね。かっこいい。ぼくもがんばるね」「わたしのえんぴつを、いっしょにさがしてくれてありがとう」「〇〇さんのあいさつは、すごく元気」確か、このような生活の中にある、ごくごくありふれた内容ばかりでした。だからこそ、そのすごさやかっこよさを、わざわざ言葉にして届けることって、なかなかないんですよね。ポストに入れる前に、「先生郵便局」で一度見せてもらうのですが、「こんなことがあったの?先生知らなかった」「気付いたあなたも素敵よね」と伝えると、書いた本人も誇らしそうにするんですよね。国語や算数のテストではない、子供の心の豊かさ、EQを見せてもらった1年でした。振り返ってみると、小学校の先生たちは学級経営の中で「非認知能力の見える化」をごくごく当たり前にやっています。このスキルは、子育ての中にも取り入れることができるのではないか? 出産後にそう考えるようになりました。そこで、お家教育でもできる「非認知能力の見える化」を皆さんと共有したいと思います。

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⑤子育てで使える「見える化」、の6つの工夫アイディア〇リンゴの木シート子どもの目標をスモールステップに分けて、できたらリンゴのシールを1つ貼る。木がリンゴでいっぱいになると、達成感を「見える化」できる。〇ありがとう貯金家族で「ありがとう」と言えた数だけコインを入れる。コインが貯まったら、子どもと考えた「ご褒美」。感謝の気持ちを形に残すことで、家族の雰囲気も明るくなる。〇チャレンジカレンダー毎日の宿題やピアノの練習などができたら、カレンダーにシールを貼る。1週間連続でできたら、カラフルなマークを追加するなど、達成の積み重ねを視覚化。継続する力、粘り強さなどが育つ。〇ほめカード子どものよい行動を見つけたら「ほめカード」に書いて渡す。1枚1枚が「自分はできる」という証拠になり、たまると自己肯定感が高まる。直接渡しても良いし、〇〇ちゃんBOXを作って、お手紙風に届けても良い。〇笑顔ゲージ今日の気分を顔マークで選んで貼る。子ども自身が気持ちの変化を意識でき、親子で「今日はなんで楽しかったの?」と振り返れる。〇家族ミッションボード家族全員で週の目標を立てて、できたらチェック。「パパはゴミ出し」「ママは早寝」「子どもはランドセル片付け」などを一緒に書いて、できた数を競うのも楽しい。役割を考える力、協力する力などが育つ。💡ポイントは、子どもが「できた!」を一目で確認できる仕組みにすること。 その積み重ねが「努力は目に見える形になる」という体験に繋がり、自己効力感を高めていきます。また、こうして非認知能力を「言葉」や「行動記録」として可視化することは、子どもにとっての自己肯定感を高める効果もあります。おわりに点数では測れない力は、だからこそ見逃されやすく、評価もされにくいものです。 けれども、社会で長く生き抜いていくうえで必要なのは、むしろこの「非認知能力」かもしれません。子どもたちが日々の生活や学びの中でどんな挑戦をしているのか、どんな力を少しずつ伸ばしているのか。 親としても、先生としても、その成長を「見える化」し、共に喜び合うことができれば、子どもの未来はぐんと広がっていきますね。

【Profile】mama先生(@itoshiki_kosodate)

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「子育ては、子どもを変える作業じゃない。親が変わることで、結果的に子どもが成長するのだ」 これは、私が大切にしている考え方です。元小学校教諭。現在は肩書きを「非正規」に変え、日本の教育社会問題の解決に挑戦しています。偏差値偏重ではなく、非認知能力を軸にした次世代教育を実践する「総合塾=ItoshikI after school」を立ち上げ、子どもたちの創造力と生きる力を育む学びを探求中。また、全国のママたちが安心して子育ての悩みを共有できる伴走型コミュニティ「ItoshikI 子育てサロン」を運営し、「教育学で考える 子育ての教科書」を用いた授業を公開。Instagramでは「学校では教わらない お家で差がつく子育て知識」を発信中。これからも多様な仲間と共に、新しい教育の未来を共創していきます。

Instagram:mama先生(@itoshiki_kosodate)

Voicy:お家で差がつく子育て知識「学校では教わらない、子育ての教科書🌱」

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