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「深夜の駅前で一人、夜行列車を待っていた10代の私。誰もいないと思っていたら、見知らぬ中年男性が...」(山形県・40代)

  • 2025.12.2

山形県在住の40代読者・Mさんの財布には、10枚の千円札が使われることなく、大切にしまわれている。

それはMさんが受験生だった時にある人から貰ったもので......。

受験生時代の思い出(画像はphotoACより)

<Mさんからのおたより>

東北出身のわたしは10代のとき、富山県の高専を受験しました。

北陸新幹線も開通していないころで、入試へは東北の日本海側からの夜行列車で行き、試験後の帰路も夜行列車でした。

1人、冬の駅前で帰りの夜行列車の時間を待っているときのことです。

寒い冬、深夜の駅前で

少しでも温まろうと、自販機の前で何かを買おうとした時でした。他には誰もいないと思っていましたが、話しかけてきた中年男性がいたのです。

「どっから来たん?」

そう問われた私が「山形がらきましたー」「高専の受験さきたんで」と答えると、その人は私に何かを差し出しました。

自販機に行ったときに...(画像はphotoACより)

「んな、遠くから来たんならこれ持ってけ」
「いいんですが?」
「あんたの将来への投資だよ。何か買いな」

そんな会話をしながら受けとったものを見ると、新品のホッカイロと千円札が10枚入っていたのです。

ひとり寂しかった富山でしたが、帰りの列車ではうれし泣きしながら山形への帰路につきました。

かれこれ20年以上経ちますが、富山と聞くといつも、この思い出が、よみがえります。

その1万円はいまだに使えず、大切にお財布にお守りとして、入っています。

あの時のあの方へ、ありがとう。

(※本コラムでは読者の皆さんに投稿していただいた体験談を紹介しています。プライバシー配慮などのために体験談中の場所や固有名詞等の情報を変更している場合がありますので、あらかじめご了承ください)

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