1. トップ
  2. ガソリン車廃止、ボタン消滅…。新型RAV4が“別モノ”に進化!450万円でも選ぶべき人は?

ガソリン車廃止、ボタン消滅…。新型RAV4が“別モノ”に進化!450万円でも選ぶべき人は?

  • 2025.12.29
undefined
出典:トヨタ自動車株式会社

2025年12月17日に発売された新型RAV4。ガソリン仕様の廃止や価格上昇といったニュースが先行し、少し戸惑いを感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、目が離せないのは価格だけではありません。次世代OSアリーンの搭載をはじめ、その中身は劇的とも言える進化を遂げているのです。果たして450万円スタートという価格は適正なのか。デザイン、中身、価格の面からその真価を探っていきましょう。

驚くべき変化とは

ミドルクラスSUVの代名詞、トヨタ・RAV4のおよそ7年ぶりのフルモデルチェンジ。しかし今回は、これまでのモデルチェンジとは少し違う、独特な緊張感をまとっているようです。

最大の理由は、これまで親しまれてきた「ガソリン仕様」が、ラインナップから姿を消したことにあります。

用意されたのはHEV(ハイブリッド)とPHEV(プラグインハイブリッド)のみ。RAV4といえば「好きにまみれろ」のキャッチコピーの通り、手頃でタフに使える道具というイメージも強いため、ハイブリッドへの完全移行には驚きや戸惑いの声も上がっています。

ただ、驚くべきは「心臓部」の変化だけではありません。実は「頭脳」とも言える部分までもが、次世代車載OS「アリーン」の採用によって根本から刷新されているのです。

ガソリン仕様を廃止し、知能化まで進めた新型RAV4。その変貌ぶりを、まずはデザインから紐解いていきましょう。

エクステリア:ハンマーヘッド顔で主張する電動化時代の力強さ

undefined
出典:トヨタ自動車株式会社

まずは外観の変化ですが、パッと見た印象では、先代からのキープコンセプトと感じる方もいるかもしれません。しかし、フロントマスクに目を向けると、明確な世代交代のサインが見て取れます。

最大の特徴は、プリウスやクラウンなど、近年のトヨタ車に共通するデザインアイコン、ハンマーヘッドの採用です。

鋭く切れ長なライト形状と、シュモクザメを思わせる立体的でワイドな造形は、一目で最新のトヨタ車であることを強く印象付けています。特に、コの字型に発光するシグネチャーランプが、ワイド感と低重心なスタンスを強調しており、都会の夜景にも映える先進的な表情を作り出しています。これまでの「タフなギア」として魅力が強かったRAV4に、大人の色気が加わったと言えるかもしれません。

市場からの「都会的に洗練された」といった好意的な反応は、この新しいスタイルが概ね歓迎されている証拠といえそうです。 それはつまり、泥臭いギアとしての魅力をあえて控えめにし、大人が街中で乗っても様になるクルマへと、RAV4がその立ち位置を明確にシフトさせた結果といえるでしょう。

インテリア:デジタル化で一変した操作系と上質な居住空間

undefined
出典:トヨタ自動車株式会社

次に、ドアを開けて乗り込むと、そこには洗練された空間が広がっています。

その空間でひと際目を引くのが、コックピットの先進性を象徴する12.9インチのディスプレイオーディオです。ここには次世代OSアリーンが搭載されており、ナビや空調などの操作を集約。これにより物理スイッチが大幅に削減され、ダッシュボード周りは非常に未来的な印象となりました。

こうした視覚的な先進性は、センターコンソール周りのデザインにも波及しています。従来の大きなシフトレバーが廃止され、コンパクトなバイワイヤ式セレクターが採用されたことで、手元の空間にゆとりが生まれました。空いたスペースはスマートフォンの置くだけ充電トレイや収納として活用されており、実用性もしっかりと考慮されています。

また、機能面だけでなく、内装の仕立てに関しても価格に見合う水準へアップグレードされました。手が触れる部分にはソフトパッドが多用され、ステッチの処理など細部にわたって大幅に質感が向上しています。

ただ、この劇的な変化には、少し慣れが必要かもしれません。 ディスプレイ操作への移行に対し「ブラインド操作が難しい」という声や、機械的な操作感の喪失に寂しさを感じる方もいるでしょう。それでも、広々とした視界やシート設計など、SUVとしての居住性の高さは健在です。デジタルと上質さが融合したこの空間なら、長距離の移動も快適にこなせるのではないでしょうか。そして、この快適な空間を運ぶパワートレインにも、大きな進化が見られます。

パワートレイン:主力となるHEVは240馬力へ進化

インテリアのデジタル化と同様に、心臓部の変化も劇的です。ガソリン仕様の廃止は、RAV4の走りの基準を大きく変えたといえます。

注目すべきは、主力のHEVモデルの実力です。 最新世代のハイブリッドシステムの採用により、システム最高出力は240馬力へと向上。旧型のガソリン車(171馬力)と比較しても十分に余裕があり、アクセルを深く踏まずとも滑らかな加速が得られるでしょう。さらに燃費もWLTCモードで22.9km/Lをマークし、パワーとエコを高い次元で両立しました。

また、駆動方式はモーター駆動によるE-Fourが基本となり、緻密な制御による雪道などでの安定感も強化されています。

なお、さらなる性能を持つPHEVやGR SPORTも今年度内の発売が予定されていますが、まずはこの進化したHEVが市場を牽引することになるでしょう。

ただ、このあまりにもスムーズな走りには賛否が分かれるかもしれません。 機械式四駆ならではのダイレクトな挙動やエンジンの鼓動を好む方には、少し物足りない可能性もあります。この点は、ぜひ試乗で確かめてみてください。

価格の壁:450万円スタートに見るトヨタの戦略とユーザーの本音

走行性能や機能がこれだけ進化したとなれば、やはり避けて通れないのが価格の話です。

旧型RAV4のガソリンモデルが約320万円から購入できたことを考えると、新型HEVの約450万円スタートという設定に、ため息をついてしまうのも無理はありません。正直なところ、これまでのように「気軽に選べるSUV」ではなくなってしまった、と感じる方もいるのではないでしょうか。

しかし、単に「高くなった」と切り捨てるのは早計かもしれません。この設定の裏には、トヨタの明確なラインナップ戦略が見え隠れするからです。

現在、トヨタのSUVラインナップを見渡すと、カローラクロスなど、300万円台前後で購入できるモデルが充実してきました。そのため、RAV4があえて安さを競う必要性は薄れているのかもしれません。むしろ、最新の安全装備、そしてアリーンという高性能な頭脳を搭載することで、ワンランク上のSUVへとポジションを移行させたのです。

そう考えれば、新型RAV4は価格上昇分に見合うだけの中身を、十分に備えているといえるのではないでしょうか。

新型RAV4は誰のためのクルマになったのか

ガソリン仕様を捨て、アリーンという頭脳を手に入れた新型RAV4。それは、誰もが気軽に買える国民車的なSUVからの脱却であり、新しい時代のスタンダードを提案する意欲作ともいえそうです。

とりあえずRAV4を選べば間違いない、という安易な選択は少し難しくなったかもしれません。しかし、初期費用を抑えてラフに使い倒すというよりは、クルマに移動手段以上の体験や、新しいライフスタイルを求めている、そんな方にとっては、新型RAV4は450万円以上の価値を十分に感じさせてくれる、良きパートナーになるのではないでしょうか。



ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析などを手がけ、業界経験に基づいた視点での解説を行っている。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名OK】